WEB連載版のネタバレも含みますので、ご注意を
概要
アードラシア帝国・第八皇子。18歳
主人公アルノルト・レークス・アードラーの双子の弟で剣、魔法、政治のどれをとっても高水準でこなす。加えて思いやりにあふれて自然と味方を増やす絵に描いたかのような温和な貴公子。
親しい間柄の人間からは「レオ」と呼ばれている。
人物
出涸らしと揶揄される兄とは対照的に全てに勤勉に取り組むことで、今日に至る民や臣下達の信頼を獲得してきた亡き皇太子ヴィルヘルムに最も近いと目される人物。
双子なだけあってアルノルト同様に母親譲りの黒髪が特徴の美男子。入れ替わっても分からないほどに顔はよく似ているが、アルノルトと比べれば目つきは柔らかく身だしなみにも気を遣っている。弱点としては人が良すぎることで、そこだけは兄にも懸念されていた。しかし、そのアルノルトが徐々に頭角を現すと帝位争いと距離を置く貴族からはレオナルトに欠ける冷徹な判断を下せる参謀がいると認識され、二人の勢力は兄達からも無視できないものになる。
整った容姿と皇子にふさわしい振る舞い故に平民の娘や貴族令嬢からも絶大な人気を誇り、帝位争いでアルノルト・レオナルトの陣営に協力したクライネルト公爵家の令嬢フィーネ・フォン・クライネルトとの釣り合いが最も取れており、フィーネが帝都へ来た頃は民の間で二人の恋物語が噂になるほどだった。しかし、本人は五年前に出会った西のペルラン王国の聖女レティシアを一途に想い続けている。
エルナ・フォン・アムスベルグとも仲が良く、クリスタ・レークス・アードラーにもアルノルトと並んで全幅の信頼を寄せられている。メイドのマリー・ヴィルケは事務の仕事も手伝っており、絶対的な忠誠を誓われているが故にアルノルトの放蕩癖には頭を悩ませており、帝都の反乱までその能力に気づくことは出来なかった。
能力
武術、魔法、軍略のどれもがバランス良く高水準に達し、器用貧乏どころか器用万能の域に達しており、アルノルトが才能型の天才ならばレオナルトは努力型の天才。
特に戦いでは極めて高難度な聖魔法を発動させるほか、レティシア救出の祭にその場で魔法剣さえ作り上げている。他にも鷲獅子に乗って間がないにもかかわらず、歴戦の竜騎士のウィリアムと渡り合っており、その能力の高さは兄と共に「末恐ろしい」と舌を巻かれる。また、理想を現実にする努力を怠らない姿勢故に自然と味方を増やすタイプで、それ故アルノルトは弟こそが次の皇帝になるべきだと考えている。
軍略では自分が正攻法を用いるタイプであり、兄のように奇策や冷徹な判断を下せない弱点を抱いていることは自覚していたため、正攻法で自分を支えられる軍師として幼馴染みのヴィンフリート・トラレスを招いている。
ただし、戦場を含めて他者の命を奪う覚悟が出来ない、という弱点を当初は内包していたがレティシア救出の折りにその弱点もほぼ克服されており、愛する人を救い、守るために殺める覚悟を決められるようになる。
帝位争いが進む中、宰相フランツが称したのを皮切りに兄と共に『双黒の皇子』と呼ばれ、正道の弟と奇策を持って陰で支える兄と皇帝ヨハネスから認識されている。
活躍
帝国の老将軍ドミニク将軍の暗殺を経て、自分が兄達に目を着けられたと悟り帝位争いに参加。アルノルト扮するシルバーが肩入れしているという事実に帝国一の美女のフィーネの実家が協力していることで徐々に勢力を伸ばし、兄と共に南部の反乱を納めた頃には二人併せて『双黒の皇子』と称され、次第にその勇名は周辺国にまで知れ渡るようになる。
父の即位二十五周年の記念祭に王国代表として訪問したレティシアが王国内部の陰謀で暗殺されようとしていることを知った際、彼女を救いたいと願い、何よりも彼女を愛しているが故にプロポーズをする。
その矢先にレティシアが暗殺されてしまい、絶望の余り帝位自体投げ出してしまおうとするほどに心が折れてしまう。しかし、アルノルトに殴られて叱咤されると共にレティシアが暗殺に見せかけて拉致されたと聞かされ、救出したい一心でレティシアについてきた黒い鷲獅子ノワールと正面からぶつかり合い、乗ることを認められる。
以後、ノワールは戦場におけるレオナルトの相棒になる。
帝都の反乱を鎮圧した後、アルノルトと共に反乱を起こした第三皇子ゴードンと竜王子ウィリアム・ヴァン・ドラモンドの連合軍を撃破して着実に英雄の階段を進むレオナルト。しかし、アルノルトもまたそれを支えると共に北部貴族の心を動かし、藩国のマリアンヌ王女の亡命受け入れと藩国宰相として汚れ役を買って出た綱紀の粛正、それによってアルノルト自身も帝位争いに加わる逸材として注目されつつあった。
それでも二人は帝位争いを共に勝ち進む中、王国が悪魔と関係を持っている疑惑が浮上する。事実上、王国は大陸の敵と認定され、レオナルトは帝国軍として王国の討伐へ赴く。不本意ながら王太子に協力する王国の第三王子アンセム・ド・ペルランと激闘を演じる中、王太子リュシアンが民をモンスター化する狂気の実験を敢行した。この異常事態に際し、アルノルトを総司令とする連合軍が結成、援軍として駆けつけたウィリアム、離反したアンセムと共に帝国の将軍としてレオナルトも参戦。
王太子を依り代に現れた悪魔アスモデウスをシルバー、エルナと共に滅ぼした矢先に黒幕によって王都ごと結界に閉じ込められ、その間に黒幕の悪魔ダンタリオンが皇太子ヴィルヘルムの身体で帝国に凱旋、第二皇子エリクと共に帝都を掌握してしまう。フランツの配慮で母ミツバ、弟ルーペルト、妹クリスタは勇爵家や亜人商会の誘導で脱出し、父ヨハネスより正式に皇太子に叙される。
悪魔に奪われた帝都を奪還する戦いで、シルバーことアルノルトと共にダンタリオンと対峙……ダンタリオンより民に人気のある弟と不人気の兄、有能な兄とその後追いの弟と自分と兄の対照的な面を突きつけられ、折れかけるがレティシアに支えられて再起。聖剣を召喚して兄との連携でダンタリオンを撃破する。
三年後、念願だったレティシアとの結婚式が魔奥公団の襲撃を受けたところへアルノルトが帰還。最愛の兄との再会を果たし、自ら世界の抑止力たる第三勢力としての暗躍を続けるアルノルトを手助けするために皇帝相当の地位銀爵を与えて、兄に活動拠点と安住の地を与えた。
以後、皇太子として多忙な日々を送る一方でレティシアとの夫婦関係も順調で、アルノルトに会いに行った際には互いの妃の自慢をするなど、帝位争いが終わって心穏やかに過ごしている。
関連タグ
フィーネ・フォン・クライネルト エルナ・フォン・アムスベルグ