CV:横尾まり
概要
田中芳樹の小説『銀河英雄伝説』の登場人物。外伝1,3巻に登場。
女性でありながらヴェストパーレ男爵家の当主である。「男爵夫人」というのは称号であり、結婚しているというわけではない。才色兼備でありながら精神的な骨格が強いため、もし男に生まれていたなら帝国宰相や軍務尚書、帝国軍宇宙艦隊司令長官として名を残していただろうと言われたほどの人物でもある。
また、芸術に造詣が深く7人の若手芸術家を愛人にしパトロンになっていたが、エルネスト・メックリンガーのように芸術家としても食べていけるような人物には食指が動かなかったという。
シャフハウゼン子爵夫人(ドロテーア・フォン・シャフハウゼン)とともに、貴族の後ろ盾がないアンネローゼの数少ない友人の1人だが、毒舌家としても有名で、ある貴族は彼女に対して「女のくせに横紙やぶりな」と非難すると「男のくせに女の悪口を言う以外に何の能もないの!?」と反撃されて、その貴族はしばらく社交界に顔を出せなかったという武勇伝を持つ。そのため、ラインハルトやキルヒアイスはいろいろな意味で頭が上がらない人物であった。
マグダレーナの学校で古典音楽の講師を務めていたのがヒルデガルド・フォン・マリーンドルフの母で、彼女の死後も娘であるヒルダと親交があった。
登場は基本的に外伝のみで本伝ではアスターテ会戦以降出番が無く、OVAでは外伝をモチーフにしたオリジナルエピソードのみで少し出番があった程度(※)。
ラインハルト達と交流する機会も無くなりその動向は不明であったが、一部ではリップシュタット戦役以降、キルヒアイスを失ったことで精神的に多大なショックを受けていたアンネローゼを度々見舞っていたのではないかと考察されている。
事実、アンネローゼが山荘に引き籠り世捨て人になってしまったのは失意の果てに酒に溺れた父親とほぼ同じ状態であり、彼女自身も自分のせいでキルヒアイスを死なせてしまったと過剰な罪悪感に駆られていたため、下手をすればラインハルトと再会するまでの間に精神的に死んでしまってもおかしくない危険な状態にあった。
心の傷ばかりは近侍だけで到底支え切れるものではないため、対等の親友であるマグダレーナがアンネローゼを見捨てることもなく心のケアをしてくれていた可能性は大いにあり、それが功を奏して当初は拒絶していたラインハルトとの再会にも支障を来すことはなかったとも考えられている。
※初登場したのは本編の完結前であるため、時期的に最終巻でアンネローゼと一緒に登場してもおかしくなかったとされる。