概要
クシクラゲの仲間。日本近海の水深70~230mの海底で石とかに掴まる固着性。足みたいなところから頂部迄の高さが15cmまで。雌雄同体で胎生。カラーリングは白、橙、黄色 白地に小豆色の水玉模様とバリエーションに富む。後、櫛板と呼ばれる、普通の有櫛動物には存在する、なんか発光したりそれを動かして泳いだりする器官は生まれてから少しの間出ているが大人になると消える。
体(Trunk)から1対の腕部(Arm うさみみに見える)が生え、その腕の先から伸びる長さ30㎝ほどの触手で、プランクトン等を捕まえて食べる。耳の穴に見えなくはない器官(溝っつうかスリット状)は喉の一部で、餌はうさ頭で言う額部分にある所から消化器官へ入る。
学名のLyrocteis imperatorisはそのフォルムがハープとかリラとかの竪琴に見えるのと、御発見あそばした昭和天皇陛下から。
この種が発見される前ってまるごとを採取して研究して学名とか付けてっていう前の1890年代、州崎沖で半欠けのを採取した研究家が「多分ナマコ」「ホヤっぽい」「ウミウシ」としたりした後、結局落ち着いた「ウミウシの一種」で通っていたが1941年、それが採取され、クシクラゲの一種と判明した。その際ついでにお子さんが生まれるのも観測される。その後はまた取れなかったが、21世紀になってからこの種が鯨の死体の周りで観測され捕獲されている。鯨の死体からは硫化水素とかが出るため、通常の海洋生物は死ぬ反面、そういう環境でのみ生息し得る「鯨骨生物群集」と呼ばれる生き物の皆さんがいらっしゃるのだが、コトクラゲさんはそのスジではないらしい。