概要
龍賀製薬が特別な客だけに卸している秘薬。
摂取すると、疲れもなく昼夜働く事ができる。
かつての日清・日露戦争で日本が勝利を得たのは、この薬品を摂取した「不死の兵隊」によるものと言われている。
水木は当初、戦場でのお伽話とMの存在を信じていなかったが、勤め先の血液銀行にて実物を見たことで、信じざるを得なくなった。
製造は東京で行われているが、元となる原液は哭倉村で作られており、その原料や製法は龍賀製薬の社長である龍賀克典にも知らされていない。
余談
ファンの考察では、Mは強力な鎮痛・鎮静作用がある「モルヒネ(当て字では莫爾比捏または莫児比捏と書く)」のMではないかと言われている。あるいは、不眠不休で動けるという謳い文句からヒロポンの主成分メタンフェタミンのMの可能性もある。
なお現実の現在では自衛隊法の第八章に第百十五条の三として、特例の形で補給場のみ所持の許可がされて(言わずもないが、使用の前例は見受けられない)いる。
騒動
2023年冬のコミックマーケット103にて、とあるサークルがコイツのレプリカオブジェを頒布しようとしたが、直前になって規約と薬事法に抵触するので頒布中止するという騒動が起きた。
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この先、ネタバレ注意!!
その材料はなんと血桜によって生きながらに搾り取られ続けられてきた幽霊族の血液であり、そのために無数の幽霊族が犠牲になっていた。
そして、幽霊族の血を人間にそのまま投与してしまうと赤い肌をした生きていながら死んでいる「死人」と化してしまうため、哭倉村周辺から拉致してきた人間に幽霊族の血を投与し死人とし、彼らからさらに抽出したものがMの原液であった。
更に捕らえられたゲゲ郎が連れていかれた地下の採血施設のゴミ捨て場には人形が捨てられていたが、この人形は水木が村に向かう際に利用した汽車に乗っていた「煙草の煙で咳き込む少女」が持っていたものと同じものだった。
また血を抜き取られている死人の中にも咳き込む者とそれを案じる者(恐らく母親)がいることから、あの汽車の乗客の内、かなりの数が拉致されたと推測される。
あるいは、普通の売血と騙された人たちだった可能性もある。(現在の法律で売血は禁止されているが、本作が舞台の昭和31年『西暦1956年』の日本は高度経済成長期で復興が進んでいたが貧富の差は激しく、生活苦から売血をしなければいけない人も多かった)
この非道の元締めが龍賀一族であり、更に村の住人たちは薬の原料として搾り取るために、拉致監禁され苦しみ続けている死人と化した者たちの管理を仕事としていた。
つまりMは、龍賀一族どころか村全体が、幽霊族と人間に犠牲を強いらせる非道によって生みだされたものだったのである。
因みに隙を見て逃げようとした死人は長田率いる裏鬼道に捕まり、哭倉村の秘密が外部の村に漏れないように口封じ又は証拠隠滅に殺されるもしくは連れ戻されている。
また、水木が村に向かった後の血液銀行の上司たちの会話から、Mの秘密を探ろうと何人もの人間が哭倉村へ向かったが帰ってこなかったらしい。
恐らく同じように始末されたか死人にされたのだろう。