概要
サボテン科の植物であるEpiphyllum属の和名であるクジャクサボテン属の総称。現在ではそのままエピフィルム属と呼ばれる事も多い。
森林に産する着生植物の一種で非常に大きく美しい花を咲かせる。代表種として月下美人等が知られる。
月下美人以外の種はあまり出回らず、一般にクジャクサボテンと呼ばれ流通するのは後述の園芸品種群である事が多い。
園芸植物としてのクジャクサボテンは、前述のEpiphyllum属に加え、近縁のDisocactus属や、Hylocereus属、Selenicereus属等の森林生サボテン類を掛け合わせた属間交配によって作出された花サボテンの園芸品種群を差す。
これらの園芸品種は多くがクジャクサボテン属(Epiphyllum属)よりむしろDisocactus属や、Hylocereus属の系統を濃く祖先に持つとされ、特にアッケルマン孔雀(Disocactus ackermannii)や花大名(Disocactus speciosus)が重要な交配親になったとされる。
そのためEpiphyllum属の花は本来、白色のものがほとんどであるのに対し、色彩豊かな他属の系統を含んだ園芸品種としてのクジャクサボテンは白色の他にも赤や黄色など色彩に富んだものが多い。
Epiphyllum属は比較的暑さに強いものの、Disocactus属などは蒸し暑さに弱い性質があるため、Disocactus属などの性質を多く引き継いだクジャクサボテン類は、意外と日本の蒸し暑い夏を苦手とするものが多い(「港祭り」と呼ばれる品種の系統など)。
世界で1000種以上の園芸品種が知られ、日本でもかつては専門業者によって盛んに新品種が作出されていた。