概要
「全身の細胞が狂喜している。加速せよ、と命じている。加速せよっ…加速せよっ!!
目には映らない物、耳では聞こえない音、集中力が外界を遮断する。膨張する速度は静止に近い。奴は当然のように急速な成長を遂げる。反射する頭脳、瞬発する肉体…次第に引き離されてゆく…徐々に置いてゆかれる感覚。優劣は明確。しかし、焦りはない。全力で打球している。全力で反応している。怯える暇などない。…(中略)此処はいい…此処は素晴らしい。」
'96年連載開始。
マンガの革命家・松本大洋の代表作の一つ。
単行本の帯コピーは「274cmをとびかう140km/h、地上最速の球技、卓球!!」
卓球の天賦の才をもって生まれた、クールで生真面目なスマイル(月本)と、明るく自由奔放なペコ(星野)を中心に、2年連続でインターハイ個人王座に輝いたドラゴン(風間)、人一倍の努力家だが才能がないアクマ(佐久間)、中国で好成績を残せず日本で再起を賭けるチャイナ(孔)たち高校生の挫折と勝利の青春を描く。
卓球という競技そのものや、スポ魂ジャンルにおける従来のイメージを大きく変えることとなった名作。
松本の洗練された描線と卓越した画力、複雑な視点移動を用いたコマ割りによって生まれる
動画のような躍動感とスピード感が特徴である。
ストーリーや台詞、効果音の描写など、至る所に松本の強い作家性を感じられる。
2002年には実写映画が公開。
原作の世界観や演出を忠実に再現して大ヒットを記録した。
漫画の実写化としては非常に珍しい、原作ファンにも支持された映画作品である。
登場人物
キャプテン大田:荒川良々
真田:末満健一
海王の監督:平岡義博
(映画において、卓球の技術指導を担当したコーチ本人である)
ムー子三輪明日美
孔のコーチ:翁華栄