概要
CV:水沢史絵(テレビアニメ版)
『逆転裁判3』第4話に登場。
本編から約6年前、綾里千尋と御剣怜侍が初めて担当した裁判の被告人・尾並田美散に殺害されたとされる女性。年齢23歳。身長160cm。
生前は現職の婦人警官であり、階級は巡査部長だった。
第4話から更に5年前、14歳の少女を誘拐して吾童山に立てこもった尾並田を山中にある「おぼろ橋」の上で追い詰め、人質を橋の上から突き落として殺害した尾並田を逮捕した。裁判ではその時の様子を詳細に語った彼女の証言が決め手となり、判決は有罪。尾並田には死刑が宣告された。
それから5年が経った今回、護送中の事故に乗じて脱走した尾並田に呼び出され、5年前の事件現場である吾童山で彼に殺害されたとされている。
遺体は尾並田が移動に使った盗難車のトランクから発見され、その背中には凶器のナイフが刺さっていた。
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ネタバレ
勇希を殺害した真犯人は尾並田ではなく、勇希の義妹にして5年前の事件の被害者とされている美柳ちなみである。
勇希にとって、ちなみは母親の再婚相手の連れ子にあたる。
5年前に尾並田が起こした誘拐事件は尾並田と勇希、そしてちなみの3人による自作自演の狂言事件であり、勇希は警察官の身分を利用して犯人と取引する役だった。
尾並田たちに遅れて吾童山に入った勇希はおぼろ橋の上で2人と合流するのだが、ここで勇希はちなみと共に尾並田を裏切った。勇希は拳銃で尾並田を撃ち、ちなみはその混乱に乗じて身代金替わりの宝石が入ったリュックサックを持って橋から飛び降り、12メートル下の急流に姿を消した。勇希はそのまま尾並田を逮捕し、裁判では彼に全ての責任を押し付けて死刑に追いやった。
事件の後、勇希はちなみが身分を偽るために必要な書類を用意し、ちなみを世間的に死んだことにしている。
警察官でありながら犯罪に手を染めた勇希だが、彼女はちなみと違ってまだ良心的な人物だったようで、脱走した尾並田から呼び出されたことで5年前の事件の真相を世間に公表しようと決意し、尾並田が待つ吾童山に向かった。しかし、あろうことかその決意をちなみにも伝えてしまったため、勇希は尾並田と再会する前にちなみの手で殺害され、その口を封じられてしまったのである。
誘拐事件の動機の考察
何の罪もない尾並田を陥れた人物として描かれているが、尾並田が「14歳のちなみと心中の約束をしていた」ことを知っていたとしたら、彼女の行動も理解できないものではない。
下手をしたらストーカー殺人でちなみが殺されているかもしれないので、妹を守るためにストーカーを排除する方法がほかに思いつかなかったのかもしれない。
少なくとも尾並田は橋の上でちなみを渡さなかったので、「ちなみが幸せならそれでいい」とか「どんな時も、ちなみの安全が第一」などと考える人間ではないことは確かである。
また、尾並田も狂言誘拐に参加しているだけで犯罪者(しかも大事なはずのちなみを巻き込んで)であるので、同情に値するのかどうかは疑問が残る人物である。
だからこそ、法廷で糾弾したとすれば全面的に彼女が悪いとは言い切れない。(死刑判決になったのは想定外だったはず)