曖昧さ回避
- アメリカの企業。旧商号「National Cash Register」が示すように、キャッシュレジスターや、それを端末とするPOS(販売時点情報管理システム)、ATM(現金自動預け払い機)などの世界的大手メーカー。
概要
NCRとはNew California Republicの略称で、読んで字のごとく「新カリフォルニア共和国」。
Fallout3以前のいわゆる旧作シリーズおよびFallout:Newvegasに登場する架空の国家(Fallout1のエンディングで言及され、2で初登場。地理的に大きく隔たっている3,4にも名前だけ登場した)。この項目では主にNewVegasに登場するものを扱う。
人口は七十万人と核戦争後のアメリカにあらわれた勢力の中では最大で、ゲーム内で受けられるクエストもNCRからのものが圧倒的に多い。このNCRと拮抗する勢力、シーザー・リージョンと呼ばれる戦闘部族とのフーバーダムをかけた戦いが主軸となってFallout:Newvegasの物語は展開していく。
ちなみNewvegas作中で登場する舞台の大半は今の所NCRの支配下。リージョンの支配地域はコロラド川の東がメインで、ゲーム内のマップの左端よりさらに左であるため(コロラド西岸にはいくつかのキャンプを築いている)、リージョンから受けられるクエストはNCRよりかなり少ない。
余談
「カリフォルニア共和国」とは、米墨戦争時の非常に短い期間(1ヶ月にも満たない)だが実在した国家である。国家として存在した期間こそ短かったものの、現在もカリフォルニア州の旗に「CALIFORNIA REPUBLIC」と名が記されている。それ故にNCRは『新』なのである。
背景
地球が核の炎に包まれてから数十年が経ち、地下シェルターや避難所に逃れ生き残っていた人々は新たなコミュニティや部族を建設するため、荒廃した世界へと旅立っていった。
さらに時が経ち、アメリカ南西部は核戦争が起こる前の『旧世界』の価値観や立法、民主主義を掲げる新カリフォルニア共和国(以下NCR)が統一した。
NCRはもともとカリフォルニア州にあったシェイディ・サンドという小さなコミュニティから発展して建国された国家であったがNewVegas開始時点(2281年)ではネヴァダ州の一部までその版図を広げている。まだまだ発展途上の国家であり、領土的野心も大きい。
東への進出
新たな領土と富を求めて東へと偵察員を送り込んだNCRはそこで核の被害を受けていない都市ニューベガスとコロラド川を横断する巨大なダム、フーバーダムを発見する。
NCRは早速かの地を我が物にせんと兵力を送り込み、ダムを稼働できるまでに修復した。
フーバーダムの攻防
しかしコロラド川の東岸にはNCRに対抗できるほどの勢力がすでに存在していた。その勢力はシーザー・リージョンと呼ばれ、リーダーのシーザー率いる古代ローマを模した巨大な軍事集団。多くの部族を平定してきており、多数の奴隷も抱える。リージョンはNCRがダムを確保してから四年もの間攻撃を続け、NCRはそれにかろうじて耐えていた。
軍事力
NCRはその国力をいかんなく発揮し、軍隊を整備した。常備軍を建設し、統一された規格の武器や装備を支給。訓練によって練度を平均化し、歩兵のみならず砲兵部隊や工兵部隊といった諸兵科も揃え、進出してきたモハビ砂漠の各地に前哨基地を建設する等、文字通りアメリカ最大の軍事力を保持している。少なくとも頭数で言えば統率された組織としては間違いなくトップと言えるだろう。
一方で戦前の技術を保全発展させてきたBoSやエンクレイヴといった組織と比較して科学技術では大きく水を開けられており、パワーアーマーの動力機構を修理出来なかったり、占領した戦前の施設を解析出来ずに放置してたり、エネルギー武器が殆どなかったりと、今一つパッとしない。とはいえ、全く原始的な装備ばかりというわけではなく、大統領専用機としてベルチバードのような航空機の運用は確認されている。
NCRには特別軍がいくつか存在しており、特に有名なのがNCRレンジャーである。腕の立つベテラン兵士が選抜される形で編成される精鋭部隊であり、戦後に作られたとされる専用アーマーを支給され、少数のチームで過酷な特殊任務に従事している。元々は破壊工作等を行うあまり目立たない日陰者だったが、フーバーダムにおける活躍で一躍脚光を浴び、NCR軍を代表する精鋭として知られるようになった。
更にこのレンジャーの中でも生え抜きの隊員、或いは後述の条約締結以前からネバダで活動していたベテラン兵は、戦前に製造された暴動鎮圧用アーマーとトレンチコート、ガスマスクと暗視装置がセットになったヘルメット、非常に強力なレンジャーセコイアやアンチマテリアルライフルを装備するNCRベテランレンジャーとなる。彼等はその「黒いアーマー」からリージョンやフィーンド(レイダーの一種)から非常に恐れられており、上記レンジャーからもシャープシューターと称賛される腕前を持つ。パッケージやオープニングにも登場しているので、文字通りNewVegasという作品の顔にもなっている。もっとも、出てくるのが終盤の上にそのアーマーが中々手に入らないせいで、実際のプレイでの活躍は大分ショボいが…その脅威をもっとも実感出来るのはNCRと明確に敵対した場合で、上述の強力な銃器をGuns Skill値100で確実に当ててくる上、パワーアーマーを除けば最上位に近い性能のアーマーとランダムで付いてくる防御値ボーナスのせいで矢鱈硬く、勘が鋭いのかこちらがいくら変装していても近付くと見破ってくる等、その伝説が冗談でなかったことを直接的に知らしめてくる。
ちなみに同じ「レンジャー」の名を冠するが、彼等は元々別の組織である。NCR建国後に発足した特殊部隊であったNCRレンジャーに、戦前の州軍が設置した治安維持部隊やテキサスレンジャーズを祖とするデザートレンジャーが合流して結成された経緯がある。デザートレンジャーはモハビでリージョンと交戦していたが、劣勢に立たされたことでNCRに助けを求め、最終的に2271年「レンジャー統一条約」を締結し、NCRレンジャーと合流した。モハビ前哨基地で手を取り合う2人のレンジャーの立像は、この条約を記念して建てられたモニュメントなのである。
また、NCRがBoSやエンクレイヴと異なる点の一つとしてグールが市民権を獲得していることが挙げられ、NCR軍にもグールが参加している。無論、一般兵レベルでは多少の偏見や差別はある上に全体としての数は少ないものの、能力次第ではベテランレンジャーに昇格することも可能。むしろ軍歴の長さが重視されるためか、劇中のNCR軍内でもっとも多くグールを採用しているのはベテランレンジャーであったりする(この偏りは開発陣も意図した配置であり、NCRレンジャーも汚染地域にグールを配置しているがその人数は僅か3人と、明らかに偏っている)。
他にもT-45パワーアーマーやミニガンを備えた重火器部隊もあるが、こちらは戦前のパワーアーマーを掘り出したものの技術力の低さからパワーアーマーの動力機構を復旧することが出来ず、完全に筋肉で動かしている。まぁ、アーマーの防弾性能は極めて高いし、それだけ強靭な体力を認められたともいえるが、その着心地は「まるでバラモンを背負わされているみたい」とこと。
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ネタバレ
「NV」の後。おそらくは「4」の数年前から本編の時代。
首都シェイディ・サンズは爆撃され、巨大なクレーターを残し壊滅した。