概要
追放ものの作品。正式名称:ようこそ『追放者ギルド』へ ~無能なSランクパーティがどんどん有能な冒険者を追放するので、最弱を集めて最強ギルドを創ります~
原作既刊2巻
コミカライズはドラドラふらっと♭にて連載。
既刊4巻(2024年1月現在)
メソポ・たみあ(原作)
U助(キャラクター原案)
荒木佑輔(作画)
あらすじ
追放ブーム。世の中ではそんな言葉が流行っている。
〈ステータス・スカウター〉という能力を数値化&視覚化してくれる便利アイテムが登場したことで、世間では高ランクのパーティがステータスの低い仲間を追放することが流行となっていた。
ギルドマスター育成学校を卒業したアイゼンはステータス偏重主義の世間に疑問を抱いており、尚且つ【鑑定眼】という〝隠しスキルを見抜くスキル〟を持っていた彼は、無能と称され追放された冒険者たちが貶される追放ブームへの反抗心を募らせていく。
目の前で今まさに少女が追放されようとしているのを見たアイゼンは「追放された者を集めた新興ギルドの起ち上げ」を決め、追放された冒険者を次々と雇用。
アイゼンの新興ギルドには数値で測れない有能な者たちが集い、やがてギルドの名を世界に轟かせていく。
逆に、メンバーを引き抜かれたSランクパーティやステータスの数値しか見れない者たちは転落と失墜の道を辿り、本当の無能は誰なのか思い知ることになる……
「その子を追放するんですか?じゃあ『ウチ』が貰いますね」
登場人物
追放者ギルド
- アイゼン・テスラー
隠しスキル | 能力 |
---|---|
鑑定眼 | 対象者の隠しスキルを見抜く |
主人公。「追放者ギルド」のギルドマスター。
幼少期から他の人には見えない「隠しスキル」が見えていたことにより、ステータスのみによって決まる追放ブームを快く思っておらず、自身の隠しスキルをもってそのブームに反抗するべく追放者ギルドを創立した。
ギルドマスター育成学校時代、からかってくる同級生と喧嘩になることがよくあったことで、それなりに戦闘力はあるが、魔物と正面から戦えるほど強くはない。
朴念仁で周囲の好感度には無頓着。
- ヴィリーネ・アプリリア
隠しスキル | 能力 |
---|---|
超第六感 | 対モンスターの出現位置や弱点、トラップなどを予知できる |
物語冒頭において「追放」された、Sランクパーティ「銀狼団」元メンバーで金髪ロングの美少女。ステータスの低さを理由に追放されたところをアイゼンが迎え入れ、最初のギルドメンバーとなった。性格は温和だが、悪事を決して許さない正義感と自分がされた仕打ちを受けても心意気を汲む慈悲深さを併せ持つ。
ステータスが低いとは言うものの、Aランクパーティとして戦っていた経験から、戦闘能力は極めて高く、ギルド内のメインアタッカーである。愛用の武器は細身のレイピア。
- マイカ・トライアンフ
隠しスキル | 能力 |
---|---|
巫の祝福 | 1度の戦闘で味方一人への攻撃を3回まで無効化する |
Sランクパーティ「アイギス」の元メンバーにして、2人目の追放者ギルドメンバー。
ケモ耳の魔術師。
本名はマイカ・シロカネ。極東の王族である「シロカネ一族」の巫女の長姉であり、妹がいる。しかし妹との「巫の祝福」の能力差を周囲に比べられるなど、役立たず扱いされていたため出奔。アイギスメンバーとして活動していた。
ヴィリーネと同じく所属していたパーティーをステータスの低さを理由に追放されたところをアイゼンが迎え入れる形で加入した。
王族出身なだけに普段の振る舞いは気の強いお嬢様に見えるが、心根は優しい。
スキルを含めた多彩な魔法による戦術を得意としており、アタッカーとしてもサポーターとしても非常に優れている。実家に籠りっきりだった時には様々な書籍を読み漁りSランクパーティーに所属していた経験もあってか、知識は豊富で世情にも明るい。
- コレット・ハクスバーナ
隠しスキル | 能力 |
---|---|
なし | − |
Sランクパーティ「トールハンマー」の元メンバーにして、3人目の追放者ギルドメンバー。
隠しスキルはないが、高い肉体能力を持ち、愛用の武器は背丈よりも大きいハルバード。
明るい性格で、元気が取り柄。「〜っす」という口癖がある。
追放者ギルドに仮入団したサルヴィオに稽古を付けてもらう中、彼の破天荒だが真摯な指導でスキルに目覚めつつある。
銀狼団→−
- サルヴィオ
隠しスキル | 能力 |
---|---|
屈強な肉体 | 攻撃力と防御力を基礎ステータスから1.4倍にする |
Sランクパーティ銀狼団リーダーにしてヴィリーネを追放した男。
追放直後に高難易度ダンジョンに挑み、パーティは壊滅した。
その後は反省し、アイゼンのギルドに参加、コレットを鍛えるという課題を与えられる形で仮入団する。
登場当初は傲慢で身勝手な人間性をしていたが、追放者ギルドの一員になってからは自ら性根を入れ替えており、口は悪いがコレットを一切見捨てる事無く修行に付き合い、ヴィリーネとの蟠りも一定消えている。
好みの女性は、50歳以上で少し背が低く、母性の中に少女っぽさが残り、さらに知性的で気が強くてミステリアスな雰囲気をもつ美魔女。
左の男性の方
冒険者ギルド「アバロン」
- カガリナ・カグラ
隠しスキル | 能力 |
---|---|
動物会話 | 動物と意思会話ができる |
デイトナの街にある冒険者ギルド「アバロン」のギルドマスターの一人娘にしてアイゼンのギルドマスター育成学校の同期。赤いショートヘアでスタイルが良い。
現在は同ギルドの受付をしており、たびたびアイゼンの無茶振りに呆れながらも応えるなどしている。ツンデレ。
ハリアーという鷹を飼っており、アイゼンに対するバレバレな恋心をからかわれている。
冒険者とは近しい距離感で接する事を好む明朗快活な性格をしており、ギルドマスターにして実父であるライドウとも仲が良い。
- ライドウ・カグラ
カガリナの父親でありアバロンのギルドマスター。また、四大星帝(クアッド・マスターズ)の一人。
現役時代は「霹靂の大狼」という異名をもつ冒険者だったが、現在は後進の育成に努めている。
雷を纏った状態で放つ「雷刃」という技を有する。
精悍な顔立ちをしているが、冷静沈着で理性的な人格者であり、アイゼンの事も常に気に掛けている。同じ四大星帝(クアッド・マスターズ)であるヴォルクとの仲は険悪であるが、冒険者としての気概は認め合っている。
冒険者ギルド「ヘカトンケイル」
- ヴォルク・レオポルド
ヘカトンケイルのギルドマスターであり四大星帝(クアッド・マスターズ)の一人。「望蜀の獅子王」という異名を持つ。
武闘派の実力主義で「弱肉強食」をモットーとしており、幼少時竜を目撃して以来、相対を臨んでいた。
獅子のような荒々しい風貌に違わず、性格は武骨で傲岸不遜な人物であり、弱者や成果を挙げられない人間には非常に厳しく、そのせいで他の四大星帝(クアッド・マスターズ)との折り合いが悪い。
- クレイ、サイラス、ヒルダ
ヘカトンケイル所属のSランクパーティ「アイギス」のメンバー。順にアタッカー、タンク、魔術師(死霊使い)
ドラゴンを討伐し、「竜殺し」の異名をもつが、アクア・ヒュドラにサイラスを一撃死させられ惨敗する。ヴォルクに失望されたクレイが情緒不安定になっているところをヒルダがサイラスをアンデッドにして復活させ、「エンシェントスカルドラゴン」を覚醒させる行動を誘発させた。
冒険者ギルド「アリアンロッド」
- メラース・アイルーシカ
アリアンロッドのギルドマスターであり四大星帝(クアッド・マスターズ)の一人。「仙姿の魔女」の異名を持つ。
普段は掴みどころのない女性だが、アイゼンのスキルに興味を抱いてからは彼を気に掛け時には助力したりと心優しい一面もある。
魔術師としては超一流である一方、研究家肌な側面も持っている。
右の女性の方
冒険者ギルド連盟
- ジェラーク・ファルネーゼ
冒険者ギルド連盟の総代にして四大星帝(クアッド・マスターズ)の一人。40年前に冒険者を引退しており、当時は「ダイダロス」というパーティを組んでいた。
白い長髪の老人であるが、痩身に比して堅固な肉体を持ち、内に秘めた覇気もヴォルクすら一瞬たじろがすほど。
その他
- ファウスト・ムルティプラ
錬金術師であり、現在の追放ブームの引き金であるステータススカウターを発明した天才。それ以外にもモニターやマイク、ドローンなど、多くの発明品を開発している。
一見すると紳士的に見えるが、本性は非常にプライドが高く、見下されたと思うと簡単に切れては短絡的な行動に走るほど幼稚な部分がある。自身が発明したステータススカウターによる弊害を糾弾されても一切考えを変えなかったばかりか、追放ブームを終わらせたい思想を持つアイゼンを「偽善者」呼ばわりするほど高慢で慇懃無礼な態度を取った事すらある。
ギルド連盟の上層部と癒着し、賄賂などの汚職を行っていた。自分の発明の正しさを証明するためにアイゼンらに決闘(但し、Sランクパーティーが代理として参加)を申し出る。しかし、Sランクパーティーさえ壊滅させる強さを持つレッサーデーモンに急襲された事で有耶無耶になってしまい、皮肉にもアイゼンら追放者ギルドの実力と思想を多くの聴衆達に見せつけてしまう。懲りずに賄賂を関係者に渡して暗躍しようとするも、お忍びで決闘を見に来ていたジェラークやライドウ達にバレた事によって逮捕され、これまで築き上げた地位も全て地に落ちた。
用語
ステータス
「ステータス・スカウター」というアイテムにより、着用者の能力を数値化し、可視化されるようになったもの。これにより、多くの冒険者が自らの能力を把握するとともに、現在の「追放ブーム」の引き金となった。