概要
この説によれば、地球は球体ではなく、円盤であるというもの。
円盤状の地球を「フラットアース」、この説を信仰する人々を「フラットアーサー」ともいう。
天文学が未発達だった古代では、地域や宗教などで、これとはどこか違うものの一般的な考えだったが、1519年にフェルディナンド・マゼランが世界一周の航海に出発し、彼の没後1522年に部下がそれを成し遂げたことと、技術が発達したことで、現在では否定されている。
実際は19世紀に科学とキリスト教の対立が激しくなった際に、科学の側からキリスト教を攻撃する、もしくは揶揄する目的で作り出されたもので、中世や近世においても、知識のあるものは古代ギリシャで確立された地球球体説を捨てておらず、当時から地球平面説は居場所が無かった。
しかし、最近はアメリカを中心に科学を否定し、これを信じている人が増えているという……。
支持者の主張
地球平面説を指示する人たちによると…
- 地球は球体ではなく、円盤状。
- 南極大陸は存在せず、代わりに地球を囲むように氷の壁がある。南極条約はこの事実を一般人に伏せるためのもの。
- 重力は無く、地球がエレベーターのように上に上がることで、重力があるように感じるだけ。
- 太陽と月は直径51kmくらいで、上空30kmくらいをぐるぐる回っている。
- 宇宙そのものが存在せず、星空は巨大なスクリーンに映し出された映像で、北半球と南半球でそれぞれ違う映像が映し出されている。
- 宇宙が無いから、太陽系の惑星も存在しない。
- 人工衛星や宇宙ステーションも存在しない。
というのが支持者の主張で、中には…
- 世界は地球だけで、月も太陽も宇宙も存在しない。
- 地球が丸いと思ってる人たちは、政府の陰謀に騙されているだけ。
- NASAはヘブライ語で「嘘」という意味。
という主張もある。
そもそも…
- もし地球が平面だったら、マントルが無いためプレート運動が起きず、金属のコアが無いため磁場が発生しない。
- 月と太陽が直径51kmで、上空30kmを周っていたら、月は地球の引力ですぐに地上に落ちてしまうし、太陽の熱で地表は灼熱地獄になる。それ以前に、その大きさだと月は球体にはならず、太陽も存在を保てずに水素とヘリウムのガスとなって散らばってしまう。季節の変化や月の満ち欠け、日食や月食も起こらず、潮の満ち干も起きないばかりか、昼夜のサイクルも無くなる。
- 宇宙空間が存在せず、星空は地球を覆う巨大なスクリーンに映し出された映像というのも、そんな巨大なスクリーンは現実的に存在するとは考えづらい。そもそも宇宙自体が存在しなかったら、地球に落ちてくる隕石がどこからやって来るのかが証明できなくなる。
更に地球が平面だったなら、地平線や水平線の見え方は実際と異なっている筈である。
…といった感じで、ツッコミどころだらけである。
それでも支持者は科学を否定して「神様がそうしている」などと頑なに主張し、何より、いわゆる「後だしじゃんけん」で論破しにかかるため、信じている人を引き戻すのが非常に難しい。
近年ではSNSの発達なども後押しして地球平面説を信じている人がじわじわと増えているのも事実である。
なお、ローマ帝国時代のキリスト教の神学者の中にも地球平面説を信じている人達を阿呆扱いしている者さえ居た。
余談
ゲームなどでは地球の丸さを再現せず世界を平面状に表現している作品も多々見られるが、あくまでゲーム上の都合でありフラットアースと呼ばれることはまずない。
ただし、地図の北へ向かうと南から出現するという現象がよく見られることから、地球ドーナツ説(ドーナツ型惑星)が(冗談交じりで)提唱されている。
なお、天動説は地球平面説とは別のもの(論理的には、片方が成り立っても、もう片方が成り立たない事が有り得る独立した無関係の説。数学や論理学の用語で言うなら「地球平面説の真偽」と「天動説の真偽」は独立事象)であり、中世のヨーロッパやイスラム圏での標準的な天動説であるプトレマイオスの学説は「地球は球体」という事を前提にしている。
関連イラスト
関連動画
関連タグ
Cosmos_in_the_Lostbelt(Fate/GrandOrder):地球全土を同じ昼夜にするという球体の地球では起こりえない現象が発生している作品。