聖戦(聖闘士星矢)
せいせん
第一次聖戦
アテナが誕生した後、天空と大地を統治していた天帝ゼウスが、地上の覇権をアテナに委ね、天空へと消失する(理由は不明)。
大海の支配者である海皇ポセイドンは、かねてから海界のみならず大地の覇権をも狙っていたことから、ゼウス消失を機として、海闘士たちを率いて地上侵攻を開始する。
アテナ軍の戦士たちにとって、海闘士たちの纏う鱗衣は、あらゆる攻撃を寄せつけない驚異的な防具であり、これに対抗する形で聖衣が作られ、聖闘士が誕生する。
アテナの聖闘士の登場により、ポセイドン軍との闘いは形勢が逆転する。
最終的には、アテナから派遣された8人の聖闘士により、ポセイドンの地上拠点である城塞宮アトランティスが地中へ沈められ、闘いは終結する。
アレスとの闘い
聖戦の中でも最も過酷な闘いであったのが、戦神アレスとの聖戦である。
アレスの率いる戦士たちは狂闘士(バーサーカー)と呼ばれ、破壊と殺戮を繰り返す戦士である。
当時のアテナの聖闘士は58名存在していたが、狂闘士たちの前に劣勢を強いられ、次々に倒れる。
アテナはこの苦境に際して、ついに聖闘士たちに対して、天秤座の武器の使用を許可する。
これにより形勢は逆転して、狂闘士たちは壊滅、アレスが冥界へと逃亡し、この聖戦は終結する。
なお、アレスが戦争を引き起こすと、多くの死者により冥界の住人が増えることから、冥王ハーデスはアレスの数少ない理解者の1人である。
そのために、このアテナとアレスとの一戦も、ハーデスが裏で糸を引いていたとの説もある。
現代から見て最も最近に行われた聖戦で、冥王ハーデスとの闘いである。
この時代のアテナの聖闘士は79人であり、史上最大の人数である。
聖戦の終結時には聖闘士の大半が戦死したものの、アテナがハーデス軍を封印することで終結を迎える。
生き残った聖闘士の内、牡羊座のシオンは教皇として聖域を統治、天秤座の童虎は封印を監視する役目を与えられる。
『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』では、このハーデスとの闘いの直前、未来(1990年の現代)から城戸沙織たちが時空を超えてやってきたことで、時空が乱れて天地崩壊に等しい事態となり、それに伴う蛇遣座のオデッセウス、蛇遣座のアスクレピオスの復活という、様々な介入があったことが明らかになる。
しかし沙織たちが現代世界に戻ったことで時空は修復され、この時代の聖闘士たちの沙織たちに関する記憶も、オデッセウスたちがいた痕跡も消滅し、サーシャ率いる聖闘士たちによる聖戦が幕を開ける至っている。
243年前の前聖戦でのアテナの封印が解けたことで、ハーデスとの聖戦が勃発する。
城戸沙織はこの闘いのために、物語開始13年前に降臨し、全聖闘士もこの闘いのためにこの時代に生を受けたのである。
即ち『聖闘士星矢』における真の闘いの物語である。
この闘いに先駆けて、聖域ではサガの引き起こした内乱により、黄金聖闘士は半数、白銀聖闘士も10人以上が死亡しており、アテナ軍はほぼ半壊の状態で、闘いを迎えることとなる。
ハーデスとの闘いにおいても、黄金聖闘士全員が死亡という多大な犠牲を払いながらも、アテナと星矢たちがハーデスを討つ。
ハーデスが神話の時代から愛していた自身の肉体も、神話の時代から築き上げてきた冥界も共に消滅し、聖戦は終結する。
『冥王神話』では、時代設定が「1990年」と明記されている。
その他の神々の闘い
現代の聖域での内乱からハーデスとの聖戦の間に行われたアテナ軍とポセイドン軍との闘いは、アニメのタイトルでは「聖戦ふたたび」とあり、スピンオフ漫画『聖闘士星矢DESTINY』でも「聖戦の火ぶたはきられた」とある。
しかし実際にはカノンがポセイドンの封印を解くことで人為的に引き起こされたものであり、作中でも「聖戦の前の些細なアクシデント」と語られていることで、聖戦と見なすかどうかは、判断の分かれるところである。