概要
1889年7月28日に熊本県西部で発生した内陸直下型地震。震源地は熊本市の西方(北緯32.8度・東経130.7度)で、規模(マグニチュード)はM6.3。熊本市を中心に被害があり、熊本城も被災して20人が犠牲となった。
地震学的な特記事項
- 1880年に「日本地震学会」が設立されてから初めて都市で起きたものとして注目された地震である。
- この地震で放出された地震波は、なんと遠く離れたドイツのポツダムでも検知(記録)された。このことから、地震波はときに地球を何周もすることが知られるようになっていった。
名称について
現在は単に「熊本地震」といえば(被害が甚大だった)2016年の大地震を指すことが多く、明治時代にも熊本で地震があったという事実を知っている人の方が少なくなっている感が否めない。
しかし(前述の通り)明治の地震は、遠くドイツにまで地震波が到達するなど、多くの死者が出た以外にも学術的な特記事項が複数あることから、専門家の間では現在でも語り継がれている地震のひとつである。
そのうえで、2016年の地震との混同を避けるために「明治熊本地震」と呼んで区別されることが多い。