CV:菅生隆之
概要
主人公・ピーター・グリルの所属するヤケッパチ戦士ギルドの長で、ヒロイン・ルヴェリア・サンクトゥスに実父でもある。
作中では、主に「ギルド長」の名称で呼ばれ、「老戦鬼(ろうせんき)」の異名を持つ実力の戦士で、現在も岩を容易に斬れるだけの剣撃を放てる。
人物
威厳ある老戦士の外見をしているが、性格は自己中心的で度が過ぎるレベルの親馬鹿。気に入らない事があれば癇癪を起こし見境無しに暴れる等、傍迷惑な人物。
娘のルヴェリアに対する溺愛振りは過保護を通り越して完全に常軌を逸しており、幼少期の彼女が言った「大きくなったらパパと結婚する」という言葉を本気で真に受けている発言には、その場にいたピーター達をドン引きさせている。また、既に20歳を越えているルヴェリアにはまともな性教育さえもしておらず、その結果、彼女は見事なまでの世間知らずに育ってしまった。
ヤケッパチ戦士ギルドの代表として絢爛武闘祭で優勝し「史上最強の男」にまで輝いた実績を持つピーターを蛇蝎の如く毛嫌いしており、酒の席でとは言え「絢爛武闘祭で優勝すればルヴェリアとの結婚を許す」と言う一度は交わした約束も反故にするばかりか、即座に彼を殺しに掛かろうとまでする器の小ささを見せている(逆に自身の補佐を務めるグッドマンやピーターの友人であるティム、他のヤケッパチ戦士ギルドの所属者達は、誰もルヴェリアとピーターの結婚に反対しておらず、むしろ「史上最強の男」となったピーターがギルド長の後継者になる事を喜んでいる程)。
また、ギルドの運営者としても無能な上に他種族に対しても軽んじている傾向があり、ピーターを陥れる為だけにドワーフとの盟約の証である宝剣を意図的に壊したり、力を笠に着た不平等条約を押し付け法外な金をむしり取る政策を取ったしもしており、この横暴さに不快を示すルヴェリアの進言にも耳を貸そうとしていない。
渋々ルヴェリアとピーターの婚約を認めた後も、本心ではピーターを全く認めておらず、無茶難題を要求して失敗させようとしたり、他の女と浮気させる事を大義名分に抹殺を正当化させようとする、破滅のどん底に追い落としてルヴェリアの元へ戻れないよう画策する等、あの手この手で憎きピーターを抹殺する為の策略を張り巡らせている。
ピーターを始末さえ出来ればヤケッパチ戦士ギルド全体の信頼がガタ落ちになっても構わないかの様にさえ見えるルヴェリアに対する醜悪過ぎる執着心は、側近のグッドマンも本心ではついていけないレベルとなっている。
総じて言ってしまえば、一組織の指導者どころか、一人の娘の父親、ひいては人としてすらも「最低」の一言に尽きる下劣な精神性の持ち主で、溺愛しているルヴェリアからも次第に愛想を尽かされつつある。
なお、所持スキルは親馬鹿(大)、過保護+3、老害+2、耄碌(もうろく)、特大剣二刀流、ぶちこわし、激高、皆殺しと、そのどうしようもない性格を体現したかの様なロクでも無いスキルばかりが揃っている。
劇中の様相
絢爛舞踏祭の前日、酒の席でピーターに優勝すればルヴェリアとの結婚を認めるという口約束をしていたのだが、実際にピーターが優勝して見せた後、あっさりとそれを反故にするばかりかピーターを殺しに掛かろうとするのだが、それをルヴェリアに諫められ、認めてくれないのなら絶縁するとまで宣言された結果、渋々と婚約を認めざるを得なくなる。
しかし、本心では全く認めておらず、以降はピーターを抹殺しようと様々な策略を張り巡らせようとする。
まず、ピーターに他の女との浮気をさせようと、オークランドのオーク貴族であるベイブの用意したオークの美少女であるピグリット・パンチェッタと縁談を画策。当然ピーターやルヴェリアから拒否されるのだが、「話を持ち掛けた来たオーク共の顔を潰さぬようしかるべき手順を踏み、その上でやんわりと断るのが戦士としての作法」と言葉巧みに言い包める事で、ピーターを縁談に誘き寄せる。勿論、ピーターとピグリットの浮気が発覚すれば、その時点でピーターを殺害する気満々であった。
自分から縁談を持ちかけながらピグリットと交友を深めていくピーターに怒りで震える等、グッドマンからも正気を疑われる形での身勝手さを見せ、更にはベイブとの策略でピグリットの飲み物に媚薬「ラブクイック・イヴ・EX+」を仕込んだ上で寝室へ二人っきりにするという悪意極まりない手段にまで出ており、結果的にピーターがピグリットと浮気させる事に成功。しかし、ピグリット本人がピーターを庇う形で「何も無かった」と主張した事で思惑は外れてしまうが、彼女が自らの意思でヤケッパチ戦士ギルドへの所属を希望した事に気分が良かったのか、それ以上の追求はしなかった。
その後、ピーターがゴブリン禍を沈めた功績で英雄として更に名を轟かせた事に狂乱する程の焦りを覚えた結果、今度はドワーフの里である「ゴルゴンゾーラ」で行われる盟約の儀の代表にピーターを選び、無双演武である「圧し斬りダイナミック」を成功させた暁には更なるポストにつけると約束。勿論これにも罠が仕組まれており、ゴブリンとの盟約の証であるオリハルコンの宝剣「しらたき丸(しらたきは古代メシテロ語で『純白』を意味する)」にあらかじめ折れやすくなるよう細工を行い、何も知らずにそれを持ったピーターが剣を折ってしまう事で儀式失敗の責任を追及し、処刑しようと画策していた。
勿論、こんな事の為にしらたき丸を破壊しようとするのは鍛造したドワーフ達に対する暴挙以外の何物でも無いのだが、オリハルコンの加工技術を持つドワーフ達の元へすぐに向かったピーターが、ミスリム・ネザーランドの協力を借りて斧に加工する形で剣を治してしまう事になる。更にはこれを逆手に取った彼の弁舌によって、パンナコッタとゴルゴンゾーラが力と技術と言う形で対等な関係に成り得る事が証明された結果、ギルドの戦士達とドワーフ達からの支持もあって、ピーターの提案である同盟関係の改善を受け入れざるを得なくなり、不平等条約による一方的な利益も得られなくなった。
その後、福引でペア旅行券を得たルヴェリアからピーターと共に聖地「エッグタルト」へ旅行へ行く許可を求められるが当然に反対。その結果、我慢の限界を迎えていた彼女には家出されてしまう事になった。そしてエッグタルトでの騒動後、新しい物件を手に入れる事になったピーターの元へ訪れるのだが、ルヴェリアが彼と共に旅行へ行ったショックのあまり心の平衡を完全に失っており、地下通路にまで迷い込んだ際にはゾンビの様に唸り声を上げながら周囲を見境無く剣で斬る有様だった。
ピーターの新物件を巡る騒動後は、ヤケッパチ戦士ギルドの幹部格全員が再起不能となり深刻な人材不足となった事で、ピーターを幹部格に昇進させ、ギルド講武所での剣術指南取りまとめ役に任命するが、無論本気で取り立てるつもりなど無く、何かしらの馬脚を現したのを機にルヴェリアとの婚約を破棄に追い込もうとしていた。そして、四天王のR・バースからピーターが服務規程違反となる「副業」をしている可能性を報告された結果、早速弾劾しようとしていたが、またしても言い逃れされてしまう形で失敗。更にはピーターの師であるティグラ・ポンテライオンを食客として招き、彼に代わる剣術指南役に推薦された結果、ピーターの株を更に挙げてしまう事になった。
もはや形振り構ってはいられなかったのか、今度は犯罪系ギルドである「サワヤカ盗賊ギルド」と結託し、「婚姻の儀」の為の伝統とでっち上げて「不死鳥の宝玉」を手に入れてくるよう命じる。これは神話の中ぐらいでしか語られる事の無い珍品である上に正規ルートでは絶対に手に入らない物で、裏ルートとして犯罪都市「ナマハムメロン」で探すよう仕向けて脱法カジノに接触させ、最終的には地下種馬牧場へ追い落とす形で破滅させようというえげつない計画を目論んでいた。
だが、結局ピーターは対戦相手のアバネロ・ブラクペッパーに勝利し、戦利品として「不死鳥の宝玉」も手に入れ、更には窮地に陥っていたルヴェリアも救出し彼女の好感度も上がってしまう等、散々な結果で終わってしまった。
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※ここから先はピーター・グリルと賢者の時間のネタバレになります |
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「不死鳥の宝玉」の他に「鉄鼠の特上皮」、「八首鮫の子安貝」と言った結婚の儀に必要とされる珍品もピーターは集め、ルヴェリアとの婚姻がほぼ確定する事になっていたが、アルバトロスは何が何でもピーターを破滅に追い込もうとある人物と結託していた。
そして婚姻の儀の当日、着々と儀が進行していく中で突如アルバトロスはルヴェリアとピーターの結婚を認めないと言い出す。
当然、儀に来ていたギルドの戦士達や花嫁のルヴェリアは納得など出来ず理由を聞こうとするが、そこに現れたのはピーターの妹であるルーシー。
何とアルバトロスは、自身と同じく兄の浮気を疑っていたルーシーと結託し、その証拠を婚姻の儀の日になるまでずっとかき集めており、そしてルーシーは自身が密かに拉致していた
ピーターと肉体関係を持った女性達全員を公の場で突き出す。
彼女達は全員、妊活の日々によってピーターの子をお腹に宿した「身重」の状態となっており、更には古代メシテロのアーティファクトである「DNAソウル検査ポーション」を使ったルーシーによってお腹の子達がピーターの波長と合っていた事により、言い逃れの出来なくなった彼はその場で膝をつき、戦士達に取り押さえられても反抗する気力も無くしていた。
かくして、アルバトロスの命によってピーターは戦士ギルドの地下牢へと投獄の身となり、順当な形で彼は破滅の末路を迎える事になった。
余談
一応、ピーターの行動に問題があったのは事実で、「娘を裏切って浮気をした」という大義名分のあるアルバトロスであったが、婚姻の儀の中で起こした暴露劇は問題的な部分も多大にあり、ピーター処分だけでは解決しない所か、アルバトロスやヤケッパチ戦士ギルド自体が破滅になり兼ねない事態にも成り得る暴挙である。
- ピーターの浮気が事実とは言え数多くの功績を出してルヴェリアの結婚相手となっていた彼を処分する以上は、本来なら側近のグッドマンやギルドの幹部達だけでなく、元妻のアルカトラズやもう一人の娘であるルザリアとも慎重な形で検討・協議し合うべきであった。だが、婚姻の場にいたギルドの戦士達が「ギルド始まって以来の不祥事」と驚愕していた事実からも、アルバトロスは私怨に任せる形でほぼ「独断」でルーシーとの二人でピーターの暴露劇を行ったと言え、これはギルド長という立場からしても完全な越権行為と言える。
- ルーシーがピーターと肉体関係を持った女性達を探し出して拉致した以上、彼女達の素性も大体は把握しているはずなのだが、一国家や勢力のVIP的な立場にある彼女達(特に王族のリサやその妹であるミミ、ハイエルフであるビーガンやその妹のフルタリア等)を公の場でさらし者にしたアルバトロスの行為は、オルグスタンやミネストローネ、ゴルゴンゾーラ等からの信頼を失い兼ねない所か激怒さえ買ってしまい兼ねない軽はずみな暴挙で、「ピーターの浮気行為」を免罪符にした所で相手側を納得させるのも当然無理である。ミネストローネやゴルゴンゾーラとは深刻な外交問題となってしまう可能性があり、個人的にピーターを気に入っていた女王のニナが治めるオルグスタンに至っては、王族を公の場で辱めた侮辱行為から宣戦布告と認識され「戦争」にさえも発展し得る。
- ピーターの浮気行為に関する一部の原因はアルバトロスの側にもあり、ピーターを追い落とす為の悪意ある策略を散々仕掛けた結果、ピグレットやミスリム、アバネロと出会い浮気へと至ってしまう事態となっている。特にピグレットに関しては完全な「確信犯」であり、彼女と縁談をさせて寝室で二人っきりにし、更には媚薬を飲ませて発情させる形で浮気へと至ってしまったのだから、それをピーター一人が悪いとするのも無茶苦茶な暴論である。
- そもそもピーターが浮気をしているという決定的な証拠を掴んでいたのなら、婚姻の儀の日の前日にピーターを呼び出すなりしてルーシーと共に追及さえすれば良かっただけの話である。にも拘らず、アルバトロスはわざわざ娘のルヴェリアの晴れ舞台となる婚姻の儀の場で暴露劇を展開し、更には妊娠しているピーターの浮気相手の女性達全員までルヴェリアに見せつけるという無神経かつ無思慮極まりない行いにまで出ているのだが、当然これはその場にいたルヴェリアの心を傷つけ辱めてしまい、神聖な婚姻の儀そのものを著しく汚す蛮行である。
- 婚姻の儀の場での様子からも、出席していた元妻のアルカトラズやもう一人の娘であるルザリアも何も知らされていなかったと思われる。特にアルバトロスに浮気されて別れていたアルカトラズからしてみれば「お前が言うな」という自己満足も良い所な追求でしかない為、ルヴェリアへの配慮が全く無いと言わざるを得ない行いに彼女達を激怒させるだけでなく、ムテッポウ戦士ギルド側がヤケッパチ戦士ギルド側から離反して、かつてないまでに対立を深めてしまう可能性も十分にある。