SCP-330
きみにふたつだけ
概要
アイテム番号:SCP-330
オブジェクトクラス:Safe
SCP財団が管理するSCPオブジェクトの一つ。通称「君に2つだけ」。
個別に包装された大量のキャンディで満たされたステンレス製のボウル。いくら取っても24時間後にはキャンディの数がリセットされ、理論上は時間さえ掛ければいくらでもキャンディを得られるという不思議なボウルである。現在は基本的にはコンドラキ博士のオフィスにて保管されている。
一見、子供の夢を具現化したかのような魅力的なアイテムだが、そこはSCPオブジェクト。これだけでは終わってくれない。
このボウルの側面には、手書きで “take no more than two, please!!” (2つしかとっちゃダメ!!)と書かれたメモが貼り付けてある。このメモは無理やり剥がそうとしてもびくともせず、覆い隠そうとしてもその試みは必ず失敗する。そして何故かどの方向から見てもハッキリと読むことができる。ステンレス製のボウルなので物理的に透けて見えるわけでもないはずなのに、何故かメモの反対側からでも読み取ることができ、このメモを確認せずにキャンディを取る事はまず不可能である。
しかし、この警告を無視して3つ以上のキャンディを取り出す事も、一応は可能である。ただしそれを実行した場合、取り出した人物は未知の手法によって即座に両手首を切断され、二度と「ものを手にする」事ができない体にされてしまう。
「強欲」とは大罪である。ましてや「絶対に読む事になるはずの注意書き」を無視してやらかそうとしたのだから、許される道理は無い。
ちなみに切断された手首の断面には器具などを用いられた痕跡は無く、分子レベルで断ち切られている。また、取り出された3つ目以降のキャンディは一定時間内に消えてしまい、その際の状況もあってまず口にすることはできない。
なお、財団が元々両手が義手であるDクラス職員を用いて実験した結果、義手が即座に破壊されたりはしなかった。しかし、取り出して数十秒後から対象のDクラス職員が強烈な不快感を訴え始め、3分以内に自分の義手を取り外そうと試み、最終的に義手が物理的に損傷するほどの勢いで打ち捨てた。その後不快感からは解放されたものの、新たに提供された義手の装着を拒否して泣きながら取り乱すなど、明らかな精神的影響が見られた(実験から24時間後には精神的にも回復し、新しい義肢に対して不快感や忌避感を覚えたりすることも無くなった)。
余談だが、このオブジェクトはある年のハロウィンの3日後、「儀式的な傷害事件」の証拠品として(財団に確保される前に)警察に押収された。その事件の調査中に一人の警察巡査が、3つどころか全てのキャンディをボウルから取り出してしまったことで、結果として事件を担当していた警官全員が死亡する大惨事となってしまっている。
関連タグ
SCP-871 - 「消費しても元に戻るお菓子」繋がり。人間の脅威となり得る点も一致するが、こちらの危険度はKeter級であり、「放置しておく」わけにはいかない点では真逆。