演:里見和香
「あ、あたしは…、あたしは改造されたんです!、ゼネラルモンスターに自由に操られる改造人間なんです。あたしは…、妹のところには帰れません」
概要
花園女子大学の女子大生、可也という小学生の妹がいる。
北海道の台場山に登山に出かけていたところを、ネオショッカーに拉致され、そのまま胸につけたネックレス型のリモートコントロール装置によって動く新しいタイプの誘導型改造人間サソランジンという『怪人』へと改造されてしまう。
誘導型改造人間であるサソランジンはリモート装置による遠隔操作で動くが、その間の行動は完全に制御され、本人の自我は封じ込められている。
そして美也としての自我を失い、ネオショッカー怪人と化したサソランジンは、ネオショッカーへの協力を拒否する科学者の抹殺を使命とし、手始めにロボット工学の権威である本田博士をサソランジンに変身して殺害した。
が、その現場の近くを通りかかった筑波洋が、その場からサソランジンが逃走するのを発見し、後を追う。
結果的に洋はサソランジンを見失うのだが、その時に怪人の姿から人間態となった上村美也と、それとも知らず出会っていた。
ネオショッカーは次のターゲットを城北大学の石渡博士とし、早速美也の姿をしたサソランジンを大学へと向かわせる。
石渡博士の危険を察知した筑波洋は城北大学を訪れ、先に出会った女性、つまり上村美也がキャンパスにいるのを見つけ、そして
「お姉ちゃーん、お姉ちゃーん!」
泣きそうな声で、その女性に懸命にすがりつく付く小学生くらいの女の子の姿を目撃することになった。
が、その女性は無表情のまま、その小学生の女の子を突き飛ばしたのだ。
泣きだす女の子。
そして洋は、その女の子を志度ハングライダー・クラブまで連れていくことになる。
女の子の名前は上村可也。
先ほどの不審な女性は上村美也といい、可也の行方不明となっていた姉であることなどを聞き出した洋は、志度博士などとも石渡博士の護衛について相談する。
そして石渡博士に変装した志度博士と共に待ち伏せし、予想通り襲ってきたサソランジンを迎撃した仮面ライダーはサソランジンの胸のペンダントを破壊することに成功。
倒れたサソランジンは上村美也の姿に戻る。
そして志度博士はペンダントがサソランジンのリモート・コントロール装置であることに気づいたのだ。
洋は美也としての意識を取り戻した彼女をバイクに乗せ、志度ハングライダー・クラブへ向かう。
道中に自分がネオショッカーに改造手術をされたことを思い出し、心中の苦しみを洋に対して打ち明ける美也の前で、洋はあえて仮面ライダーに変身して見せた。
「これが改造された姿です。私は仮面ライダーです」
「でも、例え、この身体は改造されたとしても、心はネオショッカーに売り渡したわけではない」
洋の励ましに妹可也との再会を決心する美也。
そして志度ハングライダー・クラブで妹、可也と再会し束の間の安らぎを覚える美也だった。
「お姉ちゃん、もう、どこへも行っちゃ嫌よ!」
可也の言葉に、美也も笑顔で
「うんっ、約束する!」
と返事をしたのだが…
時間と共に再びサソランジンの姿へと徐々に変貌してしまい、その醜い姿を見せることに耐えられなくなった美也は、可也、そして志度ハングライダー・クラブの皆の前から逃げるようにして姿を消す。
サソランジン、いや怪人の姿に変わり果てた美也は、そのままネオショッカーのアジトへと向かい、その大幹部であるゼネラルモンスターを倒そうとする。
「私はもう二度と可也には会えない。私は、二度と改造人間を作らせないよう、ゼネラルモンスターを倒すっ!! 」
が、ゼネラルモンスターと彼を護衛するアリコマンドたちの反撃にあい、そして彼らがボウガンから放った矢をその身に受け、彼女は倒れてしまう。
駆けつけた仮面ライダーに介抱されるものの
瀕死の状態で元の人間の姿に戻った美也は
「妹を…、妹を頼みます…」
という言葉を残して絶命し、その姿は消えてしまったのだ。
まるで存在しなかったかのように……