概要
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジが所有しているオーディオプレイヤーの対応規格、またはそのもの。
テープレコーダーの規格の一つDATの一つだが、実際には商品化されていないアニメオリジナルのモデル。
シンジはよくこれで音楽を聴いている。聞いているジャンルは不明だが、ゲーム『鋼鉄のガールフレンド』では内田有紀の曲を聴いているらしい。
新劇場版にも登場。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』によると、もともとは父碇ゲンドウのもので、ゲンドウがシンジと別れる際にあげたものだという。
実際の構想のS-DAT
DATの計画初期段階にあったもので、この段階での“S”とは“Super”ではなく、“Stationary”(固定式)の頭文字。
もうひとつ構想されていたものが、R-DATと呼ばれるもので、この“R”は“Rotary”(回転式)を示す。
これはヘリカルスキャン方式と呼ばれる、アナログ時代は主にビデオテープで使われていた技術で、テープの限られた面積に高密度の記録を行う為、縦置きにした回転するヘッドで、斜めの列を重ねるように記録していく。
その反面、ヘッド機構・テープ走行機構が複雑になり、小型化・軽量化・廉価化に難があり、DATがカセットテープを置き換えるに至らなかった要因になった。
一方、S-DATは固定されたヘッドでテープ進行方向に記録するリニアスキャン方式を採用している。
『エヴァ』に出てくるS-DATの“S”は“Super”の略、という事になっているが、そのサイズ(面積ではDATの再生専用機にも実在したが、厚みがかなりあった)や、もともとはゲンドウのものだったとは言え中学生のシンジが学校にまで持ち歩いて咎めもされないところからすると、構想にあったS-DATでないと実現できない。
なお、リニアスキャン方式を採用して廉価化したデジタルオーディオテープはDCCとして結実するが、その利便性とマーケティングでディスクメディアのMDに惨敗する結果に終わった。