概要
漫画『戦勇。』に登場するとても残念なラスボス。
3代目魔王ルキメデス(通称ルキ)の祖父にあたるようであたらない人物で魔界の創生者。
およそ1000年前に世界征服を企むが、勇者クレアシオンによって魔力の殆どを奪われ封印された。
長く伸ばした髪は銀色で、目の色は赤。
頭部には黒い羽のようなものが生えており、瞳の中心には「+」模様がある。
普段は緑色の上下の服を着ているが、あまり良いデザインとはいえない。微妙にパジャマっぽい。
作中でも数回「ダサい」と指摘されている。
1章終盤にて完全に目覚めるも、ただただ一方的にボコられて
怯えて泣きながら騒ぐという威厳やカリスマ性の欠片もないヘタレっぷりを晒した。
そして、ラスボスらしい見せ場もコレといって作れないまま
再びの封印の為に次元の狭間へと消えていく。
魔王の代で言えば孫にあたるルキからは『中二病』と評されている。
正体
※以下、本編の重要なネタバレを含むため注意
過去
ここまでの記載ではとてもラスボスとは思えない残念なキャラだが、
続編の第2章にてその正体に至る過去と、残念な姿に隠された狂気的な本性が明かされる。
実はその正体はロスの実の父親で人間。魔族ではなかった。
およそ1000年前、とある村で息子であるロスと共にありふれた日常を平和に過ごしていた。
この頃はやや長い黒髪を後ろに束ね、メガネをかけ白衣を纏った無精髭という研究者風の格好をしており、
ある遺跡から見つけた書物で魔法の存在を知り、その実現の為に研究を繰り返していた。
性格はかなり子供っぽく、ロスの親友であるクレアと共に悪ふざけをして遊び、
その度に二人揃って息子にドツかれ説教されるというのが定番。
ロスからは本当に親と認識されているのか微妙なほど雑に扱われている。
(決まった職につかず逆に幼い息子によって養われていた駄目親っぷりが一因。
だが実際はロス自身も憎からず思っていたらしい)
しかし、普段のひょうきんで愉快な言動とは裏腹に
自分以外の者を全て実験材料として見るマッドサイエンティストの一面も持っており、
前述した魔法の実現の為に我が子とその親友を実験台にした計画を企てて実行してしまう。
ロスの目の前でクレアを惨殺し、
その凶行に激怒したロスの感情をエネルギーとして膨大な魔力を得ることに成功。
遂に魔法を実現可能とする。
その際、試し撃ちした魔法でロスをも殺してしまうが
特に何の感慨もなく自分の魔法に対して無邪気に喜ぶのみだった。
その後、クレアに自分よりも強い魔力が宿ったことが分かると
自身の魂を彼の肉体に移すことで体を乗っ取り、より強い魔力と若い肉体を手に入れる。
これにより、クレアを魂ごと人質に取った状態となる。
そして新たな空間と世界を創りだし魔界と名付け、魔族を生み出し、自らが魔王となることを宣言。
魔王となった後も勇者クレアシオンによって封印されるまで
わざと弱い命を生み出しては、それを魔族に蹂躙させるという自作自演の虐殺を繰り返すなどの
非道な行いを続けていた。
前述のとおり元々が子供のような性格の為、
おこなう悪行も子供が遊び感覚で虫を嬲り殺すのと同じ感覚で行っている節が強い。
魔族を生み出す際は魔力でゼロから作り出すようであり、
2代目魔王やルキとは直接的な血縁関係ではない。
最期
第2章中盤にて次元の狭間から脱出。
全盛期以上の魔力を生成し、再びの世界征服に乗り出す。
それまでの作中上位の実力者たちが全く手も足も出ないほどの圧倒的な力を発揮するが、
アルバとロスの連携によって翻弄され、最終的にクレアの肉体から魂を抜き取られる。
魂は黒い小さな球体のような状態となり完全に無力化され、実質的に死亡となった。
最後は地に埋められ、子供っぽいが故に傲慢で、無邪気で、残酷な彼の魔王としての人生は終わった。
しかし―――――――
「 やっぱも少し 楽しもか 」
ちなみに本人及び器として使用していたクレアの双方が人間である為、
頭の黒い羽や体の縫い目などの模様は全て飾りやメイクである。