火星の守護者、軍神を名乗るマルスがかつて人間だったときの姿。
青く逆立った髪で大柄な男性であった。
37話でその名が明かされた。
45話の回想でその詳細が判明。
かつて人間であった頃はとある裕福な家の主(議員だったようである)であった。
当時は娘ソニアと彼女の生母に当たる妻のミーシャとともに大邸宅で大勢の使用人を雇って暮らし、高級車に乗り何不自由ない幸福な人生を送っていた。当時は使用人にも気配りをし、妻子にも愛情を注ぐ優しい人間であった。
しかしある日、夫婦で見るはずだった演奏会の会場で爆破テロに巻き込まれたことによって、突然ミーシャが死亡してしまう。
理由も意味もなく巻き添えを食らったミーシャの死は、ルードヴィグを絶望の淵へと叩き落とした。彼はその復讐に狂い、銃を片手に、次々とテロリストを殺害して回るようになる。
しかし、ミーシャを殺した悪人達の正体は、銃を向けられれば醜く命乞いをする、ちっぽけな人間に過ぎなかった。
ミーシャの死がより意味のないもの、救いのないものと感じた彼の絶望と怒りは深くなっていき、
「弱い者が闇雲に殺戮を起こしてしまう」世界そのものへの憎悪を募らせるようになった。
そんな中、火星の影響を受けてか、神・マルスとして彼は覚醒する。
こうしてマルスは、「この世の中が全て間違っているから変革すべき」という、偏った思想に取り憑かれてしまった。
その後メディアと再婚し、エデンが生まれたことによって、彼の思想は「エデンのために理想世界を作る」という方向に傾き「この世を一度滅ぼし新しい世界を作る」というさらに極端なものとなり、「アテナの元では世界の悪しき連鎖は終わらない」と思い込むに至りアテナの光を新世界の礎にしようと思い立つ。
そして本編開始の13年前にアテナ軍に戦争を売ることとなり、その際メディアの呼んだ闇の隕石の力を受け、城戸沙織の光の小宇宙を受けたアリアを攫って帰っていた。
45話の終盤で彼は仮面を取りルードヴィグの素顔を再び晒すが、その顔面は半分炎に包まれたようになっており、エデンは父のその形相を「もはや人ではない」と戦慄しつつ評している。
しかし46話でエデンが父との戦いの中で彼の心を揺さぶる言葉をかけたことで優しい父としての面を取り戻し、「どうしてこうなってしまったのだろう」と悔い、最期に地球の滅亡を止めようとしたものの時は既に遅く、彼は消滅してしまった。