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概要

対戦車誘導弾とは、いわゆる対戦車ミサイル(anti-tank missile、ATM)である。

歩兵が携行するほか、車両や航空機、ヘリコプターに搭載される。

主に戦車や装甲車両、陣地などの地表の目標の撃破に用いられる。

弾頭には成形炸薬(HEAT)が用いられ、戦車砲などに比べ低速であるが貫通力を持っている。

誘導方法としては操作用ワイヤーを曳きながら飛ぶ有線誘導型と、誘導弾自体が目標を捉える撃ちっぱなし型(レーザー誘導含む)がある。

有線誘導型は妨害に強いが弾着まで操作する必要がある為、反撃されるおそれがある。

一方、撃ちっぱなし型は撃った後すぐに離脱できるが、妨害されることがある。

運用法

対戦車戦闘

歩兵が携行している発射機や戦車駆逐車などから発射される。

また、戦車自身がガンランチャーや発射機を備えている場合もある。

対船舶・舟艇戦闘

おもに防御力の少ない海賊不審船に対し、哨戒ヘリコプターが発射する。

なお、専守防衛のわが国では上陸舟艇を水際(すいさい)で阻止することも想定されていた。

対陣地戦闘

狙撃兵の潜伏地点や重火力の火点、立て籠もり拠点を潰すために用いられる。

本来の目的である対戦車戦闘より陣地潰しの方が多い。

テロリスト殺害

合衆国軍が主に取っている戦術である。

無人攻撃機よりヘルファイヤを発射し対象人物を殺害する。

我が国で運用されている主な対戦車誘導弾

TOW(トゥ)

有線誘導型。わが国ではAH-1S対戦車ヘリコプターが運用している。

ヘルファイヤ

撃ちっぱなし方式。わが国ではSH-60KAH-64Dが運用している。

01式軽対戦車誘導弾

撃ちっぱなし方式。隊員が携行する肩撃ち式で通称「軽MAT

87式対戦車誘導弾

レーザー誘導方式。三脚発射、肩撃ち可能。通称「中MAT

79式対舟艇対戦車誘導弾

有線誘導型。対戦車中隊で運用され、89式装甲戦闘車にも搭載される。通称「重MAT

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