ZSU-57-2の後継
1958年から開発が始まった自走対空砲(対空戦車)で、ソビエトでは初めて目標捜索・照準にレーダーを装備した車両である。
1965年のパレードで初めてお披露目され、以来さまざまな戦場で空を睨みつづけている。
「ズース」の欠点
レーダー装備の対空戦車としては初期のモデルで、のちのゲパルト等に比べると見劣りがする点もある。
例えば「レーダーを一つしか装備していない」という点である。
目標追尾・照準モードにすると、他の目標を探すことが出来ないのだ。
もうひとつは「機銃の冷却が弱い」。
普段使う分には問題にならないが、あまり忙しなく射撃すると焼きついてしまう欠点がある。
ただし・・・
実のところ、こういった欠点は「今だから言えること」であり、当時としては致し方ない欠点でもあった。
wikiでは『23mm機銃は4連装でも、実は1門または2門ずつの交互射撃が標準』という事が書いてあるが、こういった連装式対空機銃では弾幕を切らさないように1~2門だけ同時に射撃するのが普通である。
残りは冷却と再装填にあて、全同時射撃というのは非常の際だけに限られていた。
これはドイツの4連装20mmFLAK(もちろんヴィルベルヴィントでも)や、日本海軍の3連装25mm対空砲にも共通することである。
現在のZSU-23-4
今なお現役で活躍している。
これは後継の配備が中々進まないという事実が大きく、とくにレーダーを2基装備する点が価格高騰を招いている。
(これは日本の87式自走高射機関砲にも共通)
来襲する敵攻撃機に対しては、なによりも弾幕をはって追い払うのが主目的の対空戦車なのだが、数が揃わなければ脅威はダダ下がりであり、これがさらに有効性に疑問をかけている。
ただし、
アフガン侵攻では、ムジャヒディン達を向こうにまわして大活躍している。
といっても、別に攻撃機や戦闘ヘリを撃墜しまくった訳ではない。
23mm機銃を水平に(もしくは上に)向けて、23mm機銃をお見舞いしたのだ。
もちろんこういった目的でもZSU-23-4は大活躍しており、小銃を受け付けない装甲とあいまって威力を発揮した。
ZSU-23-4の装甲
実は前面でも10mm程度であり、これが12.7mmクラス機関銃になると防御できない。
ただ、12.7mm機銃の持ち運びは非常に不便になり、やはりこの程度の装甲でも有意義だった。