イギリスはアキュラシーインターナショナル(Accuracy International)社(以下、AI社)の開発したボルトアクション式狙撃銃、Precision Marksman(以下、PM)。
そのイギリス軍採用モデルの名称。
多くの狙撃銃と違いアルミのフレームにポリマーのストックを被せた構造となっており、バレルはフレームに接続されたレシーバーのみと繋がったフルフローティング構造となっている。
マガジンはM700等で見られる内蔵型マガジンではなく、取り外し可能な箱型マガジンを採用している。
銃本体を固定するバイスと工具さえあればバレルが簡単に交換が出来る構造になっている。
L96A1のその後
L96A1(PM)をベースにスウェーデン軍のトライアルに対応するためにArctic Warfare(以下、AW)が開発された。
AWは極地戦闘用を意味しており、寒冷地での仕様を想定した構造となっている。
チークピース(頬あて)が調整式になるなど、様々改良が施されている。
AWへの改良後にL118A1の名で改めて制式化されている(L96A1は順次L115系(最新はL115A3)に順次入れ替わる事となる)。
知名度の違いからか、ゲーム等に登場するものやエアソフトガン等の商品等、殆どの物がPMではなくAWがL96A1の名前で呼ばれている。
短銃身黒色ストックのAWポリス(AWP)、サプレッサー内蔵バレルを装備したAWサプレッスド(AWS)、
折りたたみ可能なストックのAWフォールディング(AWF)、マグナムライフル弾を使用したAWマグナム(AWM)、大口径のAW50、MSR(モジュラー・スナイパー・ライフル)向けに開発されたマルチキャリバーモデルのAX、等の様々なバリエーションがある。
各国での採用状況
イギリス軍ではPMをL96A1、AWをL118A1、.338Lapua Magnum仕様のAWSMがL115A1として制式化されている。
スウェーデン軍ではAWをPSG-90の名で、オーストラリア軍ではAWをSR-98の名で採用。
ドイツ軍は.300Win Magnum仕様のAWMをG22の名で、AW50をG24の名で採用している。
他にも多くの国が採用している。
現在
AI社は2005年に一度倒産したものの無事再建。
AWシリーズは口径別に分類が変更され、7.62mmx51モデルは「AE」、旧AWMは「AW」、12.7mmx99モデルは「AW50」へとなった。
さらには新型のAXシリーズであるAX338やAX50を開発・製造、従来のAISCストックもAXストックと一部部品を共通化したMark IIIを開発するなど、変化も見られる。
AXはアメリカの特殊作戦軍のMSR(モジュラー・スナイパー・ライフル)プロジェクトに合わせて開発されたもので、サーマルジャケットとアクセサリープラットフォームを兼ねた八角形断面のバレルジャケット、銃身やボルト等の最低限の交換で.338LapuaMag・.300WinMag・.308Winに対応するマルチキャリバー化、折り畳みストックといった特徴がある。
バレルジャケットは上側のみがジャケット先端まで届く長いレールとなっており、それ以外の七面はKeyModと呼ばれるNoveske社とVltor社が共同開発したと汎用アタッチメントが採用されており、既に登場している様々な長さのレールやスリングアタッチメントといった様々なアクセサリーを取り付けることが出来る。
分解によりスーツケースサイズに収まるのも特徴。
データ
全長 | 1158mm |
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銃身長 | 657mm |
重量 | 6550g |
口径 | 7.62mm |
装弾数 | 10発 |