谷

たに

細長くくぼんだ地形。

谷とは、なんらかの理由により地面の一部が細長くくぼんだ地形のことである。谷の両側にある地面はほぼ同じ高さであるのが特徴の一つである。

またここから、物体の表面の細長くへこんだ部分や、グラフの値が下がった部分のことも「谷」と呼ぶ。

谷の種類と成因

日本人が「谷」と聞いてまず思い浮かべるのがこれであろう。

川の流れが地面を侵食して谷を作り出したものであり、谷底にはたいてい川がある（無いとすれば、川の流路が変わるなどして谷底が干上がったためであり、過去に川が流れていたという点は同じである）。

渓谷と峡谷はいずれも上部が比較的狭いという特徴がある。両者間では、峡谷のほうが深く、両側が切り立っているという違いが挙げられる。

峡谷の例

氷河で削られて生じた谷。「カール」とも言うがスナック菓子とは関係ない（ドイツ語のKarが語源）。

幅が広く、谷の両側の斜面が渓谷と比べて緩やかであるのが特徴である。圏谷の先には、氷河が地面を削って押し流した名残である岩の塊が残っている。

日本では日高山脈や日本アルプスなとの高山で見られる。

ヨーロッパには圏谷が多くみられるが、日本人の感覚からすると「谷」よりも「窪地」あるいは「平野」と呼んだ方がふさわしいであろう。