概要
迫撃砲弾を投射する曲射砲の一種。
射程距離を犠牲にして砲口初速を落とすことで砲自体の軽量化だけでなく、閉鎖機構や反動制御機構等を省略もしくは簡略化することで火砲に比べて大幅に軽量としている。
小型のものは個人で携行できるだけでなく一人で運用することも出来、大型のものでも車両で牽引しての運搬こそ必要だが火砲と違い少人数での運用が出来る。
高い射角をとることで砲弾は大きく湾曲した曲射弾道を描く事から真上から降ってくる形になり、遮蔽物ごしの攻撃が可能。
通常は前装式だが、重迫撃砲や航空機や[[車両]等への搭載用、自動装填機構を持つもののように後装式になっているものもある。
曲射砲なので直接見えない目標に対し攻撃を行なう必要があり、通常の照準器とは異なる照準器を使用する。
小型のものでは照準器なしで運用する場合もある。
主に使用するのは榴弾、発煙弾、照明弾、破片榴弾や焼夷弾など。
迫撃砲弾は弾体と発射薬が一体になっている事から別々に装填する必要は無く、砲身内に落とし込むだけで発射が出来る。
必要に応じて増加発射薬を使用する事で射程の延伸を図る事が出来る。
中・重迫撃砲用のロケット補助推進弾(RAP)では発射用とは別に推進用のロケットモーターが搭載されており、長いものでは20~30kmと長い射程を誇る。
最近開発中の迫撃砲弾では赤外線画像誘導やレーザー誘導、GPS/INS誘導等を搭載した高い命中精度を持つ(レーザー誘導ではCEP(半数必中界)が数m)誘導迫撃砲弾もある。
軽迫撃砲
口径37~51mm程度の迫撃砲。
分解せずに一人で運搬・運用できる。
グレネードランチャーに交代しつつあるが、曲射が出来ることから一部の国では現役を続けている。
中迫撃砲
口径60~82mm程度の迫撃砲。
分解して複数人で運搬することが出来る。
M224 60mm迫撃砲のようにニ脚等を取り外すことで軽迫撃砲として運用できるものもある。
重迫撃砲
口径100mm以上の迫撃砲。
移動だけであれば人力でも可能だが、長距離運搬では車両による運搬を必要とするものが多い。
砲身の長さや砲弾の重量の関係で人力で砲口から装填できる限界は120mmまでであり、160mmなどは砲身を低く下げれる構造にしたり後装式にする事で再装填を行ないやすくしている。
PIAT
Projector,Infantry,Anti Tank
厳密なカテゴリとしては迫撃砲に属する兵器となっている。
特徴的なのは発射方式にバネを用いている点である。
無反動砲やロケットランチャーと違い成形炸薬弾頭を撃ち出す際にバックブラストなどにより後方に危険が発生するということが無いが、装填時に非常に苦労する、射程が短い、命中率が悪いなどの欠点により評価は良くなかった。(しかし代わりとなる対戦車火器も無かった)
バズーカや無反動砲の配備によって退役した。