曖昧さ回避
- クズリ…食肉目(ネコ目)イタチ科の哺乳類。
- MARVEL COMICS(アメコミ)の架空のヒーロー。彼が主役の映画『ウルヴァリンシリーズ』をさす場合もある。本稿で紹介。
- WW2のアメリカ軍駆逐戦車M10のイギリス軍での愛称。詳細は→M10GMC
概要
アニメや映画の『X-MEN』で有名なキャラクター。
群像劇である本作の中でもとりわけ出番が多く、事実上の主人公である。
近年ではアベンジャーズにもレギュラーメンバー入りし、両方の作品に出演。スパイダーマンとは現実世界での人気と劇中での忙しさでも一二を争うキャラクターになっている。
コードネームの「ウルヴァリン」とは、クズリというイタチ科の、小さいが獰猛な動物を意味する(劇場版でも古い友人から「クズリ」と呼ばれているシーンがある)。
また、一世紀に渡る彼の死闘に満ちた生涯の終わりと復活を描いた三部作も登場。タイトルはそれぞれ『DEATH OF WOLVERINE』『HUNT FOR WOLVERINE』『RETURN OF WOLVERINE』。
プロフィール
本名 | ジェームズ・ハウレット(James Howlett) |
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通称 | ローガン(Logan):記憶喪失時 |
種族・人種 | ミュータント・強化人間 / カナダ人? |
初登場作品 | ハルク誌面より |
人物
性格は、一見すると粗暴で礼儀を知らないように見えるが、実際は義侠心があり友人や親しい人間を大切にする優しい一面もある。ただ、彼らと敵対する者には容赦がない(悪人に対しては殺すこともいとわないため、後述の2人と共にMARVEL三大ダークヒーローの一人に数えられることがある)。特に女性や子供に関しては口調こそぶっきらぼうだがかぎりなく心優しく、多くの生徒や相棒を務めた少女達から強く信頼されている。
なお、映画では身長190cm近いヒュー・ジャックマンが演じたために、そのゴツイ風貌から大男というイメージが強いが、コミックの設定では身長は160cm台であり「チビ」呼ばわりされる事も多い(ただし、後述する通り、骨格が金属なので体重は体格から想像出来ないほど重い)。
※呼び名の由来になっている動物のクズリは「体は小さい(体重は最大でも30kg台前半)が熊にも挑みかかるほど獰猛な動物」とされ、これが「コミック版ではチビ」の由来と思われる。
※なお、コミックではチビ→アニメ版では普通の体格→実写版では身長190cm台のヒュー・ジャクマンが演じる、と偶然にも、多メディア展開されるほど、身長が伸びる事になる。
※アメコミ有る有るの1つである「アメリカ人はアメコミ映画は観てても、アメコミそのものは(日本人が日本の漫画を読む程度には)読んでいない」のせいか、アメリカ人の間でもウルヴァリンのイメージはコミック版での「チビ」ではなくヒュー・ジャクマン寄りらしく、アメコミ映画以外のアメリカ映画でも「大柄でヒュー・ジャックマンを連想させる容貌」のキャラが「ウルヴァリン」という渾名を付けられる事も有る。
※ X-MENシリーズでは、他のキャラクターと比べて身長を低く見せようとする演出もみられたが、『デッドプール&ウルヴァリン』では、明らかにデッドプールよりも身長が高いとわかるシーンでも特に修正が為されておらず、現在の実写版では、「チビ」という設定は殆どなかったことになっている…と思いきや、本編で…
能力・技能
- 動物的な鋭い感覚と反射能力:動物並みの鋭い五感を持ち、僅かな音や匂いなどからも敵や様々な存在を感知できる。また、すばやい反射神経は接近戦技能と組み合わせる事で、近接戦闘ではほぼ無敵。
- ヒーリングファクター:あらゆる負傷を即座に回復させる能力。詳細は下記参照。
- ボーンクロー:出し入れが可能なカミソリのように鋭い爪。生まれながらに自身の骨格に有していたもので、この上からアダマンチウム鋼が覆う事で「アダマンチウムクロー」が成立している。
- アダマンチウムの爪と骨格:強化人間としての能力。(スーパーソルジャー製造計画「ウェポンX」)ヒーリングファクターからは異物と見なされているが、彼の獣化を阻止しているのもこの金属である。ただし、骨格が金属である為、マグニートーの磁力を操る能力とは相性が悪い。また、人体に悪影響を及ぼす作用もあり、映画『LOGAN/ローガン』ではウルヴァリンの命を削る要因となってしまった。また、この骨格のせいで見た目以上に体重が有り……ウルヴァリンが泳いでいるシーンが有った場合にはファンからツッコミが入るのが御約束。ちなみに逐一皮膚を突き破って出し入れするので、毎度痛みが生じている。
- 格闘術:近接戦闘の達人。忍術の心得もある。
- 教員適正:ユートピア建国後、ミュータントの子供たちの教育方針でサイクロップスと揉めて分裂し、「ジーン・グレイ高等学校」を設立・校長として運営している。授業も受け持っており、教科は歴史である。(本人曰く「実際に見て来たから」)
- 資金力:ほぼ無し。そのため学校の主な運用資金は悪党から巻き上げたカネ。…都合がつかなくなった時には宇宙のカジノに生徒を連れて行きそこで稼ぐ。教育に悪すぎる。後にかつてX-MENが戦ったクラコアという生きた大地のようなキャラの子孫が学園に住み着き、巨大な宝石を作ってくれるようになった。
- 言語力:数ヶ国語を自在に話す。ちなみに日本語も話せる。
ヒーリングファクター
ウルヴァリンにとって、最も重要なミュータント能力の一つ。
実質的に、どんな怪我・肉体的ダメージからも回復することができる治癒能力。
頭を吹っ飛ばされようが、白骨死体になろうが問答無用で回復し蘇生する。作品によっては、上下半身を真っ二つにされた状態で復活した。物理的・肉体的なダメージはもちろん、各種ウイルスに対しても効力があり、感染しても耐性を生じ無効化できる。吸血鬼化やシンビオートの浸食も無効化できる(テレ東版アニメでは、レガシーウイルスすら無効化した)。
肉体のみならず精神に対しても有効で、精神にダメージを受けて精神年齢が退行していた状態から、短時間で精神を回復させ復帰した。
また、老化を遅れさせる効果もあるらしく、故に彼は現在約150歳である。実写版『SAMURAI』では、ヒーリングファクターを吸い取られた際に、一時的にだが急激に老化する様子が見られた。
※但し、年齢に関しては本人に過去の記憶が無いので、確実とは言い切れない。映画版では1840年前後の生まれとされる描写がある他、『デッドプール&ウルヴァリン』では「俺は200年生きてきた」という台詞がある)。
非常に便利かつ有用な能力ではあるが、獣化促進と言うかなり厄介なデメリットも存在している。この力がより強くなれば、より猛々しく、獣のような外観と精神に変化してしまうのだ。
加えて、弱体化しやすい能力でもある(実際、映画『LOGAN/ローガン』では老衰により弱化している)。
ウェポンX計画により、骨にアダマンチウムを移植されて以降はこのヒーリングファクターは常時発動状態になってしまうが、同時にこれが獣化促進効果を弱めてもいる。そのため、一時期アダマンチウムを剥がされた後には、獣化が促進され、ローガンは狼男を彷彿とさせる半獣人的な外観になってしまった(後にアダマンチウムは再移植され、獣化が抑制。外観も元に戻る)。
なお、平行世界での出来事という設定ではあるが、デッドプールから「お前が中々死なない理由は、ヒーリングファクターのお蔭じゃなくて、人気のせいだ」というミもフタもない事を言われた事もある。
関連人物
マリコ・ヤシダ
ウルヴァリンの元婚約者。ヤシダ組組長:シンゲンの娘。ケンイチロウ・ハラダの妹(正確には義妹)。
洗脳され、結婚式の日に婚約破棄。その後正式結婚までの間に殺されてしまった(ちなみに死因は、フグ毒による毒殺。更に「死ぬなら毒でなく、愛する者の手で」とマリコに懇願され、ローガンは悲しみつつ止めを刺した)。
「ヤシダ」は一時期「安田」という表記がコミック内にあったために誤字だろうというのが定説だったが、マッドハウス製アニメでの漢字表記は「矢志田真理子」になり、後のWolverine #300にてこの表記が逆輸入された。実写版もこの表記が用いられている。
実写版では『ウルヴァリン: SAMURAI』に登場。ここでは極道の娘ではなく、大手企業ヤシダ産業の社長令嬢。原作とは異なり最終的に死亡しない。演じたのはファッションモデルのTAO。
ユキオ
知り合いの女忍者。マッドハウス版アニメでは「雪緒」表記。実は原作にも登場した秘密結社ザ・ハンドと戦う「くの一」である。
実写版では『ウルヴァリン: SAMURAI』と『DEADPOOL2』に登場。演者は両作品で異なり、『SAMURAI』ではファッションモデル・女優の福島リラ、『DEADPOOL2』が女優の忽那汐里。
『SAMURAI』ではウルヴァリンの相棒を務めた。本作では他人の死を予見する能力を持つミュータントでもあり、本作のヒロインであるマリコとは姉妹同然に育った仲という設定。
歴史改変後の別世界である『DEADPOOL2』では、X-MENの一員として登場。ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドの恋人でもあり、電撃を操るミュータントとして登場した。
アミコ
東京に巨大ドラゴンが出現した際に両親を失った孤児で、ウルヴァリンが養女として引き取った(原作アメコミより)。後にシルバーサムライに養育される。
本名ケンイチロウ・ハラダ。ヤシダ組の組長。白銀の鎧をまとった武道の達人。マリコ・ヤシダの兄(義兄)。
ヴィランとして登場したが、後にヒーローに。詳細は当該記事を参照。
本名は吉田四郎。火炎放射と飛行能力を持つ日本人ミュータント。こちらも初登場時はヴィランだったが、「Giant size X-MEN」でプロフェッサーXに招集されて、ローガンと共にX-MENの一員になった(すぐに離脱したが)。つまり、X-MENとしてはローガンの同期である。マリコやシルバーサムライとは親戚同士。
かつてサイドキックを務めたミュータントの少女(アジア系アメリカ人)。ウルヴァリンには特になついており、ほとんど親子のような関係。ウルヴァリンも彼女を「家族」と見ている。
とあるエピソードでミュータント能力を失った後、さらに吸血鬼になってしまった。よりパワーアップしたが、凶暴性をおさえられないかもしれないとして大好きなウルヴァリンのもとを離れて日本で修業をしていた。
かつて、カナダでウルヴァリンと同棲していた元恋人。常人と思われていたが、実は触れることで心理操作する能力を持つミュータント。人工的なヒーリングファクターと老化抑制剤も有しており、ウルヴァリン同様に高齢でもその外観は若々しく見える。
ウェポンXの被験者で、後にセイバートゥースに殺害される。
とある女科学者によって生み出されたクローン。一人ニトロプラスのような人生を送ってきた少女。ジュビリーとは親友同士。父親の死後、彼女が二代目を襲名した。
実写版では『LOGAN/ローガン』にて初登場する。
ダケン / ダークウルヴァリン
息子。漢字で書くと「駄犬」。本名は「アキヒロ(漢字および苗字は不明)」。
母親は、日本人女性のイツ(ただしウルヴァリン自身は、イツとの間に子供ができた事を知らないでいた)。
孤児となった後、裕福な夫婦に拾われて育てられたが、夫婦の召使いたちは彼を「駄犬」と呼んで卑しんだ。(外国人とのハーフだと判る外見だった為に「雑種(の犬)」の意味で「駄犬」と呼ばれていた、というエピソードも有る)
記憶が混乱しているのも父親似。超人的身体能力に加え、ヒーリングファクター、両腕に三本ずつのボーンクロー(手の甲側から二本、手首から一本のクローが生えている点がウルヴァリンと違う)を持つ。外見はかなり若いが、実際には60歳前後と推定されている。後になって、ダークアベンジャーズに参戦する。
映画『LOGAN/ローガン』に登場したウルヴァリンのクローン:X-24はこのダケンがモデルになっている可能性がある。
なお、コミックでダケンの存在を知った他のヒーロー/ヴィランの反応は……。
- スパイダーマン:「てっきり、(ウルヴァリンは)童貞だと思ってた」
- アレス:「あいつと寝た女が居たとはな」
ちなみにダケン本人は、両性愛者だったりする。
ジェームス・ハドソン・ジュニア
アルティメット・ユニバースにおけるウルヴァリンの息子。通称ジミー。
ウルヴァリンとマグニートーの元妻だったエージェントのマグダ・レーンシャーとの間に生まれる。その後、ウルヴァリンの戦友であったジェームス・ハドソン(正史世界では「アルファフライト」のリーダー)と妻のヘザーの子として育てられた。ヒーリング・ファクターとコロッサスの生体金属装甲に似た性質の爪を持つ。父親と違って金髪。
アルティメット・ユニバース消滅後、2017年にスタートした「X-MEN:ブルー」誌に登場し、ヤング・ファーストファイブのチームに合流。戦隊で言うところの追加戦士ポジション。
宿敵中の宿敵。長い因縁がある。
彼もまた再生能力をもつ超人兵士。改造手術の際、記憶操作もされた為精神的に不安定な面もある。
実写版ではウルヴァリンの実の兄という設定だった。
レディデスストライク / ユリコ・オーヤマ
サイボーグの女性ヴィラン。両手指から伸びる長い爪が武器。その名の通り、大阪出身の日本人女性で、かつてはローガンと恋人だった。
父親はアダマンチウムの移植技術を確立させた科学者にして、日本の犯罪組織の首領。アダマンチウム関連で、ローガンが父親の研究を盗んだものと思い込み、復讐の念に駆られる。そのため、父親の無念を娘である自分が晴らさんとローガンに戦いを挑み、返り討ちにされた。
サイボーグ化は、異世界モジョ・バースのヴィラン「スパイラル」のボディ・ショップによるもので、アダマンチウム製の爪と骨格を移植されている。この後にサイボーグ犯罪者集団「リーパーズ」に在籍。後に実写映画同様に、ウイリアム・ストライカーの部下になったこともある(原作アメコミ版)。テレ東版アニメにも登場している。
実写映画『X-MEN2』にも登場。素性は不明だが、当初からストライカーの部下として登場。ローガン同様に、ウェポンXでアダマンチウムを移植されたミュータントであり、手指の爪からアダマンチウムクローを伸ばしてローガンと戦った。
当然、緑色の巨人ハルクのことである。当時、カナダ政府の勅命を受け暴れまわる彼を取り押さえるエージェントとしてご対面。それ以降幾度か対戦した(原作アメコミより)。この頃のウルヴァリンのコスチュームおよび爪の形状は、現在とは異なるものである(参照)。
法の裁きを逃れている犯罪者を狩る「制裁者」。
彼もウルヴァリンと同様(彼より苛烈)に悪党には殺人も辞さない。そのため彼とはある種の共感を持ちあっている様で、共闘することもよくある。MARVEL三大ダークヒーローの一人。
MARVEL最古参ヒーロー。罪人に地獄の裁きを下す「復讐の精霊」。
ウルヴァリンとは共闘するエピソードが多々あり、一緒にチームを組んだこともある。MARVEL三大ダークヒーローの一人。
同じくウェポンX計画に参加し、ヒーリングファクターの能力を授かったミュータントの傭兵。
ウルヴァリンとは喧嘩したり共闘したりと付かず離れずの関係。
ちなみに、実写版の中の人同士はプライベートでめちゃくちゃ仲が良いことで有名。
ご存じキャプテンアメリカ率いるアメリカヒーローチーム。
X-MENと併用する形で一時メンバーとして参加していた(ハウス・オブ・Mより)。
ウルヴァリンが過去に所属していた、カナダ公認のヒーローチーム。カナダ版アベンジャーズとも言える存在。
リーダーのジェームズ・ハドソンの妻、ヘザー・ハドソンに対し、ローガンは横恋慕した事があった。
当初は、ローガンの過去を語るバックストーリーの中に名前が出てくるだけだったが、後に独立誌が発行。しかし人気低迷および諸々の事情のため、90年代以降は復活しても短期で終了を繰り返している。
原作の『X-MEN』や『アベンジャーズ』にも出演。テレ東版アニメにもローガン=ウルヴァリンの過去を語るエピソードに登場した。
詳細は、当該記事を参照。
また、実写版『LOGAN/ローガン』では、生き残ったミュータントの子どもたちが国境を越えてカナダに渡ろうとする描写があり、この事とアルファフライトの存在を関連付けて考察する者もいる。
本名トミ・シシド(獅子堂・戸美)。こんな名前だが男性である。
日本人のヴィランでミュータント。ヒドラのメンバー。
名前の通り、視線を交わした相手を石化させる能力を持つ他、ヒーリングファクターにテレパシーを持ち、更に格闘や剣術などの武術に長けている。特に武術の技量は、エレクトラを苦も無く倒し、ウルヴァリン自身も「勝てない」と思わせたほど。
この髙い能力ゆえ、一時期はヒドラのリーダーになっていた。後に「ダークアベンジャーズ」にも登場し、新たなメンバーにもなっている。
※なお、戦前であれば日本人男性でも名前に「美」が含まれる事もめずらしくは無かった。ただし、その場合、読み方は「み」ではなく「よし」の場合がほどんど。
ロミュラス
ウルヴァリン=ローガンを人知れず長年操ってきた、黒幕的存在。狼から進化した存在で、その姿はより大柄で年老いたローガンに似ている。また、爪の生えた義手を用いている。
ローガンの上位互換のような存在であり、ヒーリングファクターや武術の技や、野生的な感覚の鋭さ、敏捷力など、全てにおいてローガンを上回る。ローガンがウェポンXにより改造され、その後に長年にわたり記憶の大部分を失っていたのは、このロミュラスの仕業である。
オールドマン・ローガン
直訳すると”老ローガン”?
近未来を舞台にした大長編『WOLVERINE old man logan』より初登場。
本編、正史世界とは違う世界大戦により荒廃した異世界【アース-807128→21923】の住人であったが
2016年のクロスオーバーイベントにより正史世界へお引越し?!
2017年公開の実写版『LOGAN/ローガン』はこの『WOLVERINE old man logan』を原作としている。
エイジ・オブ・アポカリプス
95年の一大クロスオーバー「エイジ・オブ・アポカリプス(AOA)」【アース-295】では、プロフェッサーXが過去で殺された為に歴史が変わった世界観となった。
本作に登場するローガンは、ウェポンXへの改造は受けているが、ウルヴァリンを名乗っておらず、左手首が無い。
コードネームは「ウェポンX」。ヒーリングファクター、アダマンチウムクローと骨格など、基本的能力は通常世界のローガンと同じ。
歴史が変わったため、アポカリプス側に立ったサイクロップスと戦った際。ローガンは左手首をオプティックブラストにより吹き飛ばされ、失っている(ただしサイクロップスの方は、ローガンにより片目を抉られ失っているので、互いに片目と片手を失った事になる)。
以後は左手首にカバーを取り付け、隻腕の戦士としてアポカリプスと戦っている。
しかし爪自体は失っておらず、隠し武器として左手首の爪を伸ばし、不意を突いて敵を倒した事もある。
この世界観では、ジーン・グレイとは恋人であり相棒として、ともに二人組のフリーの傭兵のような立場になっている。
※さらにややこしいことに、AOAではローガンではない別の人物が「ウルヴァリン」を名乗り登場する。正規世界のローガンおよびウルヴァリンとは似ても似つかぬ姿・コスチュームの巨漢で、アダマンチウムクロー付きのプロテクターを装備し、周囲の人間たちの精神を乱すテレパシー能力を有す。単体でX-MENを下す実力を有していたが、ガンビットによりエナジーチャージされた石をベルトに挟み込まれ、崖から突き落とされて爆死した。
アニメ版
『X-Men : The Animated Series』
吹替:江原正士(テレ東版)、長嶝高士(トゥーン・ディズニー版)
本国アメリカで制作されたアニメシリーズにもメインキャラクターとして登場。
マッドハウス版【アース-101001】
2010年代に『アイアンマン』『X-MEN』『ブレイド』と世界観を共有する、主人公のアニメが制作された。
2011年1月から3月にかけてアニマックスにて全12話で放送。
ストーリー
ニューヨークで謎の襲撃に合い、恋人の矢志田真理子を奪われたローガン。その1年後、友人で公安調査庁の浅野徹心から、真理子は九頭竜の首領矢志田信玄の娘で、マドリプールの権力者黒萩秀樹との政略結婚のために日本に連れ帰られたという事を聞く。彼女を取り戻すため、ローガンは東京へと向かった。
登場人物
主題歌
- オープニングテーマ
「Feel My Claws」
作曲 - 大西省吾
- エンディングテーマ
「Another Day of Battles」
作曲 - 高橋哲也、大西省吾
ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ【アース-14042】
CV:乃村健次
第16話からのレギュラーキャラ。
デザインは原作版をもとにしているが体毛がなくなっている。
実写映画版
X-MENシリーズ【アース-10005】
CV:梁田清之(1作目) → 山路和弘(2作目以降)(劇場公開版)、磯部勉(テレビ朝日版)
20世紀FOXによる実写映画シリーズでは、『ファーストジェネレーション』および『アポカリプス』を除くほぼ全作で主人公として扱われている。
なお、2017年公開の映画『LOGAN/ローガン』を最後に、ヒュー・ジャックマンはウルヴァリン役を卒業しており(劇中で敵との戦いで致命傷を負い、そのまま戦死したため)、今後の『X-MEN』シリーズの展開に大きな注目が集まっていた。
登場作品
※印はゲスト出演。
- メインシリーズ
- X-メン
- X-MEN2
- X-MEN:ファイナル ディシジョン
- ※X-MEN:ファーストジェネレーション
- X-MEN:フューチャー&パスト
- ※X-MEN:アポカリプス
- 単独シリーズ
- ウルヴァリン:X-MEN ZERO
- ウルヴァリン:SAMURAI
- LOGAN/ローガン【アース-17315】
- その他スピンオフ
MCU【アース199999】
それから5年、X-MENの権利が20世紀FOXからディズニー傘下のマーベル・スタジオに移ってから初となる実写映画『デッドプール&ウルヴァリン』に登場することが発表された。
演者はヒュー・ジャックマンが続投する(ジャックマン自身が再演を希望したとのこと)。
なおその少し前から、同じMCUに含まれる映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』にプロフェッサーXが、『LOGAN/ローガン』で役を卒業していたパトリック・スチュワートの再演で登場したり、ドラマ『シー・ハルク:ザ・アトーニー』ではネット記事の1つに「バーで金属のカギ爪の男が暴れていた」と、まるで『X-メン』冒頭のような出来事が起きたことが示唆されたりと、小ネタレベルではあるが兆しが見えていた。
本作で活躍するウルヴァリンは、X-MENシリーズや『LOGAN』のいずれとも異なる世界からやってきたまったく別の個体という設定である(作中では、これ以外にも並行世界のウルヴァリンが何人か登場しており、中には意外な人が演じているパターンもあった)。
とある事情からやさぐれて酒浸りの日々を送っていた(しかも、周囲の人間たちからも疎まれている)が、時空を超えてやってきたデッドプールと出会ったことで彼の運命が大きく動き出すことになる。
本作では、終始原作と同様の黄色いコスチュームを身に付けて活動しており(酒場でデッドプールと出会った際には私服姿だったが、服の下にコスチュームを着ていた)、X-MENシリーズと比べるとだいぶ原作に近いデザイン・描写に変更がなされている(これはケヴィン・ファイギ氏の意向とのこと。なお、あまり知られていないが、同様のスーツは『SAMURAI』の未公開シーンで既に登場しており、今回満を持してようやくスクリーンでお披露目されたことになる)。
また、原作における獣化の描写へのオマージュなのか、あるシーンでは獣のように四足で地面を駆けて相手にとびかかるというこれまでにないアクションも見せた(もっとも、これまでとは別の世界の個体である以上、戦い方に差異があるのは不自然なことではない)。
関連イラスト
関連タグ
MARVEL X-MEN Wolverine アベンジャーズ
ヒュー・ジャックマン - 実写版でウルヴァリンを演じた俳優
外部リンク
余談
DCコミックとマーベルのキャラ同士が直接対決する「DCvsマーベル」では、マーベル側のキャラとして参戦。DC側の「キラークロック」「ロボ」と戦った。
特にロボは、スーパーマン並みのパワーと超回復能力(血液からも再生できるらしい)を有しており、その性格も荒々しい。互いに血の気が多く、どこかの星の場末の酒場で出会うとすぐに殴り合っていた。最後に立ち上がったウルヴァリンが、ロボの吸っていた葉巻を一服……という結果に。
その後、タイトル・キャラを合体させる大規模クロスオーバー「アマルガム」では、ウルヴァリンは「バットマン」と合体。
「ダーククロウ」というヒーローとして登場する。
その設定は、バットマンの世界観の中にウルヴァリンを置いたようなものになっており、ローガンの本名は「ローガン・ウェイン」。天才発明家で画家で万能スポーツ選手の、元孤児……という設定に(ちなみに、本来のバットマンである「ブルース・ウェイン」もこの世界には存在している)。
両親を目前で失い、引き取られたカナダの叔父にも死別され、孤児院で成長。その後カナダ軍に従軍。その際にクリード・H・クイン(この世界のジョーカーにしてビクター・クリード。後にセイバートゥースとジョーカーが合体したヴィラン「ハイエナ」となる)とともに改造され、アダマンチウムを移植された事になっている。
そのビジュアルは、「バットマンのコスチュームに、ウルヴァリンのマスクと爪を追加した」ようなもの。バットマンよろしく鋭い観察眼と探偵術を持ち、バットマン同様に秘密基地「バロウ」を所持。
専用の乗り物も所有している。劇中では専用ヘリ、クローコプターを駆って、ハイエナに立ち向かっていった。