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ジャン・ロベール・ラップ

じゃんろーべーるらっぷ

原作小説並びにOVA版・新アニメ版『銀河英雄伝説』に登場する、自由惑星同盟側のキャラクター(メイン画像の左上の人物)。ヤン・ウェンリーの親友で有能な軍人。しかし、本編では早々に戦死してしまった悲運の人物。キルヒアイスと並び、生きていれば、もっと歴史は変わっていたかもしれない人物の1人とも言える。
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「俺、ジェシカに結婚を申し込もうと思う」

声優

OVA版:田中秀幸

新アニメ版:小野友樹


概要

 『銀河英雄伝説』に登場する、自由惑星同盟側のキャラクターの1人。容貌は薄めの金髪にやや割れ気味の顎が特徴。新アニメ化では、概ねOVAや劇場版に準拠しているが、より若者らしい雰囲気が追加されている。最終階級は、本編での初登場時は少佐。戦死後に大佐へ二階級特進している。

 ヤン・ウェンリーの数少ない親友であり、士官学校時代の同期生でもある。彼とラップ、そしてジェシカ・エドワーズの3人で、学生生活を送ってきた。

 後にジェシカの婚約者となる。軍人としても有能であったようで、ヤンをして学年主席マルコム・ワイドボーンよりも、ラップの方が「将器としては彼が上」と言わしめる程の才能の持ち主であった。

 アスターテ星域会戦時には、第6艦隊所属で参謀を務めていた。銀河帝国艦隊に、同盟艦隊が各個撃破される危険性を予見して意見具申したが却下され、何もできないまま戦死してしまう。

 上記の様に有能な人物とされながらも、OVA版並びに新アニメ版で第1話にあって戦死するという結末を迎えてしまう。ただし、作品上の登場頻度は決して少ないわけではなく、外伝や劇場版、新アニメ版でも度々登場する。

 さらに、劇場版『新たなる戦いの序曲』では、やたらめたらと死亡フラグを乱立させており、原作が原作だけにラップは見事フラグを回収してしまった。この事から、視聴者から『一級フラグ建築士』とさえ呼ばれてしまう始末である。それは新アニメ化においても同様で、告白するシーンこそないが、告白した事を親友であるヤンに伝えている。


人物

OVA版

 本編ではほぼ語られなかったが、OVA版の外伝編ではフレンドリーな性格が表れている。士官学校の入学式で初めて会ったヤンに対して友好的に接している。また気遣いも出来るようで、雨に濡れながらも署名運動をするジェシカにコートを着せたりしている他、ヤンの眼から見ても同僚又は下級生からの信望が厚いとされる。

 それだけ人を引っ張る指揮官としての素質『将器』がある、とアレックス・キャゼルヌに公言している(ヤン曰く『人を率いる将としての器』とのこと)。故に、学年主席であったマルコム・ワイドボーンよりも指揮官として優れていると挙げていた。

劇場版

 またその性格からして劇場版では、後輩であるダスティ・アッテンボローからも「ラップ先輩」と尊敬の念を込めて呼ばれている。階級がアッテンボローに追い抜かれた事に対しても、「やれやれ、後輩にも追い抜かれるか」と冗談交じりに言う程度で嫌味などは言わなかった。

 アッテンボローから「先輩こそ、病気療養がなければ今頃は・・・・・・」フォローするが、「ダメダメ、ヤンの様にはいかないさ」と返すなど、寧ろヤンの実力を高く評価していた。

 基本的に友好的だが、怒りを見せるときは見せており、劇場版では部下ごと玉砕しようとするムーア中将を、思い切り非難していた。

新アニメ版

 フレンドリーな雰囲気は変わらないが、人間関係としてジェシカとは幼馴染という立場にあることが明かされている。


能力

 艦隊指揮官ではなく、一介の参謀として登場していたが、それでも彼の状況判断能力は高いものである。その証拠に、アスターテ会戦時にはヤンと同じく、敵が各個撃破に出てくる事を予測しており、早々に戦力の集中を図るべきであると進言していた。


ジェシカとの関係

OVA版

 彼には士官学校時代に知り合ったジェシカ・エドワーズという婚約者がいた。パーティ会場でダンスの相手をしたことから、徐々にヤンとジェシカと接しあうようになっていった。反対運動の署名活動を手伝うなど、ヤン共々ジェシカを応援していた。

 当初はヤンもジェシカに何処かに恋心を持っていたようだが、最終的にはヤンがラップの背中を押してジェシカとの婚約に漕ぎ着けられる事となる。ジェシカも複雑な心境はあったようだが、最終的にはラップを選んだ。

新アニメ版

 幼馴染という独自設定が追加されている。なおかつ、一度は告白してフラれてしまうが、互いによく話し合ったことから、二度目では婚約者として成立する。



経歴

OVA版

 アスターテ会戦に参加。ダゴン星域会戦と同じ布陣で挑もうとする指揮官に疑問を抱いていた模様。ヤンと同じく、分進攻撃ではなく戦力の集中を図っての戦いにすべきだと進言するも、ムーア提督ににべもなく退けられてしまう。

 やがて第4艦隊を破った帝国艦隊が、第6艦隊右側背を強襲してきた際には、反転せずに急速前進して敵艦隊の背後に回り込むべきだと進言するが、冷静さを欠いたムーアの前に効果は無く、反転攻勢をかけようとしたところに集中砲火を受けて被弾。

 その爆発の際に剥き出しになった鉄骨と、壁に身体を挟まれて圧死するという悲惨な最期を迎える。死の間際、ジェシカの立体写真を取り出し「ジェシカ、許してくれ」と呟いた。


劇場版

 時系列的に登場は、第4次ティアマト会戦から帰還してきたヤンを、軍港で出迎えてきたところからである。この時、ラップはヤンに「俺、ジェシカに結婚を申し込もうと思う」と告白し、ヤンから「幸せにしてやれよ」と応援される。その直後に、ラップはジェシカに告白し、無事受け入れられた。

 その晩、レストランでヤンとジェシカと揃ってお祝いをする。ジェシカと共に帰宅途中、ラップはヤンの好意に「すまんな、ヤン。ありがとう・・・」と呟く。どうやら彼自身も、ヤン自身も実はジェシカに気があった事を自覚していた模様である。

 しかし、数日もしない内に出兵が決まり、ラップもヤンと共に出撃することとなった。その際、ラップは「帰ったら家を探そう」と約束をし、さらにお守り代わりに彼女のハンカチを持っていった。これが最後の別れになるとも知らず・・・・・・。

 会戦の経緯はほぼ、OVA版と同じであるが、彼自身の最期が変更されている。旗艦『ペルガモン』が敵中に包囲される中で降伏勧告を受けたが、ムーアの感情を逆撫でしてしまい玉砕を決意する。それにラップが猛反発し、遂には

「貴方は、自己満足の為だけに、多くの将兵を道連れにしようとしている。どちらが卑怯か!」

とキレたが、上官反抗罪であると言い渡され拘束されてしまう。

 その直後、ムーアは無謀な突撃を命令、瞬く間に「ペルガモン」は業火に包まれ、艦橋に居た者も全て爆発で巻き込まれた。ラップ自身も艦橋最上階から投げ出され転落してしまう。業火に包まれる艦橋内で、彼はお守り代わりのジェシカのハンカチを取り出し「生きて帰るよ、必ず・・・・・・!」と呟いた直後、爆沈してしまった。


漫画版

 原作同様、ヤンの士官学校時代からの友人として登場(初出はヤンとワイドボーンが模擬戦を行った時の回想)。第4次ティアマト会戦でヤンと共にパエッタ中将の旗艦パトロクロスに配属される。

同盟軍の中では、シトレやグリーンヒルと同じくヤンの才能を認めている数少ない軍人として描かれている。

 ラインハルト艦隊の襲撃で惑星レグニッツァに逃げ込んだパエッタ艦隊であったが、ラインハルトは配下のロイエンタールビッテンフェルトミッターマイヤーに命じて手持ちの核融合ミサイルを全弾投下させてしまう。これをいち早く察したヤンに頼まれてラップがパエッタを説得、パトロクロスは辛くも爆散を免れたのであった。

 その後、アスターテ会戦ではヤンと離れてムーア中将の旗艦ペルガモンに配属されるが、この頃には恋仲であったジェシカとの婚約も進んでおり、帰還したら婚姻届を出すつもりであった。

 ところが、ムーアは慎重論を幾度となく進言するラップを一方的に侮蔑しており、何度突っ撥ねても意見を通そうとするラップに業を煮やした末、殴る蹴るの過剰な暴力で重傷に追いやった挙句に営倉送りにしてしまった。しかも理由が「世迷言をまくし立てて士気を下げようとしているから」と、完全な冤罪とムーアの一方的な思い込みによるものであった。

 それでもラップは諦めず、治療されている隙に脱走。食事中のムーアに再三の進言を行う。この行為にムーアは更に激昂してしまい、今度は「せっかくの食事を台無しにされた」という理由で蹴り飛ばしてしまう。そのうえ介抱しようとした下士官にも「死んでも構わん!事故死で報告すれば良い!!」と一括して黙らせてしまった。


その瞬間、まさに最悪の展開でラインハルト艦隊がペルガモンに狙いを定めてしまう。


帝国軍の総攻撃で大破したペルガモンの艦内で、虫の息のラップはかつての友と恋人の写真を力なく見つめ………そして想い人の元へ帰れなくなった無念と共に虚空へと消えていった。


ゲームにおいて

 ボーステック社のゲーム『銀河英雄伝説IV』では、序盤で戦死させるのが惜しいほど高い能力値を持った有能な人物となっている。また作品によっては、ラップの戦死を防ぐ事も出来るうえ、自分の陣営に加える事も可能。

 その他のゲーム化作品でも基本的に優秀な能力を設定されており、ただひたすらに上司運がなかったがゆえに活躍できないまま散っていった不遇の名将というキャラ付けが定着している。


新アニメ版

 第1話のアスターテ会戦で戦死してしまうことに変わりはないが、士官食堂で最初の艦影発見の報告を入れたのは一般兵ではなく、ジャン本人がムーアへ報告する形に変更されていた。また、時間軸が一時遡った第2話では、戦死する前にヤンと個別会話しており、どうにか第2・第6艦隊を合流させようと確認し合っている。また、自身に何かあったらジェシカの事を任せる、と縁起でもないことを言ってしまう(現実になってしまうが)。

 また、第4話では過去の話として、ジャンが登場した。なおかつ、ジェシカとは幼馴染であることが判明した。加えてヤンが士官学校へ手ぶらで入校した事から「手ぶらのヤン」なる徒名を付けたのは、ジャンであり、それをジェシカに話していた。ジェシカに告白したが、「軍人の恋人になりたくない」という理由でフラれてしまった。

 士官学校卒業後、エル・ファシルで英雄に祭り上げられたヤンと再会し、素直にヤンの功績を賞賛していた。後に、TV通信でも会話しており、その時に告白を受け止めてくれた旨をヤンに報告した。


フラグ乱立

 小説版では、フラグらしいやり取りは無かったが、上記したように劇場場ではフラグを乱立させている。その一例が以下の通り・・・・・・。


  • 「俺、ジェシカに結婚を申し込もうと思う」
  • 「そんな顔をしないでくれよ、心配せずとも今回は楽勝さ!」(出陣直前)
  • 「帰ったら、家を探そう」(出陣直前)
  • 「これ(ハンカチ)、お守りに貰っていいかな?」(出陣直前)

他にも、行動として・・・・・・


  • 出兵前に結婚の告白をする
  • 出陣直前にキスをする

等、銀河英雄伝説において、これ程までにフラグを立てた者はおそらく居ないと思われる。ただし、あくまで劇場化に際しての事である。

 しかし、新アニメ化でもこれは引き継がれることとなった。しかも一度はフラれて、二度目の告白で結婚話まで進んでいた矢先というものである。


関連タグ

銀河英雄伝説 自由惑星同盟 ヤン・ウェンリー ジェシカ・エドワーズ

一級フラグ建築士 死亡フラグ

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