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特使五柱

とくしごちゅう

スマホアプリゲーム『Fate/GrandOrder』に登場するキャラクターである。第一部終章の決戦において、密かに戦いから離脱しそれぞれ異なった理由で活動を始めた。

概要

終局特異点での戦いにおいて、統括局ゲーティアに直談判を行った特殊な立ち位置の魔神柱が存在した。

これらの魔神柱は消滅することなく逃亡しており、第1.5部「Epic of Remnant」において、亜種特異点と呼ばれるこれまでとは異なる特異点を形成し、それぞれの命題を達成しようと目論む。また感情が芽生えた結果、誰も彼も非常に人間臭い言動をしている。


「三千年の辛苦に、今こそ報いを!!」


亜種特異点Ⅰ「悪性隔絶魔境新宿」にて登場。

冠位時間神殿で自分の進言に耳を貸さなかったゲーティアに対し反感を抱いていた魔神柱。


神殿から逃亡した後、英雄や魔王でもない、ただの人間であるカルデアのマスターに敗れたことに恥辱を覚え、3000年もの時をひたすらカルデアのマスターへと復讐することだけに費やした。

復讐のために費やした年月において、かつての自分には価値を見いだせなかったが、信仰や歴史が足らず英霊になれない「幻霊」を生み出す都市伝説や民間伝承、御伽話などを研究。

完全に人類史から隔絶された事で空想の街となった新宿を利用する事で、本来はあり得ない幻霊と幻霊の融合英霊と幻霊の融合と言う偉業を成した。

一方で、セイバーオルタからその復讐心がただの逆恨み八つ当たりでしか無いと指摘されればそれを素直に肯定した上で英雄でも魔王でもないただの一般人に負けた事を理由に挙げた上で全力で恨み節を並べ立てて主人公を殺す為に世界を滅ぼすと発言。そして大規模な計画を練りながら「仮に退却して特異点を放置しても問題なくなろうと、主人公は最後まで戦いぬく」ことを前提とする等、憎悪の対象ながら主人公を買っている面もあり、その内面は機能的だった魔神柱とはかけ離れて人間臭く、共謀者とは非常に良好な関係を築いている。


彼を構成する感情はカルデアのマスターを対象とした「復讐」「応報」。それゆえに復讐者クラスとなっている(大元のゲーティアが「人類愛」を持っている為、基本的に人間が好きという両儀式のアヴェンジャー評にも適っている)。

また、登場当初はゲーティアの面影がある人型の姿を取っており、戦闘開始と同時に本来の姿である魔神柱としての姿を現した。形態はアモンらと同じ第二形態の亜種。


なお、ホームズがバアルの協力者に取り込まれた中で得た情報で、冠位時間神殿の決戦の中でゲーティアに見切りをつけて逃げ出した個体が(バアル自身を除いて)三柱残存していた事が判明。

新宿で現れたのがバアル一柱だった事から、カルデアのマスターへの復讐に動いていたのはバアルだけだったと思われる。


「―――私は。手に入れる命題の順番を、間違えたのだ。」


期間限定イベント『ぐだぐだ明治維新』にて登場。魔神柱の一柱「アンドラス」が亡骸として幕末に流れ着いていた後に変性したもの。

同時に逃げ出したバアル達とは違い逃走中に停止してしまい力が足りず瀕死の状態であり、「自我を得られたのに死にたくない、ただ生き続けていたい」と願い時間神殿から漂流し残留思念と化したが、流れ着いた先に偶然居合わせたサーヴァントが自分と同じように「死にたくないと願う存在」だと認識し取り込んだ。

そして、彼女を留めるために縁の強い豊臣秀吉の振りをし『金色魔太閤秀吉』を名乗り、「死にたくない」という願いのみに適合して叶える聖杯に近い存在になり、その空間に固定した。


この願いにより、鉄壁の防御力を誇る裁定者クラスのほか、被ダメージをさらに抑えるスキルを持つ。

空間として固定した後は、同じように永遠不滅を望む存在を呼び寄せ、空間を維持し続けていたが、茶々から拒絶され、彼女が空間に招いたカルデアの面々に討伐された。

その時に自身が「手に入れるべき命題の順番を間違えていた」と言う事に気付き、崩壊しつつあった空間に残った幕末のバーサーカーに自分が得た己が命の答え――「命を惜しみながら死ぬ」に辿り着いた事を告げ、戦い続ける運命を背負った彼に激励の言葉を残し消滅した。


皮肉にも彼が辿り着いた「死にたくない」という願いは、彼らを打倒したカルデアのマスターと同じ「生きていたい」と言う意思と似たものであった。


「―――私の名前はゼパル。七十二柱の魔神のひとり、魔神ゼパルである」


イベント『深海電脳楽土SE.RA.PH』にて登場。

他の残党であるバアル、アンドラスとは違い、肉体すらも喪失していて実質意識のみの状態で2017年のとあるセラフィックスの職員の体の中へと入り込み潜伏を続けていた。前述の二柱よりもかなり狡猾かつ謙虚で自らの敗北を受け止めている。


しかしカルデアの目から隠れるために潜伏したはずだが、自ら召喚したBBが天敵となるカルデアを2030年へとレイシフトさせたりと、それぞれの思惑に食い違いが出てきている。

更に管制室に陣取っていた魔神柱は人間を取り込むなどしたが、他の魔神柱よりも外観が細かったり中身がないような状態で、近づかない限り何もしないなど不可解なところがあった。

この『名もなき魔神柱』のクラスはバーサーカー


ゼパル自身は人間の可能性に期待を抱き、「人間を情報として管理する」という命題を掲げ、フラウロスの報告にあった「不可視領域の原因の一つである可能性」のセラフィックスに侵入し、カルデアの目から逃れるためと、命題を解くには何十年もの時間が必要となるため、時間神殿で受けた傷を癒す隠れ家としてセラフィックスの職員の一人に寄生した。


だが、ここで全てが狂い始める。生贄の名は殺生院キアラ

セラフィックスでの彼女は海洋油田施設でカウンセラーをしてるだけのごく普通の人間にすぎなかった。

しかし並行世界を俯瞰することで、人類悪になりうる素養を濃く持った女性であることが判明する存在だったのだ。


彼女に干渉した魔神の最期は誰であろうと同情を禁じえないほどの無残極まりないものだった。

キアラの体を通じて人間の肉体的な快楽を知ってしまったゼパルは、キアラに快楽についての教えを乞うようになってしまう。

そして利用しようとしていたキアラの隠されたおぞましさをその体ごしに見せつけられ続け、キアラが並行世界での宿業を納めるに至った頃には主従関係も逆転し、体から離れたいと懇願しても聞き入れてもらえず、挙句の果てに使い捨てられる結果となった。

その有様はまるで親に見捨てられ、他に頼る当ても術もなく、「捨てないで」と泣きじゃくりながら死んでゆく無力な幼子のような、そんな残酷な終焉だった。


しかし、後日更新された竹箒日記でキアラの暴走はゼパル自身が不要とした彼女の善性を封印し、EXTRA世界線の彼女と同期させた結果であることが語られ、ゼパルもセラフィックスの職員を喰らっていたという事実と合わせてBBの「自業自得」という評を証することとなった。


この壮絶な末路は俗に「ゼパる」と評され、作中でのくだりから「ゼパなんとかさん」というあだ名を原作者からも贈られてしまった。


お互い『不可能』へと挑んだ同志であったバアルとその協力者、自らの答えを託したアンドラスと狂戦士といった先の二柱とは違い、徹底的に利用され使い捨てられるという、相手にする人間と、その関係性を間違ってしまった末路であった。

BBによって結果的にセラフィックスで起きた事態は虚数事象、つまりは最初から存在しない事になったが、

諸悪の元凶としてキアラ共々事象にも存在しないものとして、「彼らの消去」という結果だけは後世に遺された。


死後はサーヴァントと化したキアラに武器にされており、まさしく死体蹴りも同然の扱いである。


「神秘の下落による人理泡沫こそ我が理念。墜落と共に滅びるがいい、浅ましき人類よ!」


亜種特異点Ⅱ『伝承地底世界アガルタ』にて登場。

時間神殿では何のセリフもなかったが、停止などの描写も無かった事からプレイヤーの考察のみで生存が疑われた魔神柱である。形態は第二形態。

数値が全て反転しており、数値的には死んでいる状態のためカルデア側のサーチには引っ掛からなかった。

詩を司る魔神であるためか、口調も詩的。


その名の通り生と死を司る魔神であったが、最終決戦で何度も殺されその度に復活するの繰り返す内、死だけでなく生きる事自体に忌避感を抱き、「魔神を召喚する魔術という概念である神秘」を抹殺する事で永遠なる死を迎えるために暗躍を開始する。


まず、同じ様に死を恐れる英霊に同調・同化し、彼女の持つ宝具の規模を強化拡張、「彼女の物語と現実を融合させる土台」として地下空間・アガルタを創りあげる。

その上で、地下空間に作った国の支配者たち、更にそれらを打倒しようとする英霊を召喚して争わせ、その争いで英霊が発する魔力と、閉鎖空間により英霊の魂が座に戻ろうとする運動エネルギーを継続的に搾取。そして、それらエネルギーを使ってアガルタを現実に浸蝕・実体化させ、「幻想空中都市ラピュタ」として浮上させるにまで至った。

最終的に、幻想空中都市ラピュタを現実の大都市に墜落させ、「神秘を普遍化させることにより神秘を無に帰す」事によって、自分が永遠に死ぬ事を目的に動いていた。


フェニクスはこれらの行動で七十二の魔神の志を完遂すると語るが、ダ・ヴィンチちゃんからは「このような魔神(思想)は我らの中に不要なりとゲーティアも頭を抱えるだろう」と酷評されている。

実際、人類を死の苦しみ、不完全性から解放するための段階の一部に過ぎない人理焼却と、それを阻止するための責務である行為を、自分が生と死の繰り返しから逃げたいための行動と同一視している時点で本末転倒である。


生と死を司るだけはあり、ゲーム内では3回ほど戦う事となり、初戦はキャスタークラスで戦闘になるが、2戦目以降は防御性能が随一であるルーラークラスに加え、(3戦目のみは10ターンまで)強化解除無効の永続全回復ガッツという高難度イベントもかくやというトンデモバフが掛かった状態で戦闘が開始される。


最終的には思わぬ伏兵少年フェルグスの尽力で存在が保てなくなるまで消耗し、見苦しくも協力者に助けを求めるが、少年フェルグスの言葉に少しだけ心が動いた彼女に拒絶され、無惨な断末魔を上げて消滅した。

もっとも、その助けの求め方も「痛い痛い又死んじまう!協力者ならその命寄越せ!(意訳)」と見下した言い様だったので拒絶されても無理はないだろう。

漫画版では協力者とも比較的良好な関係だが、彼女の語る物語を面白いと感じる事に「生きる喜び」を覚えてしまい、それを恐れて友人と呼べるまでの関係にはならなかった。


「殺戮」を司りながらも「死にたくない」と願ったアンドラス、「女性に不利な淫欲」を司りながらも(魔神でありながら!)女性によって齎される肉の悦びに振り回され全てを奪われ消滅したゼパルに続き、「再生」を司りながらも「生を消し去ることによる自らの永遠の死」を望み、されど見苦しくも半端に生に縋りつくなど、何とも皮肉なあり方や終わり方が続いて行った。


「croak! croak! croaky!」


亜種特異点Ⅳ『禁忌降臨庭園セイレム』にて登場。2017年のセイレムに上書きする形で亜種特異点を形成した。


時間神殿の戦いで多くの英霊達の援軍が到来したことで真っ先に撤退を進言した魔神柱であった。

当時はハルファス、フェニクスと同様の白い体色の第二形態であったが、独立後は濡れ羽色の体色に変わっている。


ゲーティア崩壊時に逃走した先の四柱達とは思想が少々異なる。都市に根ざす属性を持った魔神柱であるために人の体を乗っ取って人の服装や生活を送ることには全く抵抗が無かった。

魔神としての正体を現した姿では、ゲーティアという群体の一部であったバアル、フェニクスとは違い、首から上がカラスの頭になった人という姿をしている(魔神の中でも一番原典に近い容姿である)。

ラウムという悪魔は原典ではカラスに変身できる為にこうなったと思われ、その為かを見ると取り乱す程に嫌っている。


彼が目指したのは「苦痛」と「迷信」。

時間神殿からの撤退後、彼は「人理補正式」という魔神柱本来の在り方を守り、人類を救済するための新たな計画を練り始める。

「信仰」「不老」「永続」「希望」といったいかなる『真実』も人間を救うことは適わなかった。故に彼は「”この宇宙”の真実では人間は救えない」と結論付け、『この宇宙にいないもの』を計画の鍵と定める。しかしいかに並行世界を観測できる魔神柱と言えども地球のルールの中で生まれた存在に過ぎず、外の宇宙に繋がることは不可能だとされていた。

そこで、ひとりの夢を見る男が吐き出した創作神話が、本当に外宇宙の高次生命たちの在り方を言い当てたことに着目し、それを利用する事を計画。

ありとあらゆる時間・空間に繋がる外宇宙の高次生命 = 虚空からの降臨者(フォーリナー)を求め、行動を開始した。

もっとも、その方針を聞いた他の魔神柱であるゼパルからは、その解答は一万四千年前に失敗したと断じられてはいたが(実際に宇宙からの存在は地球の存在には手に負えない連中が多く、ゼパルの評は的を射ている)。


彼は迷信の力の研鑽のため、近代的価値観と中世的価値観が入り混じった特異な村であるセイレムに着目。【都市〝セイレム〟そのもの】を触媒とし、その地域に居た【五万人の住人】を魔力原とする事で、救済を求める過去のセイレム住人達の亡霊群を降臨、セイレム魔女裁判そのものの再現を試みる。

当初は忠実に歴史の再現を目指したが、すぐにそれは逸脱。幾度とない逸脱の中で、やがてアビゲイルが巫術者としての特異な体質を持つことに気づくと、彼女に求めたモノを呼び寄せさせ、アビゲイルの手によって人類の救済を行わせる方向へと軌道修正する事となっていく。


迷信との繋がりを持つ町を舞台に、彼は独自の人類救済計画を構築。

それは罪を犯した人間が贖罪として痛みを負うことを救いと解釈し、また一片の罪もない人間などいないという考えに基づき、全ての人間=罪人に永遠の苦痛を与え、救いという名の煉獄を生み出すことであった。

この計画で完成されたのはアビゲイルを計画のために利用していた中で、ラウム自身が次第にアビゲイルの影響を受けていたからである。


計画を進めるためにアビゲイルを利用しようとしていた一方、自らを伯父とし、姪としたアビゲイルに対しては少なからぬ情を抱いていた節がある。

アビゲイルを護ろうとする意思表明や敵対勢力であるはずのカルデアへの嘆願めいた発言、そして決戦の際、消滅直前ボイスが「これでよい……これで……よいのだ……」という安らかな声音であった事などから、自らの計画とは別にアビゲイル自身の救済をも求め、託そうとしていたのかもしれない。

実際、自身が利用していたランドルフ・カーターの体を情報から復元して無傷で返却していたばかりか、その体での記憶も情報としてフィードバックしていた辺り、どれだけアビゲイルを助けたかったのかが窺える。


しかし、彼の行動で外宇宙の存在がFGO世界へと手を出しやすくなった事は否めず、第二部で起きたある事件は、ある意味コイツのせいとも言える。

視点を変えれば、ラウムは特使五柱で最も「人類を救う」という命題から離れた行為を行った魔神柱である。


なお、漫画版はゲーム版と全く違ったストーリーが展開されているようだが…。


余談

この5体の内、アンドラスだけが圧倒的に影が薄い。

というのも他の4柱が関わった事件は常設クエストあるいは漫画化されたことによって触れる機会が多いのだが、アンドラスは期間限定イベントであるぐだぐだ明治維新の復刻が終わった2018年6月以降に始めたマスターには触れる機会が全く無いのだ。

なので今となってはセイレムの回想シーンでいきなり名前が出てきて「誰こいつ!?」となりがち。

同じイベント出身だったゼパなんとかさんは深海電脳楽土SE.RA.PHのメインインタールード入りと漫画化までされたというのに・・・

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