「この世に漫画を描く以上に面白いことなんてあるのかしら」
「マンガを描く上で何かメッセージを伝えたいとは思っていないんですよ。
ただそのマンガを読んでる間、何かつらいことがある人でも楽しくなってくれればいいな、
元気になったらいいな……と、それだけです。」
人物
少年漫画雑誌の第一線で活躍し続ける、女性漫画家の草分け的存在。
小池一夫の劇画村塾の出身作家であり、そこから『勝手なやつら』で小学館新人コミック大賞において佳作を受賞し、デビューに至った。
愛称はるーみっく。制作プロダクションの名称にも用いられ、代表取締役も担う。
彼女の描く作品や独特の世界観は、『るーみっくわーるど』と呼ばれており、日本のオタクカルチャーに彼女が与えた影響は、絶大なものがある。
「 ラブコメしか描かない」と公言しており、「漫画を描くのに男は邪魔だから(おそらく恋愛したり家族を作るのが)」との理由で独身を通している豪傑で、アシスタントも同じ理由から女性で統一している。長期連載が終わっても休む間もなく「早く次の連載をやらせて!」と編集に要求するなど、漫画と結婚した女性とも言える。
知る人ぞ知る、熱烈な虎党。
生けるレジェンド
『うる星やつら』(SFギャグ)から、『人魚の森』(シリアスホラー)、『めぞん一刻』(青年ラブストーリー)、『らんま1/2』(格闘バトルコメディ)、『1ポンドの福音』(スポーツ)、『犬夜叉』(戦国時代劇)、『境界のRINNE』(ファンタジー)など、幅広い作風を描ける実力派。
現時点で長期連載作の全てがアニメ化や実写化が成されている。また短編も高橋留美子劇場やるーみっくわーるどのようにアニメ化されているものが多い。
1995年には単行本が累計1億冊を、2017年には遂に累計2億冊を突破した。
2018年にはアメリカで最も栄誉ある漫画賞・アイズナー賞で、日本人6人目の漫画家の殿堂入りを果たした。
これらの記録は、女性漫画家として初であり、かつ唯一の快挙である。
1978年のデビューから実に40年年以上、絶えず少年誌で活躍し続ける。
このような数々の功績を称え、人は彼女を「天才」「生ける伝説」等と崇める。その名に恥じず、同業者にさえ熱狂的なファンがいたり、一目置かれる尊敬の対象とされたりするなど、今なお多くの人々に影響を与え続ける。以下は、そんな一握りの人物。
- 小池一夫…高橋の恩師。一早くから高橋の才能を見込み、「お前はプロになれる」と評した。
- あだち充…サンデー漫画家。数十年にわたり高橋とともにサンデーを支え続けてきた戦友。あだちが少年誌にこだわるのも、高橋の存在が大きいと語る。互いに実力を認め合うほどの仲。一番好きな高橋作品は『境界のRINNE』で、一番好きなるーみっく主人公・るーみっくヒロインには同作品の六道りんね、真宮桜をそれぞれ挙げている。
- 藤田和日郎…同じくサンデー漫画家。高橋の作品を読んだことで漫画家を志した。るーみっくオタクであり、「好きな漫画家は誰か」という質問には必ず真っ先に高橋の名を挙げるほどの熱狂的ファン。今なおリスペクトかつ敬愛しており、漫画の描き方などを参考にしている。
- 荒川弘…女性漫画家。人生で一番影響を受けた漫画に『うる星やつら』を挙げており、漫画の描き方を参考にするほど。2013年には、高橋とサンデー誌にて対談を果たしている。
- 椎名高志…サンデー漫画家。妻が高橋の元アシスタントであり、自身も「僕の漫画家人生を変えてくださって有難うございます」と感謝の意を表している。
- 岡田斗司夫…評論家・プロデューサー。手塚治虫が「漫画の神様」なら、高橋は「漫画の怪物」であると評した。
- 島本和彦…漫画家。自身の作品の中で、「高橋留美子はタイミングだけで生きている」と迷言を書いたことで有名。
作風
- 基本的にラブコメディを主軸とした作品が多い。また、主人公とヒロインの関係は時折心がすれ違いつつも付かず離れずの距離感を保っていることが多い。また、登場人物の殆どは変態の域に近いほど、限りなく自分の欲望に対して非常に忠実である。
- 高橋が描く主人公の特徴として、男のダメな部分が顕著。詳細は、るーみっく主人公を参照。
- 高橋が描くヒロインの特徴は大きく三つある。詳細は、るーみっくヒロインを参照。
- 清楚で可憐な風貌だが、主人公が自分以外の女性にアプローチをかけられたりすると暴力をふるう(本気で怒ると、よく平手打ちを食らわせる)などの嫉妬深い一面を持っているタイプが多い。また、他の男性キャラにも好意を抱かれ言い寄られても、主人公以外の男に靡く事はない。
- 料理に関して奇抜な感性or苦手なタイプと、まともな料理を作れるタイプに大きく分かれる。前者にはラム・天道あかね、後者には音無響子・日暮かごめ・真宮桜が挙げられる。
- プロポーションが非常に良い。
作品 | 主人公 | ヒロイン | 主人公の初恋相手 | ヒロインの初恋相手 |
---|---|---|---|---|
うる星やつら | 諸星あたる | ラム | 三宅しのぶ(彼女) | レイ(婚約者) |
めぞん一刻 | 五代裕作 | 音無響子 | 音無惣一郎(旦那) | |
らんま1/2 | 早乙女乱馬 | 天道あかね | 東風先生 | |
犬夜叉 | 犬夜叉 | 日暮かごめ | 桔梗(恋人) | |
境界のRINNE | 六道りんね | 真宮桜 |
※初恋の相手が主人公・ヒロインの場合は白抜きとする。
歴代定期連載作品を見ると、意外なことに主人公またはヒロインが互い以外の相手と過去にいわゆる良い仲になっているケースがほとんどであり、愛憎や私欲渦巻く三角関係や四角関係に発展することも珍しくない。例を挙げるなら『犬夜叉』では、主人公が初恋の相手とキスを2度もしてるが、ヒロインとは一度もしてないといったことも…。
一方で、『境界のRINNE』のように主人公とヒロインが互いに初恋で結ばれたレアケースもある。
- 主人公またはヒロインの恋敵となるキャラクターは、大抵相手が自分に靡かなくてもお構いなしにアプローチをする強引な性格である。しかし、恋敵キャラクターも決して蔑ろな扱いをされているわけではなく、主人公やヒロインにふられても新たな恋の相手を見つける(ただし一部例外もある)など、基本的に最後は皆が笑って幕を下ろせるような大団円が多い。
エピソード・諸説
- 『うる星やつら』、『めぞん一刻』、『らんま1/2』、『犬夜叉』、『境界のRINNE』と、これまでに高橋の定期連載作品は全てTVアニメ化されている。また、不定期連載の『人魚の森(人魚シリーズ)』と『高橋留美子劇場』のシリーズ作品も深夜枠でアニメ化、同じく不定期連載を経て完結した『1ポンドの福音』もOVA化された。さらに、短編読み切り作品である『炎トリッパー』『ザ・超女』『笑う標的』も、「るーみっくわーるど」として立て続けにOVA化されるなど、もはや隙がない。
- 高橋作品のアニメ版に参加した声優(特に主人公・ヒロインなどの主演級)は、必ず売れっ子になるというジンクスがある。勿論、それ以前に売れっ子で主役に抜擢されるケースもある。
- 高橋作品のアニメに一度出演した声優は、本作者の他作品で再び起用されることが多々ある。特に、メインキャラクターを演じた声優が別作品で再びメインに起用されるなんてことも、決して珍しくない。
高橋の代表的な作品のタイトルの頭文字は、自身の名前「留美子」のローマ字表記「RUMIKO」から、1文字ずつ取られている。
R…『らんま1/2』
U…『うる星やつら』
M…『めぞん一刻』
I…『犬夜叉』
K…『境界のRINNE』
O…『1ポンドの福音』 ※英数字「one」=1から。ただし、含まれない場合もある。
もちろん、これはあくまで噂であって、高橋自身が意図して付けたのかは定かではない。しかし、あまりにも偶然すぎるので、一部のファンからは「RUMIKOの法則」として、まことしやかに囁かれている。
因みに、上記6作品ともすべてアニメ化されている。
- 歴代の定期連載作品のタイトルの頭文字を並べると、奇しくも「RUMIC」=「るーみっく」となる。
R…『らんま1/2』
U…『うる星やつら』
M…『めぞん一刻』
I…『犬夜叉』
C…『境界のRINNE』 ※英語名「Circle Of Reincarnation」から。
―― ただし、上述の通り、これもあくまで噂である ――。
代表作
※☆・・・アニメ化、★・・・実写化
定期連載作品
●『週刊少年サンデー』(1978年39号 - 1987年8号)
週刊サンデー本誌での初連載作品。女たらしの少年・諸星あたると、押しかけ女房で異星人・ラムを中心に多彩なキャラクターの登場するSFコメディ。当初は読切および短期シリーズ掲載作として始まり1980年に定期連載化された。1981年-1986年にTVアニメ化、OVAシリーズや劇場版アニメも6本製作された。
☆★めぞん一刻
●『ビッグコミックスピリッツ』(1980年11月創刊号 - 1987年19号)
オンボロアパート「一刻館」に下宿する浪人生・五代裕作と、彼が憧れを抱く「管理人さん」音無響子を中心としたラブコメディ。1986年-1988年にTVアニメ化、1986年秋に実写映画化。2007年にTVドラマ化された。
☆★らんま1/2
●『週刊少年サンデー』(1987年36号 - 1996年12号)
水を被ると女になってしまう格闘家の少年・早乙女乱馬と、彼の許婚・天道あかねを中心とした格闘コメディ。1989年-1992年にTVアニメ化、劇場版アニメも3本、その後OVAシリーズも多数製作された。2011年にSPドラマ化された。
☆犬夜叉
●『週刊少年サンデー』(1996年50号 - 2008年29号)
戦国時代にタイムスリップしてしまった中学生の少女・日暮かごめと、半妖の少年・犬夜叉を主人公とした伝奇作品。2000年-2004年にTVアニメ化、2009年秋-2010年春にTVアニメ第2期「完結編」を放送。劇場版アニメも4本製作された。
●『週刊少年サンデー』(2009年21・22合併号 - 2018年3・4合併号)
幼い頃の神隠しにより幽霊が見えるようになった高校生の少女・真宮桜と、人間と死神による混血の少年・六道りんねを主人公とした学園&霊界ラブコメディ。2015年-2017年春~秋よりTVアニメ化されており、第3シリーズまで放送されている。
シリーズおよび不定期連載
●『週刊少年サンデー増刊号』『週刊少年サンデー』(1984年8月増刊号 - 、不定期)
人魚の肉を食べたことにより永遠の生を生きることになった青年・湧太と少女・真魚の運命を描いた伝奇シリーズ。OVA化ののち下記『高橋留美子劇場』と共にTVアニメ化されている(未放送分は15禁)。
☆★1ポンドの福音
●『週刊ヤングサンデー』(1987年9号 - 2007年3・4号、不定期)
減量の苦手なボクサー・畑中耕作と敬虔な修道女・シスターアンジェラとの恋愛を描いたスポーツ・ラブコメディ。『週刊ヤングサンデー』に不定期連載され20年かけて完結、OVAも製作された。2008年にTVドラマ化された。
☆★高橋留美子劇場
●『ビッグコミックオリジナル』(1987年7月20日号 - 、不定期)
年1回のペースで掲載されている、サラリーマンや家族などをテーマにした読み切りシリーズ。2011年時点で4冊が刊行されている。2003年にTVアニメ化、2012年にTVドラマ化された。
●『週刊少年サンデー増刊号』(1979年5月号 - 9月号)
初の連載作品。
短編・読み切り
※以下、発表年代順に記載。
☆ザ・超女
●『週刊少年サンデー増刊号』(1980年10月号)
宇宙を舞台としたSF作品。1986年にOVA化もされた。
●『週刊少年サンデー増刊号』(1982年8月号)
初のシリアスホラー作品。藤田和日郎が漫画家を志すきっかけになった。
☆笑う標的
●『週刊少年サンデー増刊号』(1983年2月号)
女の情念をテーマとしたシリアスホラー作品。1987年にOVA化もされた。
●『週刊少年サンデー増刊号』(1983年8月号)
初のOVA作品。制服姿の現代のヒロインが異世界に迷い込むというプロットは、後作『犬夜叉』や『境界のRINNE』に受け継がれている。
●『週刊少年サンデー増刊号』(1984年1月号)
雪国を舞台としたシリアスホラー作品。転生と前世からの因縁をテーマとしている作風は、後作『犬夜叉』や『境界のRINNE』に受け継がれている。
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