文字通り、アニメやゲームキャラなどの痛い絵柄をラッピングした電車のこと。
痛電車なんかねぇんです!
「痛車」とは、(主に営利目的でない車両に、広告目的ではない)個人の趣味でアニメやゲームのキャラクター等を描いたものを指す言葉であると定義される。鉄道車両の個人所有はきわめて困難であるため、この意味における「痛電車」は現在日本には存在しない。
出版社等のスポンサーが広告費を出して、アニメやゲーム等の広告目的で車体に描かせているものはあくまで「ラッピング広告車両」。たまたま絵柄が痛いからといって、上記の意味における痛電車とは厳密には違うものである。しかしながら見た目の雰囲気は痛車と類似している(むしろそのものである)ため、「痛電車っぽいラッピング車両」と表現することはできるだろう。
ただし、個人所有が困難というのは維持費や置き場所等の事情によるもので、個人所有の車両を一般鉄道路線で走らせること自体は不可能ではない(cf.私有貨車)。現にそれらの条件が鉄道車両よりはまだしも緩いバスの場合は本来の意味での痛バスが実在する。
広がる痛電車(風車両)の世界
元々は、鉄道模型や架空鉄道の世界だけの話だった痛電車であったが、実際に痛電車風のド派手なラッピング車両が登場したのにはたまげたものである。ヲタや鉄な人(主に鉄だけでなくアニメ・漫画・ゲームにも興味のある人)は大喜びだが、一般人や乗務員(ヲタな乗務員を除く)にとっては乗車することが「羞恥プレイ」になる場合がある。
とは言え、有名な作品が多いため、あんまり痛くない…はず…。
なお、ドラえもんやアンパンマン、ポケットモンスターなど広く一般に知れ渡っている(どっちかというと子供が純粋に喜びそうな)アニメ・漫画作品のラッピング車両は「普通のラッピング車両」と同じ類のものと認識されることが多く、「痛電車」とはあまり言われない。(デザインセンスの有無はべつにして。最悪の例の一つとして14系・50系に施された「ドラえもん海底列車」がある)
ただしアニメやゲームでなくてもイラストを車両に描くことはあるわけで。水戸岡さんデザインのやつとか。
イラスト次第ではあるが、(「フジサン特急」:富士急行)などある意味痛電車としかいいようがないんじゃなかろうか。
そして、ここで問題になるのが。
「鉄道むすめの登場人物を当該キャラの勤務先の路線でラッピングした場合」どうなるかである。
鉄道むすめそのものはトミーテックによるキャラクターであるが、各社においては「自社社員でもある」彼女達を広告等で活用する場面が増えてきており、電車全体へのラッピングが敢行される可能性もゼロではない。
「個人の趣味で」ではないにしろ、よそからの広告ではなく自社のPRに使われた場合、これは半ばぐらいは本来の意味での痛電車になるかもしれない。
…と思ってたら。
函館市交通局(現函館市企業局)さんなにしてはるんですかぁぁ!!
※松風かれんラッピング電車を2010年と2013年に実際に運行。ちなみに上記リンク先をみる限り、自社企画である。
さらに富山ライトレールでも鉄道むすめのラッピング電車を2013年の夏に2編成運行。なお、2編成運行する事は富山ライトレール側からの提案だとのこと。
痛電車風ラッピング車両の実例
※順次追記いただきたい。なお、ここでは痛気動車も含まれる。
- 函館市企業局(函館市電)・富山ライトレール・泉北高速鉄道:鉄道むすめ
- 西武鉄道・上信電鉄・北九州モノレール:銀河鉄道999
- 京阪電気鉄道石山坂本線:けいおん! 機動戦士ガンダムAGE ちはやふる 中二病でも恋がしたい! 鉄道むすめ 響け!ユーフォニアム
- 札幌市交通局(札幌市電):雪ミク
- 京阪電気鉄道本線ほか:きかんしゃトーマス
- JR北海道花咲線(根室本線):ルパン三世 津軽海峡線:ドラえもん海底列車
- 鹿島臨海鉄道:ガールズ&パンツァー
- JR仙石線:石ノ森章太郎作品(マンガッタンライナー)
- のと鉄道:花咲くいろは、永井豪作品
- 万葉線:ドラえもん(塗装からコーディネートされており、海底列車とはまとまりが別次元である)
- アルピコ交通:渕東なぎさ(なぎさTRAIN)
- 伊豆箱根鉄道:ラブライブ!サンシャイン!!
- 伊豆急行:夏色キセキ
- しなの鉄道:あの夏で待ってる
- 南海電気鉄道:機動戦士ガンダムUC
- JR氷見線:忍者ハットリ君
- JR津山線:NARUTO
- JR境線:ゲゲゲの鬼太郎
- JR山陰本線:名探偵コナン(キハ126系)
- 熊本電気鉄道:ケロロ軍曹
- JR豊肥本線・三角線:弱虫ペダル
- 南阿蘇鉄道:ONEPIECE
EVA TYPEの500系新幹線はラッピングではなく塗装である。
同じ編成(W2編成)が改装されてEVA TYPEからキティちゃん新幹線になった。ラッピングだったらめくれた日にゃあ子供が泣くわ。