「日本人」とは、次のような意味がある。
概要
ここでは2.の意味で記述するが、実際のところ日本国籍を持つ人のほとんどが日本民族であるので、1.の意味であると理解してもらっても構わない。
日本人は人種としてはアジア系モンゴロイドにあたり、その祖先は日本列島が大陸と陸続きだった時代に南下してきたものである、というのが古くからの定説だった。
ただし、この見方は地質学的研究が進むにつれ、氷河時代の最も海面が低下した時期でも津軽海峡・対馬海峡は海峡のままだった(※)という見解が登場したことで、現在では疑問視されている。
※ただし間宮海峡・宗谷海峡に関しては陸続きになったと考えられており、この違いが津軽海峡以北・以南で生息する生物が異なっている原因という説もある。
その後弥生時代から古墳時代になって大陸からの文化の伝播、朝廷権力の拡大とともに政治的な意味での「日本」という枠組みの原型が作られ、中国人や朝鮮半島の民族と区別される、「日本人」という意識が徐々に形作られていったとされる。
尚、北海道のアイヌや沖縄の琉球民族との(文化的)区別を行う場合は『大和民族』と呼ばれる事もあるが、日常一般にはあまり使われない。
日本で伝承される日本神話には、東南アジアのマレー系民族や、オセアニアのポリネシア系民族の神話に酷似しており(『国生み』や『ヤマタノオロチ退治』など)、言語や文字の文化にも共通点が多く、このことから、日本人の祖先とされる縄文人は、マレー系やポリネシア系の人々の祖先と同民族なのではないかとも考えられている。
日本人を構成する『本土』『琉球』『アイヌ』の民族は、全て日本人の先祖とされる縄文人の血を受け継いでおり、現在の東アジア大陸部の主要な民族とは異なる遺伝的構成であるという結果が出ている。
縄文人は「古モンゴロイド」(氷河期時代の寒冷地に適応したモンゴロイド)系とされ、その後に支那大陸および北東アジアから渡来した新モンゴロイド系(弥生人)と混血し、その双方の特徴が混在する日本人の形質が形成されたと考えられている。
伝承
日本は、神話が現在も続くとされる王朝(皇室)に直結している稀有な国であり、それ故に神話は日本・日本人にとって特別なもので、神話に書かれた内容と歴史がリンクする部分には様々な解釈はあるが、重要なのは書かれた伝承が今の皇室まで一本線で繋がっている点である。
例えば古事記にある『国生み』は、イザナギとイザナミの神が、「国をつくった」というのではなく「島国をつくった」とあり、つくった島の名前も詳細に書かれ、そこに佐渡島が出てくる。
このことから、日本の王朝を立てた民族は、少なくとも船で日本を回った経験があることが推測でき、すなわち騎馬民族説は成り立たないため、日本の皇室を中心とする支配民族、後に大和朝廷を作り日本の国の根幹となった人々は、南方系(東南アジア・南アジア系)、少なくとも長江以南出身と考えられる。
そう考えられる要因は、他にも住宅が夏に涼しさを求める高床式の建築様式であり、基本的に北方には育たない南方植物である米を主食とすること、宮中行事に騎馬民族的な風習が見られないことなどがある。
また、勾玉は百済(くだら:古代朝鮮半島南西部にあった国)と日本にしか発見されていないため、南からやってきた民族が北に逸れていったのが百済に、主力は九州に上陸して大和地方にまで渡ったのではないかとされる。
事実、日本神話の全ての記録は九州からはじまっており、初代天皇であるとされる神武天皇も、日向から大和に向かうときは船でずっと海岸伝いに進んで行ったことが書かれている。
また、神道の重要な儀式の一つである禊(みそぎ)は、綺麗な水で心身を洗い清める儀式であり、これは南方系の儀式と考えて間違いないものである。
なお、中国の史書である『魏略』には、倭人(≒日本人)について「太白(周王家の人物で、のちに呉となる国を江南に建てた)の子孫を自称している」との記述が存在する。
同様の記述は他の歴史書にも散見され、(彼ら特有の歴史観が含まれるため幾分割引いて考える必要があるものの)示唆に富むと言えるだろう。
気質
日本人の気質について、キリスト教の宣教師によると、日本人は親しみやすく知識欲が旺盛で、名誉心が強く理性的であると述べており、この評価は武士と最初に知り合った関係もあるとされる。
協調性に富み、勤勉であることでも知られる。どれくらい勤勉かというと、過労死という言葉が英語にない概念だったのでそのまま英語になったほど集団のため、集団から爪弾きにされないため働く。
また、穏やかで犯罪が少ない国を作り上げていることでも有名。財布や携帯を落としても帰ってくる事が多いことはよく海外でも称賛され、日本最大の美徳と言ってよいだろう。
外国人からの評価
「この国人々は、今まで発見された国民の中で最高であり、日本人より優れた人々は異教徒の中で見つからない。彼らは親しみやすく、善良で、悪意がありません。驚くほど名誉心が強く、ほかの何よりも名誉を重んじます。大部分の人が貧しいのですが貧しいことを不名誉と思いません。」 (フランシスコ・ザビエル)
「機械製品およびい一般実用製品において、日本人はたいした手技を示す。彼らが粗末な道具しか使ってなく、機械を使うことに疎いことを考慮すると、彼らの手作業の技能の熟練度は驚くほどである。・・・・・・国民の発明力が自由に発揮されるようになったら、最も進んだ工業国に日本が追いつく日はそう遠くないだろう」 (ペリー提督)
「地球上に日本人のような謙譲にして品徳ある国民が存在することを心に刻まなければならない。世界各国を旅行した私はいまだかつてこのような快い国民にであったことがない」 (アルバート・アインシュタイン)
「日本人はそのすべてが実直、信頼できるといっても言い過ぎではない」 (蒋介石)
「日本民族は偉大な民族です。アメリカ帝国主義が長期にわたって頭上に君臨するのを日本民族は絶対に許すはずはありません」 (毛沢東)
「外国人が日本人に抱く共通の印象に、模倣力はあるが独創力は皆無に等しいという見方があるが、これは極めて皮相な見方だ」 (ヘンリー・ダイアー)
「科学、美術、宗教、文化などの発展の上からみて、アングロ・サクソン民族が45歳の壮年に達しているとすれば、ドイツ人もそれとほぼ同年齢である。しかし、日本人はまだ生徒の時代で、まだ12歳の少年である」 (ダグラス・マッカーサー)