カタログスペック
頭頂高 | 15.1m |
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本体重量 | 7.9t |
全備重量 | 20.7t |
ジェネレーター出力 | 4,710kW |
装甲材質 | ガンダリウム合金セラミック複合材 |
スラスター総推力 | 95,200kg |
概要
アナハイム・エレクトロニクス(以下、AE社)がシルエットガンダムをベースに「シルエットフォーミュラプロジェクト(SFP)」の到達点としてサナリィのフォーミュラ計画機体を超える機体を開発する「シークレットフォーミュラプロジェクト」において開発された(一部資料やゲームなどでは「シルエットフォーミュラプロジェクト」産機体とされているがこれは当時の設定資料などの精査が足りない誤った内容である。)。第二期モビルスーツであり、歴史上最後のアナハイム・ガンダムとなる(後述)。
シルエットガンダムは、サナリィのF91に対して、ハード面においては互角の性能を再現できたと判断されたが、AEがサナリィを抑え、次期主力MS開発メーカーの座に返り咲くためには、インターフェースを含めたあらゆる点でF91を凌駕する必要があった。
このためAE社は、宇宙世紀0130年代をリードするためのMSを目指して、ネオガンダムはSFP及びブッホ・コンツェルンとの裏取引で得られたノウハウに加え、既存のアナハイム・ガンダムのコンセプトやデータをフィードバック投入した機体として完成させたのだった。
型式番号はRX-99として登録されているが、社内開発コードはAFX(ANAHEIM Formula eXamination)-9000である。この「AFX」からシルエットフォーミュラ展開初期に於いては「エフェックスガンダム」という仮称が存在していた。「模型情報」誌の小説版など記述によるとこの機体は基本的に「宇宙戦仕様」であり宇宙での運用を粗方終えた後地上での運用試験と地上での運用に対応した改修が施される予定だったとの事。
ネオガンダムの機体スペック(ハード面)は、シルエットでは流用だった機体フレームは完全新規となり、機動力・反応速度共に勝るなど、全ての面でF91(宇宙世紀0116年ロールアウト時)を上回るスペックとなった(F91/RX-99:ジェネレーター出力4,250kW/4,710kW:パワー・ウェイト・レシオ4.4倍/4.6倍)。
武装面においても、本体接続のため射角等に問題を抱えていた「V.S.B.R(ヴェスバー)」(可変速ビームライフル)は、「G-B.R.D(ジーバード)」という手持ち式火器として再構成されている。
バイタルエリアは、データ回収及びパイロット生還率の向上を目的にホリゾンタル・インザ・ボディ形式のコア・ブロック・システムが搭載されており、合体後のバックパックを兼ねるコア・ファイターの構成もガンダム試作1号機などのガンダム開発計画で開発された物に似る。ただし、ネオガンダムでは「コアファイター側がメインジェネレーターの役割を担う」形式に変更されておりMS本体側に設置されているのはサブ・ジェネレーターである。このサブジェネレーターはメインであるコアファイター側の供給が故障により途絶えてもMS側のみで本来の50%の出力を供給する事が可能とされている。この「コアファイターをMSの中核部とする」設計思想はUC150年代に設計開発されたVガンダムにも活用された可能性がある。
試作機として二機が確認されており、1号機は黒、2号機は白を基調とした塗装が施されロールアウトした(メイン画像は2号機)。
特に1号機はブッホ・コンツェルンとの裏取引によって入手したネオ・サイコミュ・システム(ただし、ブラックボックス技術)が搭載されており、脳波による完全思考制御によって、考えるだけで機体を操作する事が可能となっている。
一方で2号機にはネオ・サイコミュは搭載されておらず、コックピットシステムは既存の物を採用。そのためコックピット後部にスペースが生じており、そこにサブパイロットのシートを増設している。なおコクピットハッチは胸部上の装甲が開く形式で通常MSではコクピット内装甲ハッチ(全天周モニターハッチ部)が担当する部分をコアファイターのキャノピーが担う仕様となっている。
パイロットはバズ・ガレムソン大佐(1号機)及びトキオ・ランドール少尉(2号機)。
ガレムソン大佐のパイロットスーツは、ネオ・サイコミュに対応するため、ラフレシアのそれと同様の、あるいはバンシィ・ノルンを踏襲したデータ送受信ケーブルによって機体と接続される仕様となっている。
ネオガンダムは次期主力機のベース機として地球連邦軍へ納入される予定であったが、紆余曲折を経て1号機と2号機は敵対。最終的に2号機のコア・ファイターを残して機体は失われ、その後の経緯は不明とされている(一説では開発・運用データが消息不明になったことも関連しているとのこと)。
そしてまた、次期主力量産機の開発計画自体も、連邦という組織の弱体化を理由に、前年(宇宙世紀0122年)に制式採用されたAE社のジャベリンを最後に有耶無耶となり、30年以上が経過することとなった。ガンダムの開発自体もAE社の経営方針の転換によって停止され、ネオガンダムは事実上のAE社最後のガンダムとなった。
AE社が納入を目指していた連邦軍の次期主力機は、SFP開発の機体群が機密機である事も有って最終的にサナリィが開発したF91が「高級量産機」として少数生産される形で採用されAE社はF91のOEM生産を担当し、ネオガンダムの開発技術はそれに生かされることとなる。
余談だが、ネオガンダムの発展型として『ニューセンチュリーシリーズ』と称した新型のガンダム(形式番号RX-100)の開発が予定されていたが、SFPの頓挫によって計画そのものが立ち消えとなっている。
なお、サナリィも本機と同時期に、コア・ブロック・システムを搭載したクラスターガンダムを開発しており、MSの開発市場は一時的に一種の収斂進化の様相を呈していた。
武装
頭部バルカン
頭部に搭載されたバルカン砲。
ビーム兵器主体の本機の中で唯一の実体弾兵装。
ビームサーベル
ファーストガンダムを踏襲するかの様に、バックパックに装備されたビームサーベル。
マウント時には、ガンダム試作1号機やZZガンダム等と同じくビームガンとして使用可能となっており、小型ながらもメインジェネレーター機能を有する本機のコアファイターの仕様の関係も有って高出力のビームを発射することが出来る。
ビームシールド
左腕にマウントされているビームシールド。
シルエットガンダムのそれよりデバイスが小型化され、腕部と一体化した仕様となっている。取り回しがよく、シルエットの物と異なりシールドビームは発生器全周に展開する当時の一般仕様同様となった。おそらくこちらもブッホ系の技術での改良を施した物である。これを基にしてジェムズガンやジャベリンのビームシールドが開発されたと言われている。
G-B.R.D(G-バード)
Generative Beam Rifle Deviceの略称(いわば独立稼働式ビームライフル)。
ロングバレルを有し、全高・全幅ともに通常のライフルの2~3倍という超大型ビームライフル兼機動補助ユニット。単純な全長だけで言えば、Sガンダムのスマートガンより短縮されてはいるが、体積(質量)や本体との比率では大きく増加している。
ゲーム作品では
SDガンダムGジェネレーションシリーズにて登場。装備はスタンダードであるが、ビーム系射撃武器特有のMAP間攻撃が可能。燃費が悪いのが欠点であるが、オプションパーツを装備することで解決可能。
立体物
1992年9月に1/100スケールで発売。成型色は2号機仕様で、1号機のカラーリングは塗装変更で再現が可能(ただしカラーレピシは掲載されていない)。 キットには、デザインを担当した大河原邦男氏のインタビューや販売されているフォーミュラーシリーズの模型の改造作品が掲載されたモビルスーツハンドブックが同梱している。
食玩「GUNDAM CONVERGE」にてラインナップ。
関連項目
サイコミュ Sガンダム ユニコーンガンダム バンシィ・ノルン