もしかして
真面目な解説
ホビーアニメではえてして「作中世界におけるあらゆることが○○(そのホビーアニメにおける販促対象)で決まる」「○○を中心に世界が回っている」というぶっ飛んだ設定になりがちである。具体的にはアレとかコレとかあんなのとかそんなのとか。
それが極まったのが「カードゲームではよくあること」であると言える。
特にアニメ遊戯王シリーズによく見られる傾向で、「カードゲームによる争い=デュエルで全てが決まる」のはもはや当然の前提であり、それを踏まえた上で(現実世界基準で見ると)思わず目を疑う奇行に出るものが続出。
具体的には「警察がカードデッキを常備しており、犯罪者をデュエルで拘束するのが当たり前」「一枚のカードを開発するのに一億円もかける」「カードゲームなのに相手を執拗に精神攻撃したり、物理的トラップなどの盤外戦術まで持ち出して勝利を狙う」など。
もちろん、遊戯王シリーズ以外でもこうした傾向はあるが、知名度とインパクトが大きいアニメ遊戯王のネタが良い意味でも悪い意味でも話題になりやすい。
後にカードゲームによる争いで全てが決まらない世界でのカードゲームを描くアニメもそこそこ登場したが、販促ノルマには抗えず、結局いろいろとぶっ飛んだ描写を描かざるを得なくなった。
カードゲームアニメですらない作品でネタとして触れられる事も稀にある。
こうしたネタは21世紀初頭頃~2019年頃のカードゲームブームと共に育ち、共に栄えてきたところがあるが、近年はカードゲームブームが下火になっていることに伴い、「よくあること」ネタもあまり振るわず、ネタの供給は停滞している。
ネタに走っている作品ももちろんあるのだが、そういった作品も時代の変化に合わせて作風を変えてきており、「カードゲームによる争い=デュエルで全てが決まる」とまではいかない描写が多くなっている。
「カードゲームで」?
ホビーアニメの一種でありながら販促を無視したかのような展開が起こることもある。
カードゲームの設定を踏襲しつつも実際に戦うときはリアルファイトな場合(牙-KIBA- Z/X-Zillions_of_enemy_X- ラクエンロジック(派生であるひなろじを含む) アンジュ・ヴィエルジュ アクエリアンエイジ)もあるし、カードゲームそのものを悲壮で凄惨なものとして描く場合もある(WIXOSS)。
そういう「カードゲームって何だっけ」状態の展開は厳密に言うと「カードゲームではよくあること」とは言えないのだが、やはりインパクトが先行してしまい、他のネタとひっくるめて「カードゲームではよくあること」とされがちである。
実は世界初のTCGである『マジック・ザ・ギャザリング』からして、遊戯王系な『デュエルファイター刃』や『デュエルマスターズ』(初期はMTGネタだった)を出す一方でカードゲームをする気が無い漫画『マジック URZA&MISHRA』も出してたりする。
一応、「カードゲームを題材とした漫画」ではなく「カードゲームの元ネタとなる世界を描いた漫画」である(解りやすい例を挙げれば、前者は『ポケモンカードプレイ漫画』なのに対し、後者は『ポケモン』そのものの漫画化と言う事)という位置付けにより問題になってはいないが。
また、カードゲームと全く関係ないところで、思わず首をひねるような「シリーズの様式美」が出てくることもある。
(遊戯王主人公の凄い髪型、デュエマにおける謎のカレーパン推しなど)
これもやはり「カードゲームではよくあること」と一括りにされやすい。
カードゲームではよくある事(初級編)
とりあえずこんなことがカードゲーム絡みでよく起こる。
- 現実の大会でやったらジャッジを呼ばれかねないレベルの精神攻撃が当たり前に行われる
- リアルファイトやカードによっておこるイカサマを超えた犯罪行為。(窃盗、殺人、誘拐、器物損壊等)
- 犯罪者を発見→カードゲームで拘束or説得して逮捕しよう
- 大げさすぎるデュエルディスクなどのカードゲーム設備(バイクにセットされてたり、装着者の命を削る装置や異次元の扉を開く装置と繋がってたりする)。
- カードゲームなのに命を懸けたり、怪我人出たり、本当に死んだりする。
- 時には大勢の人間をカードに封印しようとする組織まで出てくる事も。もちろん封印の方法は(基本的には)相手をカードバトルで倒す事、封印された仲間を救出する方法は封印者をカードバトルで倒すこと。
- 登場人物が、電流流されようが崖から落ちようが爆発に巻き込まれようが高い所から落下しようが体当たりされてビルに激突しようが普通なら死ぬ筈なのに死なない頑丈さ。バトル漫画・アニメなら当たり前だがカードゲームアニメであり、カードゲーマーの話である。
- オゾン層に行っても問題ない上に息ができ、普通に喋れる。
- とても人間が目視で見えない距離にあるものが見える視力。
- カードゲームの学校、育成施設があり、内容は十人十色だが、国立大学から新興宗教まがいな物まである。(なお、設定上は学生なのにどう見ても学校に通ってないじゃん!というパターンも。)
- 作品によって闇堕ち又は悪堕ちするカードゲーマーがおり、挙句の果てには洗脳等もあり、作品によっては日常茶飯事、シリーズ伝統になっている。
- 世界の命運を揺るがす黒幕の計画→「そんなことはさせない! 俺とバトルだ!」
- 主人公がカードゲームに勝つだけで黒幕の野望が砕かれ世界が救われる
- 切り札カードをピン指し(デッキに1枚しか入れていない状態)でも重要な所でドローする運命力や運の強さ。
- 同郷のライバルが他の地区の代表で出場。
- カードゲーム以外のホビーアニメでも見受けられるが、明らかに奇抜だったり、怪しい格好をしている人物が普通にいる。
- わざわざカードゲームする為に異世界などの専用のバトルフィールドに行く。
カードゲームではよくあること(中・上級編)
こんなトンデモ設定をぶっこんでくる作品もある。
- カードゲームのモンスターの住む世界が存在していたり、現実の世界にモンスターが実際にいる。
- 超能力の様な力やアイテムを使って相手の手札や考えていることを読み取ったりするカードゲーマーもいる。
- 超能力でカードを創造する。
- 人間ですらない生物や無生物(ロボットなど)がカードゲームをしており、カードのモンスターがやっている場合自分自身を召喚している事もあり、場合によっては逆に人間がカードゲームのモンスターになったりする。
- カードゲームのモンスターが人間に変身する。
- 一枚のカードで天変地異が発生したり世界の平和が大変な事になっており、一枚のカードから世界が生まれたりしている。
- 主人公が法に触れる行為をしているが、主人公がカードバトルで勝ったので追っ手が見逃してくれる(無論、理不尽な法をバックに好き放題しているゲスな権力者がいる世界観での話であり、主人公がクズなわけではないのであしからず)。
- カードがそこらの鉄などより丈夫で下手すると切れる。にも関わらずそんなカードを普通に手で破れる者もいる。
- 痛々しい召喚口上。でも作品世界の価値観では普通。
- 新しいカードがバトルの最中に誕生する。(バトル中に別のカードを新たに仕込むのは言うまでもなく販促である。)
シリーズの様式美
アニメ遊戯王シリーズ
- 主人公たちの髪型が壮絶。現実では珍しいどころか物理的に不可能。
- やたら手や指の描写に気合いが入っている。
- 自分とは別の魂が体に宿ってたり、別の人格に乗っ取られる。
- 話がかみ合わない。
- ネタでしかない次回予告。
- アニオリカード多数。
WIXOSS(アニメシリーズの続編も含む)
- 少女(少女に選ばれた者)以外には見えないカードバトル(物理)。3度負けると願いが反転する、複数回(個人差があり本人にもわからない)勝つとデッキのメインモンスターに肉体を乗っ取られ、本人はカードに封印されるつまりカードのモンスターになる。更にはこの戦いは形を変えていき悪化している。→夢限少女
- フレーバーテキストがパロディのオンパレード。
- おい、販促しろよ。
カードファイト!!ヴァンガードシリーズ
- カードゲームしながらイメージして戦い合っている。
- カードゲームで町おこし(主に2作目のヴァンガードG)。
フューチャーカードバディファイトシリーズ
- 元から実体化しており生活や歴史に溶け込む相棒カード。
バトルスピリッツ
- Xレアを入手する為にはパックではなく、特殊な手段で入手。(覇王のみ例外)
- ライフで受けるとプレイヤーにもダメージが行く。(少年激覇ダンからの設定)
- 次のシリーズのカードが先行登場。
- 何をやるにもバトスピで決着…と思ったら暗殺、洗脳、武力解決も普通にやる。(覇王は例外)
- なぜか古代や戦国時代にバトスピのカードが存在する。
- カードに変化する武器やモンスターがいる(ソードアイズと最強銀河究極ゼロ)
- メイン勢力にカウントされているスピリットなのに、CGモデルが作られていないスピリットはアニメに登場できない。登場してもカードだけ。(一部の12宮Xレアや太陽、月、地球以外の八星龍など。十二神皇は全員登場している。)
- バトスピ専門の店がある。
- 世界の命運を掛けた戦いが殆どなので普通に公式大会やってる方が異常。(烈火魂も後者寄りだが、カラーギャングの縄張り争いとしての要素があった。)
- 少年達の性壁を歪ませかねないキャラクターやこれホントに全年齢向けか!?と思わせるモンスターがほぼ必ず登場する。
- 低コストスピリットは高コスト召喚の生贄。
その他
- 現実では新しいカードなのに昔からあったり、最近追加されたルールなのに昔からある事になっている。
- 先行登場のカードが公式大会で使えてしまっているパターンもある。(激神皇カタストロフドラゴンがそれ)販促の為といえばそこまでだが、公式大会で使用できるのは大会時点で販売されている最新弾のカードまでである。
- アニメのカード効果と現実のカード効果が違う、出損ねたカードがある。
- アニメ版ですらあり得ないルールミスを漫画版がやらかすことがある。
- カードとは関係ない他の作品のキャラクターが本編のどこかに出ている。それどころかクロスオーバー映画が作られたり、その際に他作品のキャラクターがカードになった例も。
- 主人公がデッキ構築ルールに違反したデッキを使用する。
- 開封描写の自粛(漫画なら大丈夫らしい)。
- デッキを構築する際にカードと妄想内で対話する(現実に近い世界観でこれをやっている)。
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余談
テレビ東京:テレビ朝日で放送されたバトスピシリーズだがバトルスピリッツ烈火魂がこの局系で放送され、カードゲーム原作のアニメ作品が一挙に集まる状況となっていた。
烈火魂終了後、次作品バトルスピリッツダブルドライブが、同じくこの局系で放送されているので、再びカードゲーム原作のアニメ作品が一挙に集まる状況となった。
(ただし、アンジュ・ヴィエルジュのメイン放送局はテレビ東京ではなかったりする)
TOKYOMX:2018年にはカードファイト!!ヴァンガードの新シリーズが放送される事となり、更にはWIXOSSも放送している関係でテレビ東京と二分してTCGアニメを放送すると言う展開となってしまった。
(遊戯王、デュエマに関しては再放送実績がないが、バトスピは過去に放送した事がある。バディファイトも2018年に再放送を開始した)