な ん だ と 思 う ?
概要
個体進化を行うマジンガーZの最終進化形態にして、漫画『真マジンガーZERO』のキーパーソンと呼べる存在。
第二部『真マジンガーZERO VS 暗黒大将軍』にて、暗黒大将軍が率いる戦闘獣軍団にズタボロにされたマジンガーZが、救援に来たグレートマジンガーを「自らの存在を脅かす脅威である」と独自に判断し、7つの魔神パワーを全て開放(魔神化)し、パイロットの兜甲児をも取り込んで変異した姿。自我に目覚めており、自らが世界最強の存在である事を証明するため、世界を破壊し始める。
マジンガーZをベースにしつつも、各部が鋭角化、アイアンカッターを常時展開、口部は牙のようになり開閉可、「0」の字を模したスクランダーと、EX合金版マジンガーZにも似た凶悪な外見をしている(というか、魔神化初期段階の放熱板は完全にEX合金のソレである)。
マジンカイザーをマジンガーにおける真ゲッターロボとするならば、このマジンガーZEROはゲッターエンペラーとも呼べる存在。とはいえ「人類を守る」という点を見ればその役割は真逆で、並行世界で幾度となく覚醒し、そのたびに世界を滅ぼしてきた「終焉の魔神」である。
甲児は、上記の行動原理について、それまでの世界で取り込んだ無数の兜甲児達の、「マジンガーZは無敵のスーパーロボットである」という意識が影響を及ぼしているのかもしれないと考えている。
他の永井豪作品から同格を存在をあげるなら、「漫画版ゴッドマジンガーの中の人(造物主)」などだろうか。『マジンサーガ』のマジンガーZも間接的にだが悪魔の如き形相(口が牙のように変化し開口している)で世界を滅ぼしかけており、7大魔神パワーならぬ7つのチャクラや敵の攻撃を吸収するなどオマージュと思われる点も多い(こちらのマジンガーZもその能力から作中で「まるで神だ」と言われた)。
武装
いずれもほぼマジンガーZと同一だが、威力はケタ違いに強化されており、基本的には何を撃っても地球が壊れる。
雨の如く降り注ぐが、その一発一発が地球を貫通する威力。
アイアンカッター
超合金ニューZを容易く切断する。その気になればできるのだろうが威力的に必要がないからか通常のロケットパンチは使用されなかった。おそらく本編中にも登場した強力ロケットパンチの威力も組み込まれていると思われる。発射の際に巨大化し弓状に変形。拳の前面にも刃が生成される。
富士山と周辺市街地を跡形もなく消し飛ばした。同時に、世界崩壊を招く天変地異さえ発生させる。
かすっただけでも東京湾を蒸発させ、地殻を溶かしマントルを露出させる。
直撃すれば超合金ニューZαすら一瞬で溶解させ、地球に大穴を開ける。
ダイナミックファイヤー
ジェットスクランダー翼部を超巨大化し放熱板へと変化させて放つ熱線。
劇中では魔神化初期段階で放ったがそれでも一発で地球を火の玉へと変貌させる程。
ジェットスクランダーが変異したもの。その過程で「Z」を模した形状にもなる。
サザンクロスナイフ
スクランダーから生えてくるかのように出現し、グレートブースターとドッキングしたグレートマジンガーを容易に捉えるほどの追尾性を持つ。
魔神パワー
第1の魔神パワー:自己再生
修復スピードは受けたダメージを瞬時に回復させるほどに高まっている。
ダメージを受ける事自体がほとんどないので、Zの状態で受けた傷の修復が主な用途。
第2の魔神パワー:吸収
あらゆるエネルギーや武器の取り込む。敵の攻撃のみならず敵そのものを食らい取り込むことも可能。
第3の魔神パワー:強化
魔神パワー自体を飛躍的かつ恒久的に向上させる。
第4の魔神パワー:高次予測
Zの時とは比較にならない予測精度を誇り、並行世界の観測すら可能とする。その特性により、後述する因果律兵器を大幅に強化する。しかし、ある事情により観測する範囲に自ら縛りを加えてしまっており、そのことが最終決戦での逆転劇に繋がった。
第5の魔神パワー:変態
物理法則を無視した形状変化。質量保存の法則を完全に無視した巨大化などもできる。
最終決戦ではマジンガーZを一飲みにしてしまえる程の巨体となった。
第6の魔神パワー:因果律兵器
可能性が1%でも存在する事象を現実として無条件に具現化する(因果を結ぶ)ことができる機能。高次予測と組み合わせることで、並行世界の事象を観測して使用することも可能となる。現在いる世界では可能性が完全に0%の事象でも、並行世界での達成が確認できれば即座に具現化できるようになった。これにより、ZEROに対する切り札であったグレートマジンカイザーに対しても、「超合金ニューZαを破壊できた並行世界」を観測し具現化することで一蹴してしまった。並行世界の事象と因果を結ぶ場合は、高次予測に多少の時間を要することが弱点。しかし劇中では圧倒的な基本スペックにより、あまり問題にはならなかった。
第7の魔神パワー:魔神化
ZEROとしての自我を発現し、コクピットに搭乗しているパイロットをも吸収してしまう。吸収されたパイロットは、攻撃性の暴走などZEROの意のままの存在となってしまう。
マジンガーZERO 地獄(ヘル)モード
差異次元のひとつ(『真マジンガーZERO VS 暗黒大将軍』単行本5巻~7巻)にて、戦闘獣・地獄大元帥を撃破された闇の帝王=Dr.ヘルが第6の魔神パワーまでを発動したマジンガーZにパイルダーオンし、第7の魔神パワーを発動させて変貌した形態。Zの中のZEROの意思がDr.ヘルに共鳴したからこそ生まれた姿で、Dr.ヘルはZEROに取り込まれずに操縦できる。
この形態に移行する際、第5の魔神パワー「変態」により大幅にビジュアルが変わっており、特に胸部放熱板は「地獄」とも「HELL」とも見れる形状に変化している。
ZEROの武装に加え、Dr.ヘルの機械道空手も使用可能。作中ではヘルカッター(手刀)で地球を月ごと叩き切っている。しかしグレートマジンガーの予想だにしない戦法にはやや翻弄されており(それでも一手一手潰して圧倒していたが)、その隙をついて甲児とミネルバの手で再びタイムリープが起こされる結果となった。
- この一つ前の差異次元で、暗黒大将軍は何者かを復活させるためにZを鹵獲しようとしていた。おそらくそれは闇の帝王なのだが、Zを鹵獲した上でこの形態のように帝王のボディにしようとしていた(本作の闇の帝王は、ある経緯の為に実体を持たない)と考えれば説明がつく。実際この差異次元でも、帝王がZを狙う理由、そしてZが奪われた末に終焉が起こっていることが甲児の口より語られており、これを補強する形になっている。
誕生と覚醒
開発者の兜十蔵は、『真マジンガーZERO』の世界群では、世界征服を狙う悪の天才科学者であった。兜十蔵は、情報のみを過去に送信するシステム(ミネルバX)を開発し、研究成果を過去の自分に送信するというタイムリープを繰り返し、短い余命でマジンガーZ(この時点では遠隔操縦方式)を完成させ、世界をあっさりと征服してしまう。しかし、その結果にすら満足出来なかった彼は、ある細工を施した上でさらなるタイムリープを行う(なおこの際、降伏した全世界の首脳をブレストファイヤーで消し炭にした)。その細工とは「研究結果を過去の各国にばら撒くことで自分の想像を超えた出来事を起こし、さらなるインスピレーションを得る」というものであった。そうして過去の世界にまかれた未来の兜十蔵の研究成果を理解できた唯一の科学者が、Dr.ヘルであった。
その結果、Dr.ヘルは機械獣軍団を結成。マジンガーと機械獣による、世界の命運をかけたデスマッチが繰り返されることとなる。
しかし、兜十蔵に予想外の転機が訪れる。激化する戦いの最中、遠隔操縦方式というマジンガーZの弱点を突かれて兜十蔵は重傷を負ってしまったのだが、孫の兜甲児が人工知能をパージしたZに、直接乗り込んで迎撃したのだ。
彼は人の頭脳と心を得た魔神となったマジンガーと甲児の活躍を病床で見守る内に、孫への愛情に目覚めて改心。戦いに終止符を打つべく、無理を押して、ある研究を進めていく。しかし完成は間に合わず、戦う度に強化されていく機械獣に、ついにマジンガーZは敗れてしまう。
十蔵は、今度こそ世界を救い、甲児を守ることを願い、ついに完成させた設計図をミネルバXに託して命を落とした。彼がその死の間際に完成させた「自分より優れた知を持ち、自己進化し永遠の命を持つ新たな生命」の設計図こそが、マジンガーZEROとなるはずのモノであった。
しかし、もちろんタイムリープ先の世界で待っていたのは改心する前のマッドサイエンティストとしての兜十蔵であり、ミネルバXが隠していた設計図を独自に解析。さらに悪魔的発想を組み込んで愛を知らない終焉の魔神へと作り変えてしまった。また直後にDr.ヘルがミネルバXを奪った結果、彼女が幾度のタイムリープを重ねても、世界は「マジンガーZが終焉の魔神に覚醒したために滅ぶ」か「マジンガーZが終焉の魔神に覚醒しなかったためにDr.ヘルに滅ぼされる」のいずれかに収束されるようになってしまった。
その後、本編にて兜甲児は善性にめざめた祖父の志を継ぎ、数万回を超えるタイムリープを繰り返すことで、ついに暴走した兜十蔵に征服されることも、Dr.ヘルに滅ぼされることも、Zを終焉の魔神にすることもない世界を勝ち取った。
しかし、甲児の勝因でもあった「差異次元の自分自身に干渉する能力」が、マジンガーZに影響を及ぼしていた。魔神パワーが覚醒していない世界線のマジンガーZにもじわじわと影響を与え、覚醒を誘発するようになっていたのだ。数万数億ある並行世界の中で、ひとつでも終焉の魔神が誕生し勝利していれば、「魔神化を抑え甲児が勝利した世界」も、いつか未来でマジンガーZが終焉の魔神に覚醒し世界を滅ぼしてしまうということが発覚した(実際にはひとつどころか、劇中で甲児が勝ちとった唯一の世界以外すべての並行世界で終焉の魔神が勝利していた)。
こうしてあらゆる並行世界に誕生することになった「最強」のスーパーロボットは、時間・空間の概念を凝縮してその身に取り込み、全能の存在へと進化。自らが誕生するように物語の全てを操っていた事が発覚した(「ZEROを生んだ因果」と「ZEROがその因果を導いた」が等しくなり、「卵が先か鶏が先か」の状況となった)。
宇宙や全ての並行世界そのものが真マジンガーZEROという作品そのものと化し、「確定」する。
『真マジンガーZERO』の最後の敵は、Dr.ヘルでも暗黒大将軍でも闇の帝王でもない。
今更言うまでもないが敢えて言おう
これは究極の魔神と人類の闘いの物語である。
結末
※最終話までのネタバレを含みます!
しかしあまりにも強大なZEROに、僅かな弱点が判明する。それは、魔神パワーの高次予測を用いても「マジンガーZが存在しない、全く別の世界」を観測する事はできないという、本来ならば弱点と認識される事すらないささいなことだった。「マジンガーZのみが唯一最強のスーパーロボットとして勝利し続ける世界」における全知全能の神として自らを完成させたZEROは、そこで可能性を閉ざしたがために、それ以外の可能性を認識する事も想像する事も出来なくなっていたのだ。このため、そうした世界の存在に対しては、因果律兵器の発動条件を満たせず、グレートマジンカイザーにしたように「あらゆる並行世界まで含めても完全初見であるためすぐには勝利する未来を現出できなかったが、そこから因果を紡ぐ事で条件を満たす」という事すら出来ない。全ての世界はマジンガーZが最強のスーパーロボットとして君臨、ないし最高の創作作品として席巻している。故にZEROに認識出来ない物は、そもそも存在せず、この弱点は事実上存在していないのである。行き過ぎた秩序の究極の化身といえよう。仮にそういうモノが存在すると仮定したとしても、それらはZEROとの関わりが絶無であるが故に、干渉してくる事など、ましてや遭遇する可能性など無いので、やはり脅威とはなりえないのである。
本来ならば
だが最終決戦において、ZEROの前に立ちはだかったのは、そうした「ZEROの認識できない」者達だった。ZEROの内的世界に閉じ込められた甲児が脱出のために取った行動と、マジンガーZに積まれた最後の光子力エンジンが相互作用し、奇跡的な現象が発生。マジンガーZを超えるために想像されたマジンガーZの知り得ない世界から、無限無窮のスーパーロボット軍団がZEROの中にある朽ち果てた無数のマジンガーZの光子力を媒体に、可能性の光となって出現したのである。
想像を止めたZEROには認識できない、ZEROを超えるために生まれた軍団は、あまねく必殺の嵐によって、ZEROを打ち破る。自身の敗北という現実に抗おうとしたものの、「この光は全てZEROの中から生まれたものだ。だからお前は負けたんじゃない。勝ったんだ。」という甲児の言葉を聞き届けたZEROは、自らを打ち破る幾多の輝きこそが自身そのものだと知り、その力の大きさ、無限の多様性に穏やかな喜びを抱きながら、再び想像の可能性を開いた。そして、幾多のロボット達が生まれ、時に集う世界へとZEROは旅立って行くのであった。
この時登場したロボット達は、曖昧な光の塊として描かれてはいるものの、全て実在する作品のロボット達の姿で描かれている(約一名、海外から駆けつけた権利的にヤバそうな特別ゲストの姿もあったが、単行本にも無事収録された)。これはマジンガーZの後に制作された、全てのロボットとロボット作品が、『原初の魔神』マジンガーZに何かしら影響を受けて生まれた事を示すメタネタである。それは逆に、もし仮にマジンガーZが『終焉の魔神』となり、その時点で歴史を止めていたならば、彼らは一機たりとも生まれてくる事はなかったという事でもあり、このテーマはしっかりと物語の中で語られている。
「全てのロボット作品はこの作品から生まれた子供である」という論理は、それこそマジンガーZか鉄人28号、あるいは(巨大ロボに限らなければ)鉄腕アトムでもなければ許されない。逆にそれが、この一見突拍子もなく見える展開を、マジンガーZに相応しい結末たらしめているのである。
ちなみにこのロボット達の最先発として、元々マジンガーシリーズに登場しているはずの、一体の魔神が飛び出してくる。しかし、この魔神は劇中で言及されている通り、クロスオーバー作品やコミカライズ作品を除けば、マジンガーZと顔を合わせた事が一度もない。そのためZEROはこの魔神を認識できなかったのである。逆に甲児はこの魔神を「知っていた」ため、その姿を見て「待っていたよ、共に戦える日を……」と呟いた。
この理屈だともう一体、地獄の魔神がいても良さそうなものだが、目に見える限りでは戦列には姿を現していない。通常の魔神皇帝らしきロボットはちらっと描かれているので、もしかしたらそちらに統合されたのかもしれない。
──ソウカ…コノ輝キハ私ソノモノカ… …ソウカ…
「フ…そう思っとけよ。夢の様な、良い眺めだろ」
──アァ
──確カニ
──素晴ラシイ……
スパロボにおけるZERO
あまりに強すぎるが故に、「参戦させる事ができない」と名指しで否定された事もあったマジンガーZEROだが、本編が完結した事もあってか、2017年発売の『スーパーロボット大戦V』にて衝撃のスパロボ参戦を果たした。
機体のみの参戦であるが、実質的にはスパロボ恒例の原作終了後参戦。ただしこれまでの同様の例と異なり、本作のZEROは差異次元である原作の記憶を持ち、最期に再び可能性を開いた正真正銘のZERO=スパロボ世界のZEROではなく原作終了後のZERO本人である。スパロボの歴史においても極めて稀、もしくは初のケースである(近いケースとしては彼女(の中の人)が存在する)。そのためパイロットはPV中でクレジットされている『真マジンガーZERO』の兜甲児ではなく『衝撃!Z編』の甲児「(メタ的には漫画版『ゲッターロボ號』の真ゲッターロボをTV版『ゲッターロボG』のゲッターチームが操縦する、といった前例はある)で、ZEROは彼を尊重して自らその制御下に入っている。また、本作におけるマジンガーZは光子力に秘められた魔神パワー=ZEROの力を扱う器として開発された経緯がある。
ちなみに『スパロボV』は参戦作品が思いっきりリアル系に傾いており、スーパー系はマジンガーを入れて5・6作品程度となっている。その上、前述の通り地球を簡単に破壊できるどころか、世界そのものを滅ぼすことすら容易なマジンガーZEROに単独で対抗できそうなのが、よりにもよってマジンガーと関係深いゲッターロボの皇帝だけという始末……まさに地球終了のお知らせ待ったなし状態である。
ゲーム上の性能
気力150で「魔神化」を発動することでマジンガーZがZEROに進化。原作ほどの狂った性能こそないが高性能であることに変わりなく、すべての武器に気力制限があるというおかしな状態になっている。甲児のエースボーナスでさらに攻撃力に補正がかかる(しかもアタッカーと両立する)ので凄まじい攻撃力を叩き出すことができ、育成次第ではラスボス相手に無双が出来る。最強武器であるファイナルブレストノヴァの威力は使用に制限のある波動砲に次ぐ。欠点は燃費の悪さと気力低下に弱いこと。そのため、ELSなどはある意味天敵。基本性能が高いため大技を乱発する必要こそないが、威力の高い光子力ビームやファイナルブレストノヴァのEN消費はかなり重い。EN回復(小)はあるが、それでも心許ないので場合によってはアイアンカッターやルストハリケーンで手加減をした方がいいかもしれない。もっとも、VのマジンガーZはそのままでも優秀なので、敢えてZEROにならないという選択もある。その強さは「Vのスーパー系最強」かつ、「V最強機体」と評されることも多い。
武装は原作にて完全にZEROの姿に変じた状態で使用した武装を(威力はともかく)絵面的にほぼ再現している(サザンクロスナイフは未採用)。
必殺技は各武装の連続攻撃「ファイナルブレストノヴァ」で、グラフィック的にはグレートマジンカイザーを破壊した場面の一部を再現したもの。因果律兵器発動→相手を鷲掴みにして地面に叩きつけ→掴み上げ零距離ブレストファイヤー→下半身の蒸発した相手を放り投げルストハリケーンでチリひとつ残さず消滅(※トドメ演出)というZEROらしい容赦のなさである。
ちなみにトドメを刺した際、右拳を突き上げた甲児のカットインの後に、同じく拳を突き上げ吼えるZEROが映る。
ゲーム上での活躍
どうやら今回のZEROは「数多の可能性の光達」をもう一度見るために来たようで、そのためにスパロボ時空に因果を紡いで干渉するというとんでもない事をしている。もっとも、数多のロボットが存在できているという事実そのものが、すでにZEROが他のロボットを消し去る理由を失っている=ZEROが世界を滅ぼし、可能性を閉ざすような事態にはならないという何よりの証明でもあり、上記の通り甲児の意思を尊重したり他のロボットと共闘したりと原作よりマイルドな性格になっている。
ゲーム中では覚醒時に一度暴走して甲児を取り込み、自軍の前に敵として立ちはだかる事になってしまったが、これはDr.ヘルの言葉で疑念を抱いてしまった甲児のネガティブな感情に機体が呼応してしまったからで、ZEROの意志でそうなった訳ではない。
むしろ甲児に発破をかけて自身を制御するように促したりと、嘗て「自分から生まれ、自分を打ち破った光達」のように「人の意志で力を振るうスーパーロボット」としてのあり方を重視している。
尤も、覚醒以前から甲児に「マジンガーは最強である」という認識を強く刷り込むなどの不穏な干渉を行い、自軍のメンバーに復帰後も尾を引く程の不信感を抱かれたりしているが、嘗てのZEROの暴虐を思えばご愛敬といったところか。
ただし「ZEROこそ最強」という根本的な思考は相変わらずであり、後に新世代の魔神が復活した際には遠慮なく右を向いた。
詳しくは後述で。
ちなみにVにおけるのマジンガー系の最終ボスは、おなじみミケーネ帝国の闇の帝王であるが、彼が最期に垣間見た因果の果てに待つものが、『ゲッターエンペラーとタッグを組んだZERO』というどうあがいても(敵が)絶望な絵面だった。
結局彼はこの光景を見て完全に心が折れ、自ら復活を放棄するという、傍から見ればまさかの、しかし事情を知れば当然の結末を迎える事となった。
なお、スパロボVでも新正暦世界がガトランティスの侵略に晒されていることがシナリオで示唆されているが、ZEROが迎え撃つことは間違いないため彼らが死んだ方がマシと思うような目に遭うのはほぼ確定事項である(勿論、ネタ的な面で敵として出るんじゃないかと言われていたあいつも来ていたらZEROに絶望させられるのは間違いないだろう)。
…などと思っていたら、連中の本星たる白色彗星が物理的にとんでもないインフレを果たしてしまった。その戦力も本星直衛艦隊だけで1000万隻以上。
さすがのZEROでもこれまで通りのスペックでは一撃とはいかない(因果律兵器を使わない場合)レベルである。
とは言え、強大な侵略者に単身で抗うのはスーパーロボットの王道の一つ。最強を証明したいZEROにとっては願ったり叶ったりな相手といえるだろう。いつの日か、土星をも破壊するバケモノに嬉々として全力を振るうZEROの姿が見られるかも知れない。
スーパーロボット大戦X
今作のZEROはミケーネ帝国によって平行世界から敵として来訪。マジンガーZとは別機体であり前作に登場した原作ZEROとは別人。自分以外のマジンガーを排除するためにZやグレートを追い詰めるが、甲児と鉄也の危機に別の平行世界から魔神皇帝が召喚され、死闘を繰り広げることになる。
なお、ファン間の仮説の一つであるが、ZEROは時間軸を超越していることからZEROは先にXやまだ見ぬ新作スパロボを経て丸くなった後にVの世界にやってきたという説もある(原作ラストの描写とは矛盾するが)。
…ちなみに、ある条件を満たすとちょっとだけだが味方としても使えることが、そのヒントと共にスーパーロボット大戦公式Twitterで明らかにされており、あるステージでマジンカイザーから乗り換える形で味方ユニットとなる(マジンカイザーも残る)。
ゲームシステム上は最初からZEROのため気力制限は緩和されているものの全武器に気力制限があるのは変わっていないほか、相変わらず燃費が悪いのもネック。一応フル改造ボーナスでEN回復が大に変わるため、『V』の頃よりは多少改善されている。
また、原作ほど狂った性能ではないが、敵として登場するZEROのエースボーナスは因果律兵器を再現してある程度の命中回避率では必中・完全回避となるという危険なもので、同一効果の強化パーツもある。敵時はファイナルブレストノヴァは使用してこないが光子力ビームが隣接していても撃てるため、基本的にZEROからは光子力ビームが飛んでくることになる。さらにシリーズ恒例の敵時のみHP回復中~大がある上にZERO自身がラスボス級の能力を持ち、高レベルの底力とプレッシャー、オールキャンセラーを持つのでダメージがどんどん通らなくなっていく(さらに必中の確率も上がる)。Exアクションのダイレクトアタックやスマッシュヒットを使っていかないと厳しいかもしれない。幸い、攻撃力の上がるスキルは所持していないのが救い(それでも2回行動に闘争心や気力限界突破などのスキルがあるので、気力が上がっているとシャレにならないが)。
味方としては合体攻撃は出せないためマジンエンペラーGの最大火力が落ちるという欠点があるものの、十分な火力があるので全く気にならない。もっとも、片割れのエンペラーの最強武器であるオレオールブースターGと魔神双皇撃の威力の差はさほどなく、カイザーには気力制限なしで撃てる武器や低燃費の武器も多いので、どちらを使うかは好みで決めてしまってもいい。改造はマジンカイザーのものを引き継ぐ。
また、入手できるのが最終話の1つ手前かつクリア直前であるため、事実上使用できるのが最終話のみとなっている。
立体化
人気の高さ故か、(スパロボ以外では)まともに映像化していないにも関わらず「超合金」や「鉄塊」シリーズにて立体化が成されている。
2022年には(真ZERO第一部)愛蔵版の発行を受けてか、劇場版『マジンガーZ/INFINITY』のスタイルでリアレンジする「INFINITISM」シリーズの第五段としてまたまた立体化されることが決まった。これまでこのシリーズに登場した機体は全てTVアニメやOVAで映像化されているため、極めて異例の抜擢である(脚本を担当した田畑由秋氏も「アニメ化もしてないのに我々もビックリだ!!!」と言及してしまうほど)。
このシリーズのパッケージには『INFINITY』に合わせた新規のストーリーが記載されるのがお約束となっているが(例えば魔神皇帝の製作者が兜甲児だったり)、果たして東映版の延長であるこの世界線に、どうやってこの危険極まりない魔神を出すつもりなのだろうか…?
余談
永井豪氏は何度かマジンガーの新作を手がけた事があるが、ほぼ未完に終わっているものが多い。明かされた理由の一つで未完作品である「マジンサーガ」で語られたところによれば「執筆に物凄いエネルギーを費やしてしまい、執筆継続が困難になってしまった」との事。つまり、マジンガーは作者(創造主)のエネルギーでさえ喰らい尽くすバケモノもとい魔神だという事になる(最も氏は広げた大風呂敷を畳むのが大の苦手でもあるが)。
ちなみにこれに登場する『Z』は甲児の負の感情(怒りと悲しみ)が爆発した際に悪魔を彷彿する形相のマジンガーの姿に変貌し、実際に第三次世界大戦のトリガーになるほどに地球を壊滅に導いた。
そりゃ最強最悪の魔神も出てくるわけだ。
2019年に米国産巨大ロボットの金字塔との夢の対決が実現。あちらにも究極的にはZEROと同等の多次元全能クラスが複数控えているため、もし子供の喧嘩に親が出張るようなことになったら太陽系なんかダース単位も生ぬるいレベルでポンポン滅びかねない。見てみたい気もするがお互いに暖かく見守ってほしいものである。そして終盤ではあいつがZEROもびっくりの新たな魔神と化した。
2018年公開の劇場版『INFINITY』にはご満悦だったらしく、作画担当の余湖裕輝氏のTwitterで満面の笑みを浮かべていたんだとか。
関連タグ
マジンカイザー(オリジナル版):あらゆる意味でZEROの対極の存在である「対悪のマジンガー用マジンガー」。スーパーロボット大戦Xでついに激突する。
マジンエンペラーG:Zの系譜に属さないマジンガーで、ZEROに対抗する為にスーパーロボット大戦世界で造られし新マジンガー。あの傲慢不遜なZEROが唯一、ダブルマジンガーを認め、共闘したマジンガー。
マジンサーガ:そもそもこの作品のマジンガーはロボットでもなければマジンガーとすら呼ばれていない貴重な存在。ちなみに地球を壊滅させる引き金となった悪魔にもなった恐らく最初のマジンガー。こちらも際限なく強くなっていく可能性が示されている。
ゲッターエンペラー一見同様の存在…ともとれるがゲッターエンペラーは永遠の戦という混沌による滅亡をもたらすもの、ZEROは自己が最強という行き過ぎた秩序による滅亡をもたらすものと、作品のテーマ軸的にむしろ対になる存在ともいえる。
鹿目まどか:ZEROと同じく因果を塗り替えて神となった者。
∀ガンダム(黒歴史):ガンダムシリーズにおける似たような存在。ただし、こちらは地球環境の再生のために文明の破壊を行うが、ZEROは唯々、地球及び世界そのものを破壊する厄災である。
イデ、ケイサル・エフェス、シュウイチロウ・ユキムラ、ダイモン・タングラム、ペルフェクティオ、アンチスパイラル、アドヴェント、ナイア、カリ・ユガ、ジスペル、ノイヴォルフ:スパロボにおけるよく似た存在。ZEROはこれらラスボスと同格である。
イデ(イデオン)とカリ・ユガは人類から見ればこちらを消滅せんとしてくる存在という意味で似ているが、イデは「良き心を持った生命体を生み出すべく、全生命体を一度因果地平のかなたに吹き飛ばして次の宇宙に可能性をかける」、カリ・ユガは「可能性が積み重なり過ぎて新たなユガが生まれなくなることを防ぐため、今の宇宙をリセットする」という、ZEROの「マジンガーZのみが唯一最強のスーパーロボットとして勝利し続ける世界を創造し、可能性を閉ざす」という思想とはある意味真逆の存在である。
また、アンチスパイラルとはスーパーロボット大戦Xで共演することとなった。