5.56mmNATO弾
ごてんごごみりなとーだん
概要
第二次世界大戦後にアサルトライフルが一般化し、M1ガーランドの.30-06弾の薬莢を短くした「7.62mmNATO弾」が開発されたが、依然として連射時の反動が強いという問題があった。
そこでアメリカがさらに小口径の.223レミントン弾を開発し、その後7.62mmNATO弾の時と同様NATOにごり押しで新NATO弾として変更させたのが本記事の弾薬である。
しかしアメリカのM193(.223レミントン弾)は弾頭重量が軽すぎる等の性能の問題からNATO弾として採用されず、FNHのSS109がSTANAG 4172の標準番号を与えられ、第2NATO弾として採用される事となった。
性能の違いからM16A1やHK33等、M193を使用する設計となっていた銃は改良が必要となった。
その後アメリカはSS109を採用し、M855の正式名を与える事となった。
アメリカではM193とM855の二つの5.56mm弾の誤用を防ぐため、MIL-STD 709C弾薬色符号に則ってM855の弾頭部に緑の塗装を施していたことから「グリーンチップ」の呼び名が付いた。
「5.56x45mm NATO弾」、「SS109」、「M855」など、様々な呼び方がある。
イラクやアフガニスタンでは威力不足といわれ6.8x43mmSPC弾が生まれるなどしたが、ACOG等の光学照準機器の普及により、威力不足ではなくただ効果的に命中させていないだけと言うことが判明した。
同時に(急所等を無視した)的に一発当てればそれでよしとする米陸軍の訓練カリキュラムの問題も明らかとなった。
米軍は現在主力となっているM4カービンの銃身長やライフリング等にあわせたM855A1の採用により命中精度の向上だけでなく信頼性や弾速の向上、発射時の閃光の減少などがされた。
弾頭部分は当初はビスマス合金が使用される予定だったが高温で信頼できない弾道を示したために保留となり、銅の弾芯に鋼鉄製のコーン状の貫通体を重ねた62グレイン(4g)の弾頭が採用された。(貫通体の重量は19グレイン(1.2g))
また弾頭部分に鉛を使用していないことから環境対応型となっている。