千歳型
ちとせがた
概要
千歳型とは
- 旧日本海軍の軍艦の艦型の一つ。水上機母艦として建造され、空母に改造された。同型艦は千歳と千代田の2隻。
- 上記をモチーフにした、ゲーム『艦隊これくしょん』に登場するキャラクター千歳(艦隊これくしょん)と千代田(艦隊これくしょん)の総称。2人の描かれたイラストに付けるという意味では、カップリングタグの「ちとちよ」がもっぱら使われている。
史実の千代田型
千歳型水上機母艦
1934年度の第二次海軍軍備補充計画(通称マル2計画)で建造された水上機母艦。
それまでの水上機母艦が他艦種からの改装で賄われていた経緯から、本艦型が日本海軍史上初の最初から新造された水上機母艦である。
さらに本型は単なる水上機母艦としてだけではなく、無条約時代に突入した暁には当時実用の目処が立っていた甲標的運用母艦として改装するという特殊な目的を持った艦でもあった。
平時状態(第一形態)における性能は、水上機母艦として水上機24機を搭載。給油艦として重油2,750tを他艦に補給可能。速力は20ノットというもの。
戦時状態(第2状態)では、甲標的母艦として水上機12機、甲標的12隻を搭載。重油給油能力は1,000tに低下するものの、速力を28ノットにアップさせて高速給油艦としても使用可能にするというものであった。
本型は「千歳」と「千代田」の2隻のみが計画されたが、実際の完成が無条約時代に入ることが濃厚となったため、第1状態を飛び越して第2状態に近い能力での完成となった。ただし速力はアップした状態だが、当初は甲標的搭載能力は付加されていない。しかも第二形態に改装前に後述の理由で航空母艦に改装されてしまったため、結局甲標的は装備できず終いだった。
本型は上記のように高速給油艦の任務も考慮されていたことから、自艦の燃料消費を抑えるために主機はディーゼルとタービンの併用が採用された。
なお、当初より状況によっては艦上機の帰着甲板の設置も考慮されていた本型だが、開戦時の段階では空母改装は考慮されていなかった。つまり新開発の二座水上偵察機(瑞雲)をもって水上爆撃機隊を編成、水上機母艦のままで攻撃空母として使用される予定だったしい。ただし実際は二座水上偵察機(瑞雲)の配備遅延によって運用されることはなかった。
千歳型航空母艦
1942年6月のミッドウェー海戦で、一気に4隻の空母(赤城、加賀、蒼龍、飛龍)を失った日本海軍は空母兵力の建て直しを図り、千歳型水上機母艦および大型優秀客船(飛鷹型)を空母へ改装することを決定した
1942年末から改装に入り、「千代田」「千歳」の順で竣工。工期はおおよそ10ヶ月とされ、実際に約1年を掛けて空母への改装を行い、1944年のはじめに完成した。
完成後の千歳型は、「龍鳳」や「瑞鳳」に準じた性能をもつ小型空母で、乾舷がやや高いこと以外はよく似た艦影をもっていた。なお、上空のパイロットから見た際の識別のために、飛行甲板後端に「千歳」には「ちと」、「千代田」に「ちよ」の文字が書かれていたと言われている。1944年6月のマリアナ沖海戦で初陣を飾ったが、同年10月のレイテ沖海戦で両艦とも戦没した。
ちなみに他艦種から航空母艦へ改装される場合、艦名を航空母艦の命名基準に沿った物へ変更されるのだが、千歳型は水上機母艦時代のままである。 これは、水上機母艦時代の戦功を考慮した上で改名の可否を乗員全員で投票・意見集約した結果、変更不可の意見が圧倒的多数であったためによる。
艦隊これくしょんの千歳型
入手したばかりの状態だと戦闘能力はほとんどないが、Lv10で能力強化と瑞雲の装備、Lv12で甲標的装備に改造、Lv15で晴れて軽空母となる。その後さらにLv35,Lv50と合計5回の改造がある大器晩成型。
ただしLv15で改造できる「航」の時点では搭載機数などが貧弱。そのため改造せず、Lv35まで重巡並の雷撃最大値を持つ「甲」のままで行くという選択肢もある。
また初期状態でも瑞雲や甲標的の装備は可能で、航空戦や開幕雷撃も行う。載せておけば初期装備よりはマシな戦いを見せてくれる。
逆に言えば、初期装備では1-1を回す事すらおぼつかない程弱い。演習でも何でもやって、急いでLv10で瑞雲だけでも持ってきてもらおう。
航空戦艦や航空巡洋艦と同じく、爆雷攻撃はできないが水上機で対潜攻撃ができるという特徴を持つ。さらにこちらは爆雷の装備はできるので、水上機での対潜攻撃を強化できる。
だがステータスは火力・耐久・回避などどれも中途半端。高難度マップに行くほど歯が立たなくなるので、使い所にも工夫がいる。
耐久は軽巡並、装甲は駆逐艦並、それでいて回避は初期の戦艦並みと絶望的な生存力の低さを誇る……。この傾向は甲まで変わらず、彼女たちの運用の難しさに直結している。
水上機母艦という艦種自体がこのちとちよ姉妹しかなく、過去に水上機母艦が必要なイベントもあったためか、
軽空母に改装せず水上機母艦のまま使い続ける提督も結構いたりする。
現在でも水上機母艦が必須の遠征があることからも、持っておくとプレイの幅が広がるだろう。
合成素材として見た場合、比較的上げにくい対空が+1、lv10で+2、Lv12で+1、Lv15以降で+3。
最上(Lv10で+3)・五十鈴(Lv12で+4)と比べて育成効率は良くはないが、艦隊全体の対空値育成が遅れている様であれば、素材として用いるのもひとつの手。
また、甲まで育てると甲標的を2つ持って来るので、重雷装巡洋艦や潜水艦の分の確保のために作る意味もある。