概要
性交の経験がない女性の膣の入り口にある膜状の組織。粘膜のひだで、膣口を狭めているが、完全な膜ではなく、通常は開口していて、月経血などを通す。多くの場合、初回の性交時に裂けるが、それ以外の原因で損傷することもある。
形態
基本的に膣前庭を構成する一部で、膣口を狭窄する形で存在する。
あくまで狭窄させているだけなので月経血の排出は出来るし、タンポンの使用も可能である。また、弾力があるため直径2cm程度までなら破綻することなく開口できる。
穴の形状は多岐に及び、形状毎の名称も存在する。
発生学においては膣形成の際に分化しきらずに残ってしまった外皮の一種と考えられており、発生学上は処女膜のない状態が人体として最も正常な形とされている。それ故に加齢とともに膜がアポトーシスによって自然消失する場合もある。
また個人によってはこの膜によって膣が完全に閉塞してしまっている場合もあり、その場合は月経血の流出路がないため支障が出ることから外科的に切除、または通穴を開ける場合がある。
性交その他による形態の変化
性交によって何らかの破綻が起こるが、そのまま拡張される形で残る例もある。
性交後によって破綻した処女膜、処女膜痕は破綻処女膜と言われる。
出産や拡張プレイ等の器具を交えた激しい性行為、短い周期での頻繁な性交によっては破綻処女膜が消滅してしまうことがある。
その場合、膣口から膣壁が大きく露出する形となり、性交未経験女性のそれと比較して大きく形態が変化する。
創作作品と現実
成年コミックや同人誌等では、膣のかなり奥の方に存在する様に描かれていることが多いが、美容整形における処女膜再生が破綻処女膜収束による膣口の再狭窄化施術であることや、医学的に処女膜が完全かどうかを判断する判定基準を鑑みる限り、あまり一般的な形態ではないといえる。
「女性が処女膜を破られて痛がる」という描写が入る事が多いが、現実には「処女」あるいは「性交の経験が少ない女性」が苦痛を感じるのは、前戯が不十分であったり、緊張で筋肉に力が入っているときに膣をこじあける圧迫感が原因である事が多い。女性側の体の準備が整っており十分に潤っていれば、処女膜は伸びて変形するが、破れて出血するまでに至らない。
なお、実際に女性が初めての性交で出血するケースは5割弱程度であるという。また、前戯が不十分だったり雑だったりした場合、女性が婦人科系の病気に罹っている場合などは、処女でなくとも出血する場合がある。
関連タグ
外部リンク
- 性教育のおはなしSEIOHA - 処女膜
- 処女膜(Wikipedia)