あらすじ
昔々、あるところに貧しい老夫婦がおりました。その年は雪がひどく、このままでは年を越すこともままならないと考えたおじいさんとおばあさんは、笠を編んで売ることにしました。おじいさんは編み笠を持って麓の村まで売りに行きましたがどうにも売れず、結局売れ残ってしまいました。
落胆して帰るおじいさんでしたが、帰り道に雪を被って寒そうにしているお地蔵様を見つけました。おじいさんは笠をお地蔵様に被せ、寒くないようにしてあげました。
家に帰ったおじいさんは顛末をおばあさんに話しましたが、おばあさんは怒るどころか「そりゃあ良いことをしましたね」と笑って答えました。
翌朝、老夫婦の家の前にはたくさんの食べ物やお金が置かれていました。
驚いたおじいさんが周囲を見渡すと、そこでは笠をかぶったお地蔵さんたちがそそくさと歩き去っていったのでした。