あらすじ
昔々、あるところに貧しい老夫婦がおりました。その年は雪がひどく、このままでは年を越すこともままならないと考えたおじいさんとおばあさんは、笠を編んで売ることにしました。おじいさんは編み笠を持って麓の村まで売りに行きましたがどうにも売れず、結局売れ残ってしまいました。
落胆して帰るおじいさんでしたが、帰り道に雪を被って寒そうにしているお地蔵様を見つけました。おじいさんは笠をお地蔵様に被せ、寒くないようにしてあげました。
家に帰ったおじいさんは顛末をおばあさんに話しましたが、おばあさんは怒るどころか「そりゃあ良いことをしましたね」と笑って答えました。
翌朝、老夫婦の家の前にはたくさんの食べ物やお金が置かれていました。
驚いたおじいさんが周囲を見渡すと、そこでは笠をかぶったお地蔵さんたちがそそくさと歩き去っていったのでした。
余談
笠地蔵のお地蔵様とは?
全国各地でこの笠地蔵に登場する六体のお地蔵様(地蔵菩薩)と同じようなものが見られる。
実は、この六体の地蔵菩薩は仏教の六道輪廻に関わっており、全ての生命は6つの世界に生まれ変わるとされ、その6つの世界で救う菩薩であるという。
また、死して魂だけになった時に迎えにやってくるとの言い伝えもある。
関連項目
シンデレラガールズ劇場:デレマス秋田組で笠地蔵を演じた。
マッチ売りの少女:年末に何かを売るも売れない繋がりだが、結末は大きく異なる。小林さんちのメイドラゴンではこの2つを混ぜた演劇が披露された。