概要
主人公であるデニム・パウエルと同じウォルスタの民でありながら、思想の対立から反勢力を率いて対峙する弓使い。
ジュダ・ロンウェー率いる正規組織『ウォルスタ解放軍』の参謀として辣腕を振るうレオナール・レシ・リモンとは深い恋愛関係にある。
人物
炎竜の月1日生まれ。19歳。古くは海神バスクを信仰する土着宗教『バスク教』の総本山が置かれた歴史を持つ、アルモリカ辺境の臨海地区クリザロー出身。
ヴァレリア南方地域を巡って対立するウォルスタ、ガルガスタン両勢力の衝突の中で両親を失い、ガルガスタンの暴虐に対抗するべく兄と共にゲリラ組織に身を投じ、組織の幹部として優れた戦士の兄同様に天賦の才を持つ弓の腕を存分に振るう。しかし、その渦中で足を酷く負傷した兄がバルマムッサで療養していた折、武装蜂起に否定的な姿勢を見せた住民をスケープゴートとする事で民族の団結を図り、ガルガスタンとの勢力拮抗を画策したロンウェーの奸計『バルマムッサの虐殺』に遭って兄をも失う。
その後の展開は、進行中に分岐するルート選択で変化する。
- L(ロウ)ルート
ガルガスタンと徹底抗戦するために虐殺の道を選んだデニムとそれを指揮するレオナールを見限り、解放軍を追われたヴァイス・ボゼッグが新たに招集した過激派組織『ネオ・ウォルスタ解放同盟』に参加し、バルマムッサで起こった事件の真実を世間に公表すると共に解放軍の旗手となりつつあるデニムの命を付け狙う。
- C(カオス)ルート
虐殺を愚策として真っ向から反発し、何としても大義名分を得たいレオナールと野心に魅入られたヴァイス両名に追われ、ついには虐殺事件の首謀者に仕立て上げられたデニムを追討する解放軍幹部として刃を交える。一定の条件下で投降し、その後に知った同族殺しの真実に憤慨してデニム率いる義勇軍『神竜騎士団』に参加する。
解放軍に連れ去られたカチュア・パウエル救出のためにアルモリカ城に侵攻した折、ローディス教国から派遣された暗黒騎士団ロスローリアンと手を結ぶバクラム軍が古都ライムを急襲し、ランスロット・ハミルトン率いる解放軍精鋭部隊の応戦虚しく陥落した速報を受けたレオナールがデニムとヴァイスの仲裁に入るが、提案を断って完全に解放軍と袂を分けたデニムと共に理想を求める道を選ぶ。
- N(ニュートラル)ルート
アルモリカ城侵攻の際に突き付けられた火急の提案を飲み、バクラム軍を押し返すために解放軍に復帰したデニムの姿に信用を失い、何も信じられなくなって解放軍を離反したヴァイスを追うように脱退する。
特徴
「同族殺しの被害者」というキャラクター設定上、選択肢によって参入、離反、敵対の明暗が如実に表れる固有ユニットの1人。初期クラスこそアーチャーだが、同レベルのアーチャーよりも全能力が一回り高い(1LV分、更にDEX+2・LUK+3)という強力ユニット。序盤に参加する半固有ユニットのサラなどと比較すると、その強さがよく分かるだろう。
アーチャーとして随一の強さを誇り、機動性や回避率の高さも相まって序盤からアタックチームの要として活躍する上、属性武器『雷神の弓』との相性が良い風属性であり、移動補助アイテムの併用によって高台に陣を構えられるようになるとカノープス以上の射手に変貌する素質を持つ。攻撃力基本値こそカノープスに劣るが、弓が得意武器であること・天気抵抗が強いこと・命中率で上回る(ニンジャ相手でも十分に狙える)ことなどが彼女に追い風となっているのである。また、カノープスの遠距離スペシャル攻撃を無駄にしないためにもアロセールに雷神の弓を持たせるプレイヤーは多い。
更に、アロセールはクラスチェンジが可能である特性を活かして他クラスで弱点を補強する、またはウィッチに転職してハボリム同様にDEXとAGIを駆使した補助魔法の使い手とする、近接戦闘系クラスになって前線に出るなど、運用の幅が広い魅力を秘めている事もあってプレイヤーの間ではカチュアを退けて『最強の女』の名を冠する。
なお、リメイク版『運命の輪』では、ガルガスタン軍に多大な被害を与えたことから『雷神』の異名で呼ばれているという設定が追加された。上記雷神の弓装備が猛威を振るったことから追加された制作陣からのファンサービスだろうか。