概要
正式名称ホルダ17型ディー・カイゼリン(Die Kaiserin)。
氷の女皇帝、ガラスのカイゼリン、ゼノア・アプターブリンガーとも呼ばれる伝説のゴティックメード(GTM)。
2012年に公開されたアニメ映画『花の詩女ゴティックメード』では主役メカを務め、2013年に設定大改変が行われた漫画『ファイブスター物語』ではダッカス・ザ・ブラックナイトやツァラトゥストラ・アプターブリンガー、帝騎マグナパレスと並ぶ主役級GTMとなる。
設定大改変前におけるMHジ・エンプレスに相当する機体である。
デザインは映画『花の詩女ゴティックメード』制作発表以後に数度変更されながら発表されており、作者の個人スタジオであるオートマチックフラワーズの公式サイトやファイブスター物語休載以降の『月刊ニュータイプ』誌の表紙や作品特集記事からその変遷を見ることが出来る(多分、これからも少しずつ変えるんだろうとは思うけど…)。
映画では駆動音にIHIジェットサービス(株式会社IHIの関係子会社)の協力で重機タービン音を直接録音、サンプリングしたものが使用されている他、従来のロボットアニメの巨大ロボットのような「巨人が動いているような動作」ではなく、あくまでも数多のパーツが組み合わさった「機械兵器」として描かれている。
解説
全高26.7m。232.0t(戦闘重量)。エンジン出力は通常時149.0TW(200兆馬力)で、最大時は22,300TW(3京馬力以上)にも達する。
かつて星団暦より数千年前のAD世紀の時代に星団を支配していた超帝國ユニオの女皇帝を模して作られたという機体。
搭載されているハーモイドエンジンは過去に存在した超帝國の剣聖騎士団「ヘリオス」の有していた超弩級GTM轟焔時君(シュッツィエン)に搭載されていた「ペダン07」を流用していると謂れ、その圧倒的出力は制御しきれない余剰エネルギーが青い炎として身体中から燃え上がるほど。
騎体起動時は「女性の幽霊が泣き叫ぶ様な音」を発するが、これはドナウ帝国で製造されたGTM各騎共に同様の特徴を持つ。
フレームにはブラウニー・ライド博士の設計したアウトメタ型ライオンフレームを用い、駆動関節には背骨部に2対のツインスイング・オフセットキール、肩腰踵膝に螺旋ツインスイング関節を採用。
主にヘリオス・キルテッド積層装甲で構成される全身の装甲は本来は無色透明で、エンジン出力に伴い様々な色彩にスペクトル変化して任意に装甲色を変えることができ、安定時はドナウ帝国シンボルカラーである黒色と白色を表す。
フィルモア帝国のホルダ21型ディー・ウィリーズ、ホルダ19型ディー・メロウラとは同型機(皇帝騎)であり、ツインスイング等パーツも共有箇所があることから交換も可能であるらしい。
動向
星団暦初頭に当時のドナウ帝国(現在における統合前のフィルモア帝国)が皇帝の依頼でGTMガーランド(主設計者)のブラウニー・ライド博士が設計し皇帝騎として製造されるが、それから間もない星団暦451年に起きた「詩女暗殺未遂事件」を経て、政治的な配慮により聖宮ラーンの詩女に「不戦の誓」として贈られることになる。
以後は詩女個人の所有で国家には属しておらず、長きに渡り封印される。ミノグシア連合及び譲渡元であるフィルモア帝国からは剣を向けてはならないGTMとして伝わっているが、それは騎体各所の当時のドナウ帝国の紋章は消されずに残されていること、更に詩女所有となった後は聖宮ラーンの紋章を追加されたことに由来する。
星団暦2490年のハスハ動乱時に封印を解かれ二代目剣聖デューク・ビザンチンが騎乗、その際ブラウニー・ライド博士の子孫に当たるGTMガーランドのゼビア・コーターによって、プラズマガス演算システムの「シン・ファイア」からファティマシステムへと改装されている。
2997年、ワンダン・ハレー逃亡事件を収拾するべく詩女ムグミカ・アトールが封印を解き、当時のスバース隊副長から離れていたヤーボ・ビートに託される。同年にヤーボがボスヤスフォートによって殺害された後、息子であるデプレッサー・ビートがファティマ・コンコードと共に引き継いだ。
星団暦3030年に勃発した魔導大戦ではミノグシア連合の旗騎GTMとして活躍する。