アーレイ・バーク級
あーれいばーくきゅう
概要
アメリカ海軍のミサイル駆逐艦。イージス・システムおよびトマホーク武器システムを搭載しており、元来はイージス艦として防空艦の任務を想定していたが、戦略環境の変化に伴い、現在では、海賊の取り締まりやトマホークによる対地攻撃など、様々な任務を遂行している。高価なイージス・システム搭載艦ではあるが、効率的な設計により、実に60隻以上にも及ぶ大量建造を実現した。なお、これは、第二次世界大戦後にアメリカ海軍が建造した水上戦闘艦としては最多である。
本級は継続的な改良(後述)を続けており、イージス・システムによる優れた防空能力、トマホーク巡航ミサイルによる対地精密攻撃能力に加え、後期建造艦では多目的ヘリコプターを搭載、さらに現在ではミサイル防衛能力も保有しつつあり、あらゆる種類の戦闘に対応できる優秀な戦闘艦となった。
なお、2005年にスプルーアンス級駆逐艦が退役したため、アメリカ海軍が保有する駆逐艦は本級のみである。
将来
スプルーアンス級の後継となる筈だったズムウォルト級の早期打ち切り(実質開発失敗と言っていいだろう)、ズムウォルトの準同型艦でタイコンデロガ級の後継艦CG(X)の開発中止を受け、本級の更なる増産が決定。
改良型フライトIIIが現在開発中のほか、その先のフライトIVの計画もあるらしい。
しかし本級は良く言えば実績十分、悪く言えば設計の古さが隠し切れなくなっている艦であり、デアリングなど諸外国の最新型に比べてどうしても見劣りする。
(フライトIIAの時点で既に艦内容積がいっぱいいっぱいらしい。この先大丈夫か?)
アーレイ・バーク大将
アーレイ・バーク(Arleigh Albert Burke)はアメリカ海軍の軍人。
太平洋戦争において第23水雷戦隊の司令官となり、日本海軍相手に奮戦した。
その際、麾下の駆逐艦を当時艦隊行動できる限界とされていた30ノットを超える31ノットで走らせ、「31ノットで航行中」と打電したことから、「31ノット・バーク」とあだ名されるようになった。
1955年8月にアメリカ海軍のトップである海軍作戦部長にまで登りつめ、3期6年の長きにわたって務めた。
1996年1月1日にベセスタの海軍病院で死去。彼が死去した際には哀悼の念を表するため、就役済の全アーレイ・バーク級駆逐艦が、上記のエピソードにちなみ、1分間、31ノットで航行した。