概要
トレント級に続いて建造された、イタリア海軍の重巡洋艦。トレント級は速度に関しては優秀であったものの、防御力が怠っていた。そのため、当艦は機関部を縮小して捻出した重量を装甲板に振り分けることで防御力を高めている。これは仮想敵国だっ たフランス海軍の重巡洋艦の発達経緯と同じ流れである。
当初は200mmもの装甲板を設置する計画であったが、これでは条約の制限排水量より上回ってしまうため、150mmに減量。船体の長さを短くし(居住区を確保するため形状も船首楼型になった)、推進軸も2軸とした。また、魚雷発射管は廃止、艦橋構造物を当初の予定より小型化(この為に後にレーダー等を搭載できなくなる)するなど軽量化を図っているが、それでも基準排水量は条約制限を1割以上越えているのが難点。
イタリア海軍では当初当クラスを軽巡に類別していた(これはトレント級も同様である)が、後にトレント級と区別するため装甲巡洋艦とされ、ロンドン条約締結後に砲口径から重巡洋艦へ類別され 直すという複雑な経緯をたどっている。
第二次大戦では開戦当初のカラブリア沖海戦、スパルティヴェント岬沖海戦等に参加し活躍するも姉妹艦4隻のうち3隻がマタパン岬沖海戦で戦没してしまい、残った4番艦ゴリツィアはその後も第一次シルテ湾海戦・第二次シルテ湾海戦等に参加するがイタリア降伏後に自沈し、後にドイツ軍が浮揚・接収したものの、連合軍の特殊潜航艇の攻撃により沈没してしまっている。