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ドラァグクイーンの編集履歴

2016-03-31 21:56:42 バージョン

ドラァグクイーン

どらぁぐくいーん

ゲイカルチャーから生まれた女性のパロディ、それこそがドラァグクイーン

概要

通称ドラァグ。


元々はゲイの男性が派手な衣装と厚化粧の女装を行い、大仰な態度で「理想の女性像」をデフォルメして演出したパフォーマンスを行った、サブカルチャーとしてのゲイ文化の一環として生まれた女装遊びであった。


このような起源を持つため、基本的にはゲイ(もしくはバイ)の男性が行うのだが、セクシャリティや生物学上の性別による制限は特に設けられていない。その上、趣味程度にとどめているものからプロとしてショーなどでパフォーマンスして稼ぐ人物もいるので、一言でドラァグクイーンと言ってもその個性はまさに千差万別と言っていいだろう。


ドラァグクイーン(drag queen)という言葉自体は古くからあるが、その語源には諸説がある。ある者は「女役の男が裾を床に引きずっても平気な顔をしてロングスカートを履いていたのが面白かったことからこう呼ばれた」、またある者は「tragen(ドイツ語で『着る』という意味)→trogn(イディッシュ語)→dragになった」、はたまたある者は「dressed as a girl(女性のように装う)の略語だろ」と説を唱えた。最も有力なのはdragが引きずるという意味を持つことから「女役の男が裾を床に引きずっても平気な顔をしてロングスカートを履いていたのが面白かったことからこう呼ばれた」説だという。


なお、本来であればドラッグクイーンと書くのが正しいが、このように書くとdrug queenという白いクスリをキメている女装と勘違いされかねないので、今の表記としている。


MtF(トランスジェンダー)との違い

よく、ドラァグクイーンは女装することから性同一性障害者トランスジェンダー)と勘違いされるケースが後を絶たない。しかし、両者が女性の衣装やメイクを行う意味には大きな違いがある。


  • トランスジェンダー(男性→女性) ・・・ 心の性別に従った、もしくは心の性別になりたい
  • ドラァグクイーン ・・・ あくまで「理想の女性像」のパロディとして遊ぶ

以上のことを知らずに接した場合、相手に大変に失礼なので事前に相手の人となりを知ることも大事なことだろう。


日本文化とドラァグクイーン

日本に関しては歌舞伎の女形よろしく、古来より女装してパフォーマンスを行う土壌自体はあった国で、畿内の上方舞といった伝統芸能もしっかり存在している。そんな中、現在のドラァグのような振る舞いをしたのがピーター池畑慎之介☆)であった。彼は仕事の時は女装だが、プライベートでは男装か中性装を貫いている。

後に1980年代、バブル全盛期に今のドラァグに近い存在として日出郎が登場。その強烈なパフォーマンスに誰もが度肝を抜いた。


90年代初頭、日本のドラァグクイーン1号と言われるミス・グロリアスやマーガレットが現れ、現代のドラァグ文化がゲイクラブシーンに浸透し始める。これを期にシモーヌ深雪、日出郎、JINCOママやKEIKOママらがクラブで人気を博した。そして、映画『プリシラ』のヒットにより1990年代のゲイブームが到来、ドラァグはゲイクラブシーンにおける花形となった。


これによりドラァグはモデルクラスの美しいパフォーマーや、パロディ満載のコミック女装など、様々なドラァグが誕生してはクラブシーンを盛り上げていった。


2000年代後半に突入すると、マツコ・デラックスやミッツ・マングローブといった御意見番のような女装オネエがブレイクしたことを期に、芸能界でもドラァグの需要が少しずつだが増えてきている傾向がある。


主なドラァグクイーン

  • シモーヌ深雪 … 存命するドラァグの中では最古参女装。シャンソン歌手としても活動している。
  • マダム・ボンジュール・ジャンジ … 日本初の女性ドラァグにしてHIV/STI情報センター「akta」スタッフの一人。
  • オナペッツ … TVで活躍していたドラァグの一人。浅倉大介プロデュースによる音楽活動も行っていた。
  • 日出郎 … TVで活躍していたドラァグの一人。日本ドラァグ初のテクノアイコンでもある。
  • ダイアナ・エクストラバガンザ … 銀座の高級クラブでホステスを務める女装。田中康夫(もしくは落研)のような話術が特徴。
  • ブルボンヌ … 映画批評も行っている女装タレント。
  • ミッツ・マングローブ徳光和夫の甥で、女装歌謡ユニット星屑スキャットのメンバー。
  • エスムラルダ … 東京都公認の大道芸人。ホラー系パフォーマンスが得意。
  • マツコ・デラックス … 本業はコラムニスト。今やMC・コメンテーターとして大人気の女装。
  • 紫泉 … サイバーファッションのオーソリティにしてゴシック系イベントのDJ。
  • デイム・エドナ・エバレッジ … オーストラリアで一番有名なドラァグ。
  • チ・チ・ラルー … 「妖精王」の通称でニコニコ動画で一番有名なドラァグ。
  • コンチータ・ヴルスト … ユーロビジョン・ソング・コンテスト2014優勝者である髭女装。
  • アフターダーク … 『高らかにオナニー』で有名なドラァグユニット。
  • ディヴァイン … 伝説のカルト映画『ピンクフラミンゴ』主演女装。
  • 梅垣義明 … シャンソンネタではドラァグ歌手として登場。

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