ノヴゴロド
みかくにんこうこうぶったい
概要
ロシアで開発された、河川での砲撃戦※を想定し設計された浮かぶパンケーキ、もとい砲艦(一般にはモニター艦として扱われる)。
円形の船体が特徴である。姉妹艦にヴァイス・アドミラル・ポポフがあるがこちらはサイズが大きい。
※日本ではおよそ信じられないかも知れないが、大陸の川は軍艦が余裕で航行できるくらいにとにかく広い。そしてでかい。ついでに言うなら水の流れも殆ど止まっているも同然で、我々日本人の感覚からすれば湖か海かと言わんばかりである(NHKの「名曲アルバム」辺りを観れば、そこそこ想像はつくかもしれない)。
逆に欧州などの人間が日本の河川を見ると、「日本の川はまるで滝のようだ」と思ってしまうこともあるとかないとか。
開発
この変態戦艦を考案したのはロシアのフィッシャー提督ことアンドレイ・ポポフ提督。
「川で撃ちあうための戦艦」として、空前絶後の円形の船体を採用した。
その姿は川に浮かぶ鋼鉄のパンケーキ、あるいは水上のUFO。
当然ながらこんな船体ではまともに航行することすらできず、更には主砲を撃つと反動で船体が回ってしまったとか。
仕様
転覆を防ぐため、船体は直径30m程の円形をしている(正確には全長の方が少し長い)。さらに、通常の船とは異なり、河での座礁を防ぐため船底は平らである。
排水量(平たく言えば軍艦の規模を表す)は約2500トン。
主砲は28cmの2門連装砲を搭載、その他にも86mm砲も装備している。
機関はボイラー8基で6個のスクリューを回すというものであった(後にボイラー、スクリュー共に2基減らされた)。しかし、いざ運用してみると速力はわずか6.5ノット(約12㎞)しか出せなかった。
経歴
1872年に起工、翌1873年に進水。完成は1874年となっている(ヴァイス・アドミラル・ポポフは1874年起工、1875年進水、1876年完成)。
2隻共に1903年退役し、1911年に解体のため売却された。