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ズケンティラヌス

ずけんてぃらぬす

白亜紀後期の中国に棲息していたティラノサウルス科の獣脚類で、アジア最大の肉食恐竜である。

発見と命名

2009年、多くの恐竜化石が発掘されている中国山東省諸城の白亜紀後期の地層からで上顎骨・歯骨・歯の化石が発見され、後に肋骨・尾椎・脛骨・中足骨なども見つかった。研究の結果、系統的にはティラノサウルスタルボサウルスに近いものの、細部に独自の特徴が確認されたことにより、2011年に「非常に巨大な諸城の暴君」を意味するズケンティラヌス・マグヌスと命名された。

特徴

発見されたズケンティラヌスの上顎骨の長さは、ニューヨークのアメリカ自然史博物館に展示されているティラノサウルスのものよりわずか1センチ短いだけで、長らくアジア最大と謳われてきたタルボサウルスの平均値を上回った。またこの化石に多くの歯が残っていた状況から、彼らを含めたティラノサウルス類の歯の更新は非常に速かった(推定2年以内)と考えられている。他にも歯の形態的な特徴は、左右に厚みのあるティラノサウルスと、それよりも比較的薄い原始的なアリオラムスの間に位置していた。

推定される全長は11.4メートル以上・推定体重5~7トンと、タルボサウルスを上回るアジア最大の獣脚類だったと思われる(諸城ではさらに大きいと思われるティラノサウルス類の化石が見つかっている)。

生態

ズケンティラヌスが棲息していた頃の諸城には、シャントゥンゴサウルスやフアシアオサウルスなど全長15メートル以上の大型鳥脚類やアジアでは珍しい「角の生えた」角竜シノケラトプスなどの植物食恐竜が棲息していた。ズケンティラヌスは、そのような大型の獲物を捕食するために大型化したのかもしれない。

余談

ズケンティラヌスを命名した研究者は、恐竜の学名に地名を付けるのは好きではないと主張していたのに、何故か発掘地に因んで命名した。

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