デメテルとは、
ギリシャ神話のデメテル
読み方はデーメーテールとも。
ギリシャ神話の大神の一柱であり、オリュンポス十二神の一柱にも数えられる。大地の豊穣を担う女神。主神ゼウスの姉妹にあたる。
娘にペルセポネ(ペルセフォネ)があり、彼女にまつわるエピソードによって季節が生まれたとされる。そのように、デメテルとペルセポネは同じ女神の二面を表すものと考えられる時もある。
ハーデスとの因縁
同じオリュンポスの神々で兄に当たるハーデスとは浅からぬ因縁がある。
…具体的にいえば、彼女の娘ペルセポネはハーデスによって誘拐され、半ば強引に彼の妻にされたという経緯がある。
※経緯についてはペルセポネの記事に詳しい。
デメテルはおおらかで慈悲深い女神であると同時に、大変な親バカでもあったため、ハーデスに娘をさらわれ、婚姻を結ばされそうになっていると聞いて大変なショックを受けた。オマケに兄・ゼウスも取り合ってくれず、あまりのショックに「娘を還してくれなきゃ仕事しない!!(泣)」と女神としての職務を放棄して人間界に隠れ、完全に引きこもってしまう。
そのせいで人間界どころか神界まで大寒波と不作に苛まれることとなり、世界全体が食糧難の危機に直面する。
さすがにこれはまずいと思ったゼウスは仕方なくハーデスを説得し、ペルセポネをオリュンポスに返すことを決める。しかし、この帰還のさなかにペルセポネはハーデスが気遣いで渡した冥界の柘榴を口にしてしまったために、ペルセポネは正式にハーデスの妻となって一年の1/3(もしくは1/2)を冥界で過ごすことになる。
無論、この際にもデメテルは猛抗議したが、さすがにペルセポネの不注意という扱いで取り合ってもらえず、ペルセポネが冥界に行くたびにデメテルはストを敢行するのであった。
このときのひと悶着が人間界に冬をもたらし、四季を生む結果となった。
いつまでたっても既婚者となった娘に会えないだけで地上を不毛の冬にしてしまうとは、子離れの出来なさたるや相当なものである。