概要
英国内の高速新線を使用した高速列車に使用される電車編成であり、日本の車両メーカー(日立製作所)が初めて製作した欧州の高速鉄道車両。サウスイースタン鉄道が所有。
ロンドンとイギリス南東に位置するケント州の都市を高速新線「High Speed 1」を使って結び、アクセス向上と同時に高速化を目的とし導入された。
通常走行時速は225km。
2009年9月にデビュー、英仏海峡トンネルのイギリス側出口~ロンドンのセント・パン・クラス駅間の全長109kmの高速車両専用区間を走行、それまで80分かかっていた時間を37分まで短縮した。
同年12月18日、イギリスを襲った大寒波により、英仏海峡トンネルを走っていたユーロスターの車両がトンネル内で故障し、約500人の乗客および乗員がトンネル内に閉じ込められる事故が発生した。当局はトンネル内に閉じ込められた乗客を救うため、クラス395電車を救援列車として英仏海峡トンネルへ向かわせ、取り残されていた乗員乗客全員を16時間ぶりに救出した。
(当初は運賃が普通車両の3割高だったことから利用者に不評だったのが、この件で寒波に強いという利点から一気に見直されるようになった)
2010年4月14日、「英国High Speed 1路線向け高速鉄道車両(Class395車両)の開発」に対し、車両メーカーである日立製作所が第39回日本産業技術大賞「内閣総理大臣賞」を受賞した。
先端部分が黄色いのは衝突事故防止のためで、他のイギリス車両にも義務付けられている。
本車両が好評だったことから非電化区間も走行できるようディーゼルエンジンも搭載したハイブリット車両クラス800が日立製作所に受注されることになり、2017年ロンドン~西部ウェールズ間の運行が予定されている。
愛称
2012年のロンドン五輪の本会場であるストラットフォードを経由するため、五輪開催期間中はクラス395がロンドン・セント・パンクラスとストラットフォード・インターナショナル間の会場アクセス用シャトル列車として運用された。この高速シャトル列車はジャベリン(投げ槍の意)と名付けられ、現在でも同系列の愛称として使われている。
全ての編成にイギリスのメダリストの愛称名が付けられる予定になっており、第1編成は女子陸上選手のケリー・ホームズ選手にちなんで「ティム・ケリー」と名づけられた。