概要
漫画『文豪ストレイドッグス』に登場する福沢諭吉×江戸川乱歩のBLカップリングの略称である。
乱歩は武装探偵社きっての『名探偵』であり、福沢はその武装探偵社社長。
普段非常に自由奔放な性質の乱歩は、社長の福沢を強く慕っており、一方福沢は乱歩を「褒めてやる」の一言でやる気にさせるなど、彼の性格を非常に把握しているらしいことが窺える。
乱歩は中島敦を初めとする武装探偵社の中では一番の上司という立場にあり、社長である福沢と並んで事実上探偵社のツートップとも呼べる二人でもある。
漫画本編では実はさして絡みがあるというわけではないのだが、四年前(ノベライズ二巻)時点では「社長に買って貰った」という名探偵道具を大事に抱えていたり、公式のグッズやイラストではペアで描かれていることも少なくなかったりと、何かにつけて係わりが示唆されている。
以下単行本ネタバレ注意
単行本四巻の中で、ポートマフィアに誘拐された敦を救助に向かうか否かという議論が展開されていた折、ナオミの連れてきた福沢の鶴の一声によって、業務の凍結と敦の救助優先が決定されたが、その際福沢は「筋が違う」と異論を唱えた乱歩を一喝している。
その後、芥川龍之介の口封じによって完全に手詰まりとなった中、福沢が乱歩に推理を要請。最初は全くやる気のなかった乱歩だが、福沢の「(もし恙無く新人を連れ戻せたら)褒めてやる」の一言によって驚くほどのやる気を発揮し、見事、敦の幽閉場所言い当てた。
単行本八巻で乱歩は、組合の一員であるエドガー・アラン・ポオの異能力により、与謝野晶子と共に物語の世界へ閉じ込められてしまう。
その際、乱歩が異能力(と、本人は思い込んでいた)が発動する為に必要な眼鏡は福沢から贈られたものであることが発覚している。
自らが異能力者ではない可能性について言及された時には、「社長が僕に嘘をついていると云うのか」と激昂する場面も見受けられ、乱歩の福沢に対する強い信頼と思慕の念が見て取れる。
また、この時与謝野の口から、武装探偵社は乱歩の才能を活かす為だけに設立されたという事実が明かされる。
以下ノベライズ三巻ネタバレ注意
ノベライズ三巻では、武装探偵社設立前の福沢と乱歩の出会いが描かれている。
何者にもまつろわぬ孤高の用心棒として生きてきた福沢の前に、ある時突然現れた天才的な推理力を持つ少年・乱歩。
福沢はひょんなことから乱歩の世話をする羽目になり、新しい働き口を探してやるという名目で殺人の予告を受けたという依頼人のところへ、乱歩を連れて行くこととなる。
そこで、乱歩の生い立ちと彼の超人的な頭脳を知り、しかし同時にそれらによって乱歩が深く苦しんでいる事実を知ってしまう。
福沢自身、当時は過去の贖罪や柵に囚われており、一度は乱歩の往く道を示して遣れるほどの力が自分にあるのかと煩悶するが、やがて疑心暗鬼に押しつぶされそうになっていた乱歩を救う為、福沢はある嘘をつくのである。
それにより、乱歩は自らを異能力者と思い込み、異能力探偵として瞬く間に事件を解決に導いてしまうのであった。
しかし事件解決後、黒幕の存在に気付いていた乱歩は自らを囮にすることでその黒幕を引きずり出すという荒業に出る。
事の重大さに気付いた福沢は死力を尽くし、すんでのところで乱歩を救出することに成功するが、その時点で「何故彼を1人にしてしまったのか」と強い自責の念を感じ、衝動的に乱歩を強く叱責してしまう。
だが、その行為が逆に乱歩の心の琴線に触れたのか、はたまた他の理由があったのかは定かでないが、この一件以来乱歩は福沢を慕うようになった。
その後福沢も、乱歩に一般的な教養や常識を教えてやるという目的の下、彼と同居し衣食住を与えてやることにしたのだが、結果的にそれは二人を名探偵と熟練の武人という、新たな探偵双人(バディ)として世に知らしめることとなったのである。