概要
数学的に言うならば1とその数以外に約数を持たない自然数である。
1は素数には含めない(理由は後述)。
素数は無限にあることが既に証明されている(後述)。2008年現在知られている最も大きな素数は2の43112609乗から1を引いたものであり、桁数は1297万8189桁である。
規則性が少ないため、落ち着くために、ただ数えるのにうってつけである。しかしながら、ある程度大きな数になるとそれが素数かどうかを判別するのは非常に困難となる。これは、現代の暗号のアルゴリズムにも用いられている。
1が素数に含まれない理由
1を素数に含めると「算術の基本定理」が正常に作動しないためである。
算術の基本定理では「全ての自然数は素数の積を用いる事でただ一つの形で表せる」となっている。ちなみにこれを素因数分解と呼ぶ。
例えば280というのは2×2×2×5×7という形で現され順序の違いを除き他の現し方はない。
ところが1を素数と含めた場合280は2×2×2×5×7の他にも
1×2×2×2×5×7や1×1×2×2×2×5×7などの現し方が出来るようになる。
ではこの時1はどの素数の積を用いて現すことが出来るのか、というと1は0個の素数の積である、という解釈がなされる。これはxの0乗(x≠0)というものが1と定義される事に他ならない。
エラトステネスの篩
古代ギリシャの学者・エラトステネスが考案した素数発見法。
X以下の自然数から素数を発見するには以下のように行う。
まずはXまでの自然数を並べる。
・1は素数ではないので除外する。
・その中で一番小さい素数・2を残し、2の倍数はふるい落とす。
・2の次に残った3が素数。次にその3を残し、3の倍数はふるい落とす。
・その次に残った5も素数。その5を残し、5の倍数はふるい落とす。
…
これをXの平方根まで繰り返し、残った自然数がX以下の素数となる。
100までの素数
2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41,
43, 47, 53, 59, 61, 67, 71, 73, 79, 83, 89, 97
Xの平方根は10なので、10以下の素数の倍数(2,3,5,7 自身は残す)をふるい落とすと、この数が残る。
素数の性質
- 素数は無限に存在する
(背理法による証明)素数を有限と仮定して、yを最大の素数とする。そしてすべての素数をかけあわせた数字をYとする。
Y=2*3*5*7*11*…*y
そのYに1を加えると…
Y+1は、すべての素数で割ることができなくなる。
Y+1は素数という事になるが、これではyは最大の素数ではなくなってしまう。
つまり『素数は有限』という仮定が間違っていることになる。
→『素数は無限に存在する』
- 2以外の素数は全て奇数であるが、5以外の下一桁5の数字は素数にならない(15以上はすべて5で割り切れるので)。
よって11以上の素数はすべて下一桁「1・3・7・9」となり、数字全体に占める素数の割合は、今後どれだけ最大素数が更新されても、間違いなく4割以下ということになる。
- 素数が存在しない区間の長さは理論的には無限である
ある巨大な数nが存在した時にその階乗であるn!を考えると、n!+2~n!+nはそれぞれ2~nで割り切れる為、nが無限大に近付けば素数が存在しない区間の長さは無限大に収束する。
余談
素数と言われて褐色の神父を思い浮かべる人もいる。
「落ちつくんだ…『素数』を数えて落ちつくんだ…『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字…わたしに勇気を与えてくれる。2…3…5…7…11…13…17…19」