概要
ライトノベル『マリア様がみてる』シリーズの舞台となる架空の私立学校。東京都武蔵野に所在する設定。
1901年(明治34年)創立。華族の令嬢のためにつくられたカトリック系の学校で、幼稚舎から大学までの一貫教育を行っているが、中等部や高等部への編入者もいる(このような学校は高校からの編入を行っていない場合もある)。ただし、外部入学のハードルは非常に高く、「都内最難関」と評される。「十八年通い続ければ温室育ちの純粋培養お嬢さまが箱入りで出荷される」、筋金入りのお嬢様学校。
高等部における独特の制度として「姉妹(スール)」と他校の生徒会に相当する山百合会がある。
姉妹(スール)制度
高等部を代表する独自の制度。義務教育を修了し校則が緩くなる事から、生徒が自主的に規律ある生活を送る為、上級生と下級生が擬似的な姉妹の関係となり、姉が妹を導き妹が姉を支えるように、上級生が下級生を指導する。
互いの合意の下、上級生がロザリオ(姉から貰ったものでも新しく用意したものでもよい)を下級生に渡す(首にかける形が多い)事で成立する。上級生と下級生の組み合わせであれば、3年生と2年生、2年生と1年生、3年生と1年生のいずれの組み合わせでもよい。上級生・下級生共に1対1で行うもので、複数の姉及び妹は持てない。その為、姉妹関係にある事は互いに相手と特別に親しい関係である事と同義となる。
姉妹関係となった場合、公的な場では、妹は姉を「お姉さま」、姉は妹を下の名前を呼び捨てにする形で呼ぶ事が殆ど(プライベートでは例外あり)。姉以外の上級生を「お姉さま」と呼ぶ事は大変な非礼とされる(複数の上級生をまとめて「お姉さま方」「お姉さま達」と呼ぶのはOK)。
リリアン女学園は上下関係が厳しく、上級生の方が力関係が強い事が多いが、だからと言って妹を理不尽に扱ったり、言葉に聞く耳を持たずわがままを通す姉は殆どいない。
しかし新聞部の築山三奈子曰く過去にはとんでもない姉もいたようで、妹を持ちながら他の下級生と姉妹のように親密になった、いわば二股をかけていた者がいたが、姉の卒業式の日に、それまでひたすら耐えていた妹の鬱憤が爆発、生徒達の前で姉にロザリオを投げつけ破局となった。
前述の通り、生徒の自主的な活動である為、姉も妹も持たない生徒も多いが、山百合会所属者や部活の部長職等の学校における役職に就任している者の場合は、「妹を持つ=後継者確保」の意味合いを持つ為妹を持つ事が多く、特に山百合会においては半ば不文律となっている。