きさま何するアルか
「この地を治める修羅」と言っているので、「強者しか生き残れない」修羅の国でそれなりに戦闘を経てぞの地位を得ているはずだが、容姿はとても砂蜘蛛よりも格上とはおもえない、ただの太った中国人のおっさん風である。
作者が修羅の国の設定を忘れているとしか思えない冴えないキャラ。
登場一コマ目でいきなりケンシロウに車を破壊され、「きさま何するアルか わたしこの地を治める修羅あるよ」と言った途端、ケンシロウに喉元をつかまれ「羅将ハンの居城はどこだ!?」と聞かれる。
「知らないアルよ!!」と返した直後、ケンシロウはとてもヒーローとは思えない態度で壁や地面にたたきつける激しい暴行を繰り返し、「知らないアルよ~」の返答に「あるのかないのかどっちなんだ」と言いさらなる暴力をふるう。
「アイヤ~ないあるあるないあるないあないあるない~ひょんげ~」の断末魔とともに彼は爆死した。
ちなみに羅将ハンの居城はケンシロウに見えていた。
…これではただの憂さ晴らしの殺戮である。
わたしこの地を治める修羅あるよ
とはいっても所詮はモヒカン雑魚の類と同じなんじゃないかとの読者もおられるとおもうが、このないアル修羅、別に作中で一般の村人などに暴力をふるってはいない。
ただ通りがかっただけの所をケンシロウに捕まり、一方的な意味のない虐待を繰り返し受けて爆死したのである。ひどい。
ないあるあるない~
ちなみに彼の話すいわゆる「~アル」口調は、戦前の日本が大陸で普及させた「協和語」と言われる日本語の変形口調で、漫画などでお約束的に中国人の記号として使われるものの、現実世界では既に死語となっている。
修羅の国が現実世界のどこに相当するのかは作中で語られておらず、好意的に解釈するなら現地訛りを読者に解りやすいように表記したと思われるが、その言葉尻をとらえて虐待の限りを尽くし殺害したケンシロウの酷さは、今日に至るまでネタ的に語り継がれている。
ひょんげ~
ちなみに、彼の容姿は後年の前日譚「蒼天の拳」第一話において登場する溥儀の禁衛隊員・通称ブタオさんと酷似している。北斗神拳との相性の悪さは、ないアルの修羅同様で、最初に秘孔を突かれ爆死する役回りである。
声優・TV版の展開
TVアニメ版では、CV:島香裕氏となっている。
尤も容姿を悪役的なものへと大幅に改められ、自分からケンシロウに攻撃してくる展開とされている。
若干は粘るが、秘孔を突かれ自分から羅将ハンの居城を暴露する形へと改められたうえで爆死。
やはりヒーローが一方的な虐待をするのはは1980年代後半でもまずかったのだろう。